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戦力増強
伏見宮の頼み
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山本の説得を終えた藤本は再び穏やかな日々を送ることになる。
既に⑤計画は始動し、④計画の進捗も順調である。
⑥計画に関しては今だ見当の遡上にも上っていないため、図面を引くことも無い。
そのこともあり、盟友でもある平賀は一旦艦政本部から出て東京帝国大学の学長に就任。
自らの後進を育てることに注力するようになっていた。
藤本はまだ若いためそう言った事は無く、艦政本部にどっしりと腰を据えていた。
藤本が暇であるということは噂で流れ、ついに軍令部総長の伏見宮の耳に入った。
そして、藤本は伏見宮の将棋相手に駆り出されることが多くなったのである。
「欧州でビスマルクがフッドを撃沈したそうだ」
対局が始まってすぐに伏見宮はそう口を開いた。
「ビスマルクと言いますと、41㎝連装砲を4基搭載した戦艦でしたか」
「うむ。と言うよりかはドイツ海軍が建造した戦艦は全て41㎝連装砲を装備しておった」
日本が供与した41㎝砲の技術をすぐにドイツ海軍はものにしてシャルンホルスト級巡洋戦艦やビスマルク級戦艦の主砲に採用していた。
「そうでした。このまま行けば北海の制海権を握れるやもしれませんな」
藤本の言葉に伏見宮も頷く。
「やはり戦艦は海の覇者である…と言いたいところだが、どうもそうは言えんかもな」
「先のタラント空襲では航空機によってイタリアの戦艦が大破着底してしまいました。港だから大破着底で済みましたがもし洋上であったなら沈んでいたでしょう」
伏見宮は将棋を打つ手を少し強めつつ、話を続ける。
「考えてみれば航空機は魚雷を抱えて攻撃が出来る。それも、潜水艦や駆逐艦より縦横無尽にだ。戦艦を撃沈することも容易いかもしれん」
藤本は押し黙る。
「藤本、そこでお前に頼みがある」
いきなりのことで少し驚いたが藤本は姿勢を正す。
「恐らく、次の⑥計画でも戦艦を建造することになる。だが、この戦艦は時局のいかんによっては”空母に改装される可能性”がある。そこでだ。前もって空母に改装できるように設計をやってもらえないだろうか」
すぐに藤本は首を縦に振って承諾したが、大艦巨砲主義の急先鋒でもあった伏見宮でさえこのようなことを言うのだから、もはや時代は航空機の時代であるということを藤本は認識せざるを得なかった。
藤本は改めてこれから竣工する主力艦艇を一覧にしてみた。
戦艦:改大和型戦艦2隻、大和型戦艦2隻、長門型戦艦2隻、伊勢型戦艦2隻、金剛型防空戦艦4隻
空母:改翔鶴型装甲空母3隻、貨客船改装装甲空母3隻、改翔鶴型空母3隻、戦艦改装装甲空母2隻、水上機母艦改装軽空母2隻、潜水母艦改装空母1隻、加賀型空母1隻、赤城型空母1隻
重巡:改利根型2隻
これらがそろい踏みとなるのは1942年の9月。
既存の艦艇も加えると戦艦は12隻で空母は21隻となる。
アメリカ海軍の正規空母は7隻だが護衛空母も戦力として考えなければならないため、圧倒的では無かった。
(総長が言う通り、もしかしたら新型戦艦は空母に改装されるかもしれない)
藤本はすぐに設計を開始した。
既に⑤計画は始動し、④計画の進捗も順調である。
⑥計画に関しては今だ見当の遡上にも上っていないため、図面を引くことも無い。
そのこともあり、盟友でもある平賀は一旦艦政本部から出て東京帝国大学の学長に就任。
自らの後進を育てることに注力するようになっていた。
藤本はまだ若いためそう言った事は無く、艦政本部にどっしりと腰を据えていた。
藤本が暇であるということは噂で流れ、ついに軍令部総長の伏見宮の耳に入った。
そして、藤本は伏見宮の将棋相手に駆り出されることが多くなったのである。
「欧州でビスマルクがフッドを撃沈したそうだ」
対局が始まってすぐに伏見宮はそう口を開いた。
「ビスマルクと言いますと、41㎝連装砲を4基搭載した戦艦でしたか」
「うむ。と言うよりかはドイツ海軍が建造した戦艦は全て41㎝連装砲を装備しておった」
日本が供与した41㎝砲の技術をすぐにドイツ海軍はものにしてシャルンホルスト級巡洋戦艦やビスマルク級戦艦の主砲に採用していた。
「そうでした。このまま行けば北海の制海権を握れるやもしれませんな」
藤本の言葉に伏見宮も頷く。
「やはり戦艦は海の覇者である…と言いたいところだが、どうもそうは言えんかもな」
「先のタラント空襲では航空機によってイタリアの戦艦が大破着底してしまいました。港だから大破着底で済みましたがもし洋上であったなら沈んでいたでしょう」
伏見宮は将棋を打つ手を少し強めつつ、話を続ける。
「考えてみれば航空機は魚雷を抱えて攻撃が出来る。それも、潜水艦や駆逐艦より縦横無尽にだ。戦艦を撃沈することも容易いかもしれん」
藤本は押し黙る。
「藤本、そこでお前に頼みがある」
いきなりのことで少し驚いたが藤本は姿勢を正す。
「恐らく、次の⑥計画でも戦艦を建造することになる。だが、この戦艦は時局のいかんによっては”空母に改装される可能性”がある。そこでだ。前もって空母に改装できるように設計をやってもらえないだろうか」
すぐに藤本は首を縦に振って承諾したが、大艦巨砲主義の急先鋒でもあった伏見宮でさえこのようなことを言うのだから、もはや時代は航空機の時代であるということを藤本は認識せざるを得なかった。
藤本は改めてこれから竣工する主力艦艇を一覧にしてみた。
戦艦:改大和型戦艦2隻、大和型戦艦2隻、長門型戦艦2隻、伊勢型戦艦2隻、金剛型防空戦艦4隻
空母:改翔鶴型装甲空母3隻、貨客船改装装甲空母3隻、改翔鶴型空母3隻、戦艦改装装甲空母2隻、水上機母艦改装軽空母2隻、潜水母艦改装空母1隻、加賀型空母1隻、赤城型空母1隻
重巡:改利根型2隻
これらがそろい踏みとなるのは1942年の9月。
既存の艦艇も加えると戦艦は12隻で空母は21隻となる。
アメリカ海軍の正規空母は7隻だが護衛空母も戦力として考えなければならないため、圧倒的では無かった。
(総長が言う通り、もしかしたら新型戦艦は空母に改装されるかもしれない)
藤本はすぐに設計を開始した。
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