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西太平洋戦争
フィリピン降伏
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開戦6週間が経ち、日本軍は各方面で破竹の勢いで進撃していた。
既にグアムやウェーキは陥落しており、フィリピンもダグパンから上陸した第14軍がチャーチル歩兵戦車やクルセイダー巡行戦車、そして自転車を用いた俗に言う電撃戦を実行し12月23日には今だ防衛体制が整っていなかったマニラを陥落せしめていた。
まさにこの速度も”神速”と形容できるもので在比アメリカ軍の総司令官であったマッカーサー大将はマニラを脱出する機会を失いあえなく捕縛された。
その2週間後にフィリピン政府は降伏した。
このフィリピンの降伏は真珠湾の陥落に続いてアメリカが日本相手に劣勢であると如実に表していた。
この数週間はアメリカ政府にとって最悪なものであるということは疑いようのない事実だった。
とりわけ長年にわたって巨額を投じて整備してきた艦隊が蹂躙されていくのは海軍、とりわけルーズベルトの心をえぐった。
「まさか日本海軍があれだけの空母をそろえていたとは…」
このルーズベルトのつぶやきは海軍の総意でもあった。
新型戦艦と公表していた艦船が全て空母だったのだ。
そしてその空母がアメリカ海軍を蹂躙している。
「急がねば」
ルースベルトは空母の大増産を決意するのだった。
堀、山本、塩沢の3人は久しぶりに一堂に会した。
「現状、かなりの優勢だな」
堀の言葉に両名は頷く。
「だが米国を侮ってはいけない。できるだけ早くこの戦争を日本の勝利という形で終わらせなければ」
山本の顔はやはり真剣だった。
「そういえば、例のあの大建艦計画だがなぜ装甲空母を一隻も造らないんだ?」
マル急計画は軍令部と海軍省との間で策定されていた。
「それはな、装甲空母では時間が掛かるわりに艦載機数が多くないからだ。確かに装甲空母は爆撃を無効化できるかもしれない。だが航空戦力が少なければいずれ破滅する。マル急計画はそれを防ぐために鳳翔型を量産することにした」
塩沢は内心”装甲空母を造った方が良いのではないか”と考えていたが山本の考えを聞いてみると俄然鳳翔型空母を量産した方が良い気がした。
既にアメリカが未曾有の大建艦計画を打ち出しておりこれに対抗するには1隻でも多くの空母を物にする必要があった。
「なるほど…たしかに貴様の言う通りだ」
塩沢は納得した。
「それで、連合艦隊は次にどこを攻めるんだ?」
堀はだしぬけに言った。
「次はミッドウェーだ。あそこにどうやらアメリカ太平洋艦隊の残党が集結しているらしい。これを叩く」
塩沢の心強い言葉に堀と山本は心から安心した
既にグアムやウェーキは陥落しており、フィリピンもダグパンから上陸した第14軍がチャーチル歩兵戦車やクルセイダー巡行戦車、そして自転車を用いた俗に言う電撃戦を実行し12月23日には今だ防衛体制が整っていなかったマニラを陥落せしめていた。
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