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絶対国防圏の戦い
誤算
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「急ぎ護衛空母から艦載機の補充を受ける」
ギルバート諸島を空襲した第五八任務部隊の司令長官であるレイモンド・スプールアンス大将は重々しい声色でそう断じた。
慎重かつ頭脳明晰で知られる彼だが、味方攻撃隊がここまでこっぴどくやられるとは思っても居なかったのである。
その戦闘内容についても彼は予想を裏切られることになる。
新型機として艦隊に配備され、その活躍が期待されていたF4Uが日本軍戦闘機隊に一方的に撃破されていたのである。
これは、パイロットの技量が未熟であるからであるが、スプールアンスから見ればこの戦闘機が”棺桶”にしか見えなかった。
翻ってF6Fは期待通りの戦果を収めていた。
だが、日本軍も新型機を投入してきておりそれと互角の戦いを強いられていた。
(まさかこれほどの航空兵力を日本軍が配備してくるとは…)
スプールアンスはもう一つの誤算に思いを馳せる。
事前の予想では、ギルバートに配備されている日本軍戦闘機隊は多くとも100機だろうと考えられていた。
日本軍はニューギニアを巡る戦いで相応に消耗したに違いなく、その再建が今だできていないと踏んだからである。
だが、これをおいそれと傲慢として断じることは出来ない。
日本軍は”戦略的な理由で”ニューギニア島から撤退したのだが、アメリカ軍からしてみればそれは”戦術的な理由”での退却であった。
その戦術的な理由の中には当然、航空機の不足も含まれている。
つまり、アメリカ軍は現状のニューギニア占領地を守ることが出来る航空兵力すら払底してしまったと考えたのだ。
だが、実際はラバウル航空隊などをはじめとしてその戦力を保っており、ギルバート諸島などにも戦力が割けた。
結果的に、日本軍は先の迎撃戦で200機ほどの戦闘機を出してきた。
流石にその全てが新型機と言うことではなかったが、そのせいで攻撃隊は半壊し敵飛行場への攻撃も中途半端なもので終わってしまった。
これは由々しき事態であり、スプールアンスは二の矢を継ぐことに必死になっていたのである。
一方の日本軍戦闘機隊だが、勝利を収めたものの機体の損傷はかなり激しいものがあった。
結局、修理不能として零戦三二型が放棄されることになるが、残りの戦闘機たちも修理に明け暮れることになる。
それでも、やはり勝ちは勝ちでギルバート守備隊の士気は最高潮に達した。
また、今回出番がなかった攻撃隊の搭乗員にも闘気を漲らせて出撃の時を今か今かと待っていいたのであった。
ギルバート諸島を空襲した第五八任務部隊の司令長官であるレイモンド・スプールアンス大将は重々しい声色でそう断じた。
慎重かつ頭脳明晰で知られる彼だが、味方攻撃隊がここまでこっぴどくやられるとは思っても居なかったのである。
その戦闘内容についても彼は予想を裏切られることになる。
新型機として艦隊に配備され、その活躍が期待されていたF4Uが日本軍戦闘機隊に一方的に撃破されていたのである。
これは、パイロットの技量が未熟であるからであるが、スプールアンスから見ればこの戦闘機が”棺桶”にしか見えなかった。
翻ってF6Fは期待通りの戦果を収めていた。
だが、日本軍も新型機を投入してきておりそれと互角の戦いを強いられていた。
(まさかこれほどの航空兵力を日本軍が配備してくるとは…)
スプールアンスはもう一つの誤算に思いを馳せる。
事前の予想では、ギルバートに配備されている日本軍戦闘機隊は多くとも100機だろうと考えられていた。
日本軍はニューギニアを巡る戦いで相応に消耗したに違いなく、その再建が今だできていないと踏んだからである。
だが、これをおいそれと傲慢として断じることは出来ない。
日本軍は”戦略的な理由で”ニューギニア島から撤退したのだが、アメリカ軍からしてみればそれは”戦術的な理由”での退却であった。
その戦術的な理由の中には当然、航空機の不足も含まれている。
つまり、アメリカ軍は現状のニューギニア占領地を守ることが出来る航空兵力すら払底してしまったと考えたのだ。
だが、実際はラバウル航空隊などをはじめとしてその戦力を保っており、ギルバート諸島などにも戦力が割けた。
結果的に、日本軍は先の迎撃戦で200機ほどの戦闘機を出してきた。
流石にその全てが新型機と言うことではなかったが、そのせいで攻撃隊は半壊し敵飛行場への攻撃も中途半端なもので終わってしまった。
これは由々しき事態であり、スプールアンスは二の矢を継ぐことに必死になっていたのである。
一方の日本軍戦闘機隊だが、勝利を収めたものの機体の損傷はかなり激しいものがあった。
結局、修理不能として零戦三二型が放棄されることになるが、残りの戦闘機たちも修理に明け暮れることになる。
それでも、やはり勝ちは勝ちでギルバート守備隊の士気は最高潮に達した。
また、今回出番がなかった攻撃隊の搭乗員にも闘気を漲らせて出撃の時を今か今かと待っていいたのであった。
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