連合艦隊司令長官、井上成美

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最終決戦

防空戦

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夜が明ける1時間前に日本軍に攻撃隊は出撃した。
雷電219機、天山522機(誘導弾搭載機279機、魚雷搭載機243機)であり攻撃隊総指揮は岩本が務めた。
また雷電を300機程度艦隊防空に残した。


「敵機接近!」
樋端がそう叫んだのは午前8時12分の事だった。
「もうきたか」
井上はいたって冷静に返した。
すでに山口には連絡がいっており、雷電が続々と発艦しつつあった。
「何としてでも耐え抜くぞ」
井上の決意は固かった。


アメリカ軍の攻撃隊は昨日に比べると明らかに減っていた。
またそのなかでヘルキャットは雷電の8割程度の戦力しかなく多数が撃墜されていった。
だがなんとか100機程度が日本艦隊に到達したが次々と長10㎝砲や37㎜の餌食となっていた。
結局、日本艦隊の損害は大鳳と玄龍に爆弾を1発ずつ命中されただけだった。
またこの2艦は装甲空母であり、甲板がすこし傷ついただけだった。
つまり損害は皆無である。
対して航空機は雷電78機を失いながらも300機以上の敵機を撃墜しその他も撤退させた。


空母部隊が空襲を受けている頃、福留艦隊も同様に空襲を受けようとしていた。
「敵機は100機程度です」
三和の報告に福留は安堵した。
もし400機も敵機が攻撃を仕掛けてきたのなら大和ですら撃沈されるかもしれなかったからだ。
だが100機なら直掩にいる30機の零戦と瑞雲を発進させれば撃破可能だ。
「なんとかなりそうだな」
福留は人知れず呟いた。


迎撃に向かったのは零戦30機、瑞雲30機だった。
瑞雲は一度艦を止めてクレーンで艦に収納しなければならないので30機が限度だった。
福留艦隊の主目標は硫黄島なのである。
ここで長い間居座る理由は無いのだ。
迎撃隊は零戦を先頭に敵編隊に突入していく。
それを45機のヘルキャットが防ごうとした。
ヘルキャットと零戦三三型とでは性能が拮抗していた。
速度ではわずかにヘルキャットが上回り、武装では12.7㎜6挺と20㎜4挺で互角、旋回性能では零戦三三型がヘルキャットを超えていた。
だが零戦はヘルキャットとの戦闘に集中すればいいのに対し、ヘルキャットは後方の瑞雲に対しても注意を傾けなければならなかった。
瑞雲はさすがにヘルキャットにはかなわないが、アベンジャーやヘルダイバーなどの攻撃隊に対しては十分な性能を保持していた。
瑞雲はすぐさま攻撃隊に食いつき次々と撃墜もしくは撃退していった。
福留艦隊に突入できたのは30機程度。
だが彼らは多数の弾幕に阻まれ大和に1発の魚雷を命中させただけにとどまった。
その魚雷も世界一厚い水雷防御によってほぼ無力化されてしまった。
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