小沢機動部隊

ypaaaaaaa

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HW作戦

ハワイに向けて

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「これより、作戦確認を行う」
連合艦隊司令長官の山本五十六が改めて会議に出席している将校の前で宣言する。
その横には合艦隊参謀長となった宇垣纒少将が居た。
「我々はミッドウェー、並びにハワイ諸島を一気に攻略する。参謀長、説明を」
山本から丸投げされたにも関わらず宇垣は平然と説明を始める。
「まずはミッドウェーを攻略します、これには第四艦隊の陸攻隊、並びに第三艦隊、第四艦隊の水上戦力を用います。万が一にもありえないと思いますが、もしミッドウェーに敵機動部隊が現れた場合は第三艦隊並びに第四艦隊は作戦を一旦中止し第一航空艦隊の援護を待ちます」
近藤と井上が頷く。
「そして、ミッドウェー攻撃と同時期に第一航空艦隊並びに第一艦隊、第二艦隊を持ってハワイを攻撃します。おそらく敵機動部隊との戦闘が予想されますのでこれら艦隊はひとまとまりとなってハワイ海域に侵入し、敵機動部隊を撃滅次第、ハワイに攻撃を開始します」
ここで小沢が問う。
「ハワイの飛行場にも敵航空隊が展開していると思うが、それはどうする?」
「それに関しましては、先制攻撃を持って対処していただきます」
つまり現場に丸投げと言うわけだ。
だがこれに関してはこれが最善策だった。
「分かった。ではそのように」
その後、会議は4時間続いた。


「出港用意!」
小沢の声に赤城艦橋の空気は張り詰める。
そして1942年8月16日午前10時20分にHW攻略部隊は出撃した。


一方のアメリカ太平洋艦隊は海軍D暗号の解読により、日本艦隊の出撃を知っていた。
だが、暗号が分かったからと言って太平洋艦隊に出来ることは少ない。
ニミッツは各方面に基地航空隊の融通を頼んでいたが、どこも航空機が不足しておりハワイ基地には400機程度しか配備できなかった。
また艦隊戦力に関しては空母レンジャーすら引き抜いて3隻の空母に新型戦艦であるサウスダコタ戦艦4隻、重巡4隻以下40隻の艦隊を確保していたが、空母戦力が圧倒的に不足しておりまたパイロットの練度も最低レベルだった。
一応、母艦航空隊は司令官のハルゼーの元、訓練漬けになっていたがそれでも歴戦の日本海軍母艦航空隊に対抗しうるかは分からなかった。
このころになると真珠湾基地の石油の備蓄が戦前の水準までに回復し、制約なく艦隊を運用できるようになっていたのが唯一の救いだった。
「ブル(ハルゼーの愛称)の活躍に期待するしかないか」
ニミッツはただそう願うしか出来なかった。
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