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第3夜、憑き物落とし
15-3、
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「でもわたしは……」
「早足でぬけたら5分もかからないし、獣もでていないし、途中で倒れたりして朝まで発見されないなんて嫌だし……」
必死さが伝わってくる。
互いに第一印象が悪いとわかっているのに、わたしに頼むとはよっぽどのことだった。
紫苑は意図的に己の容姿を利用できる子だった。
わたしは重い雲をみて、遊歩道の先を見た。
外灯が早くも点灯して真っ暗というわけではない。
まだ四時半を少しまわったところなのだ。
獣の事件もおこったのは18時から20時の間。
「何も起こりようがないよ?それに襲われたのは美人ばかりだろ」
わたしの思考が聞こえるかのように、紫苑が代弁する。
「他に学生がきたのなら、その人に付き添いを頼んでいたよ。でも誰も来なかったんだ。しょうがないだろ」
状況的にやむを得ないだけで、わたしのことは好きじゃないのは変わらないようである。
わたしは花蓮を含めた被害者たちが芸教の美人ぞろいだったことを思い出す。
犯人がターゲットにするのは美人だ。
360日、眼鏡の、髪を色気なく後ろで束ねたわたしではない。
「それもそうよね。危ないのは紫苑のほうかもね」
遊歩道に足を踏み入れてから紐を張り、わたしたちの後から誰も入れないようにする。
早坂紫苑の付き添いで、遊歩道を抜けることにしたのである。
「早足でぬけたら5分もかからないし、獣もでていないし、途中で倒れたりして朝まで発見されないなんて嫌だし……」
必死さが伝わってくる。
互いに第一印象が悪いとわかっているのに、わたしに頼むとはよっぽどのことだった。
紫苑は意図的に己の容姿を利用できる子だった。
わたしは重い雲をみて、遊歩道の先を見た。
外灯が早くも点灯して真っ暗というわけではない。
まだ四時半を少しまわったところなのだ。
獣の事件もおこったのは18時から20時の間。
「何も起こりようがないよ?それに襲われたのは美人ばかりだろ」
わたしの思考が聞こえるかのように、紫苑が代弁する。
「他に学生がきたのなら、その人に付き添いを頼んでいたよ。でも誰も来なかったんだ。しょうがないだろ」
状況的にやむを得ないだけで、わたしのことは好きじゃないのは変わらないようである。
わたしは花蓮を含めた被害者たちが芸教の美人ぞろいだったことを思い出す。
犯人がターゲットにするのは美人だ。
360日、眼鏡の、髪を色気なく後ろで束ねたわたしではない。
「それもそうよね。危ないのは紫苑のほうかもね」
遊歩道に足を踏み入れてから紐を張り、わたしたちの後から誰も入れないようにする。
早坂紫苑の付き添いで、遊歩道を抜けることにしたのである。
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