神速艦隊

西太平洋戦争

作戦準備

月日は経ち7月13日。
大鳳型空母4番艦の祥鳳が習熟訓練を完了し、ついに第5航空艦隊が編成された。


第5航空艦隊
司令長官：戸塚道太郎中将（3月12日付で昇進）
参謀長：樋端久利雄大佐
旗艦：大鳳
空母：大鳳、玄鳳、祥鳳、瑞鳳
戦艦：天城、赤城
大型巡洋艦：鳥海、摩耶
軽巡洋艦：長良、由良
駆逐艦以下12隻
航空兵力：艦戦180機、一三試艦爆196機　計376機


第5航空艦隊は初めて急降下爆撃も雷撃も行える一三試艦爆を搭載している。
また艦載機の比率も戦闘機が大きく増やされることになった。
それでも攻撃力は他の航空艦隊に決して劣ることはなくその点は一三試艦爆のおかげだった。
それに加え、直掩の戦艦には連合艦隊旗艦”だった”天城と同一戦隊である天城を編成していた。
では連合艦隊旗艦は何なのか。
それはダグパン沖海戦で同一戦隊の榛名を失った霧島であった。
霧島はダグパン沖海戦直後に旗艦としての能力を充実させるために大改装に着手していた。


司令戦艦霧島
全長：214.6ｍ
全幅：29.5m
装甲：船舷203㎜（傾斜装甲）主砲防盾203㎜
排水量：32000t
出力：13600馬力
最大速力：30.7ノット
兵装：45口径36㎝連装砲2基、10㎝連装高角砲8基、40㎜連装機関砲8基、20㎜四連装機銃16基、20㎜単装機銃12基
艦載機：28機（水上機のみ運用可能）
航続距離：14ノットで8000海里


特筆すべきは後部主砲を全て取り払いここに飛行甲板を置いたことだ。
ただこの飛行甲板は攻撃機を運用するものではなく、あくまで偵察機を運用するものだった。
また艦橋も改装が施されており、通信室の拡大によってまさに連合艦隊旗艦にふさわしい艦になったのである。
改装が完了したのが6月23日であり、2日後に塩沢以下連合艦隊司令部が移動した。


第5航空艦隊は艦載機を満載し真珠湾へ向かった。
また同じく敷島型空母4隻も真珠湾を目指した。
この4隻は井上成美中将の海上護衛総隊に編成されており、ハワイ沖海戦が終結してからは真珠湾への航空機、搭乗員輸送をひっきりなしに行っていた。
ちょうど今回の航海で航空機の輸送が完了し、敷島型は母艦搭乗員の育成に専念することになっていた。
航海の道中はまさに平和そのもので、第5航空艦隊の面々はまるで旅行の気分だった。
それもそのはず、アメリカ海軍はハワイ以西への攻撃にリソースが割けなかったのである。
航空機は論外として、潜水艦に関してはハワイ以西への攻撃は可能だった。
だが、現在のアメリカ海軍は完全に守勢に立たされており潜水艦も西海岸沿岸などの哨戒に割く他なかった。
また、例え潜水艦による通商破壊を行おうとしても、各諸島にはすでに日本軍航空隊は進出しており、それらが潜水艦の攻撃目標である輸送船団に常時張り付き攻撃の隙を与えなかった。
かくして第5航空艦隊並びに敷島型空母4隻は無事真珠湾に入港した。