連合航空艦隊

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航空艦隊実現に向けて

装甲空母は必要?

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第三航空戦隊は早速訓練を開始した。
搭乗員たちの飛行、発着艦訓練はさることながら空母を運用する乗組員の航空機運用、そしてダメージコントロール訓練も行った。
ここで早くも第三航空戦隊は問題を出してくれた。
まず1つ目は居住性である。
古鷹型空母は着艦時の排煙の問題を解決するため海水シャワー方式を採用していた。
これにより排煙の問題は解決したが新たな問題として排煙が乗組員の居住区に降り注ぎ灼熱地獄と化していた。
乗組員の中では両艦を”海鷲の焼き鳥製造機”と罵る声も聞こえた。
但しこの問題は艦政本部が机上論ではあるものの艦橋と煙突を一体化してある程度の高さを確保して排煙の影響を排除することで解決が見られた。
だがもう1つの問題はかなり深刻だった。
それは、ダメージコントロールの難しさだった。
話は少しそれるが、日本海軍の仮想敵は言うまでもなくアメリカ海軍である。
そしてそのアメリカ海軍を保有するアメリカ合衆国は世界で初めて急降下爆撃機を実用化した国だった。
急降下爆撃は従来の水平爆撃に比べて格段に命中率が高い。
そんな急降下爆撃機をアメリカ海軍は積極的に開発しており、空母対空母の戦いとなった際には日本海軍の空母は急降下爆撃を受けるのは必至だった。


「もし空母が急降下爆撃を受けたならば飛行甲板は破壊され、格納庫まで到達するかもしれません!」
古鷹艦長の大西は意見交換の場で山本にそう訴えた。
これには戸塚も頷いた。
(確かに彼らの言う通りだ…。無論アメリカとの戦争は絶対に避けなければならないが”もし”戦争になった際にこの問題を野放しにしておけばせっかくの艦隊航空構想が台無しになる!)
「そこで、私どもの方から2つ提案させていただきます」
大西の言葉に山本は身構える。
「飛行甲板に本格的な装甲を設ける案と、飛行甲板の横板張りです」
飛行甲板を装甲化すると爆撃の心配はかなり減少し、そもそもダメージコントロールを行わなくて済む反面、艦の重心が高くなることから艦載機数は減少する。
対して飛行甲板の横板張りは、縦板張りに比べて板材が短く、アメリカ空母に倣い爆撃を受けてもすぐに修復できるようになる。
「一応、開放型格納庫についても考えてみたのですが、あれだと台風などに当てられた時に大損害を被る可能性がありこの2案に絞りました」
山本は説明を受けてすぐに心を決めた。
(結局の所、ダメージコントロールさえうまくやれば空母は戦闘能力を維持できる…ならば)
「よし分かった。一応艦政本部の面々にも聞いてみるが私の考えとしては後者の案を推す」
どうやら大西や戸塚も同じ考えだったようで頷いた。
後日、山本は艦政本部の藤本喜久雄造船少将にこのことを話してみると藤本もこれに賛同の意を示した。
またそればかりか”空母のダメージコントロールの研究を進めておきます”と胸を張って言った。
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