陰陽師の末裔

ハリマオ65

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54話:中国の反日、官製デモ

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 そして土曜日となった同日、日中国交正常化以降最大規模で2005年の中国における反日活動を超える規模となる反日デモが中国各地で発生し日本企業への大規模な襲撃が引き起こされた。

 日系企業の工場や日系自動車会社の販売店などは徹底的に破壊された後に放火され、事後の操業が困難となった。また、日系スーパーやコンビニエンスストアは大規模な破壊と略奪行為が行われた。

 中国人、が経営する日本料理店や路上を走行中、または、駐車中の中国人所有の日本車も破壊された。このため、日本料理店や日本車所有者は被害を避けるため、閉店した。

 さらに店頭に五星紅旗を掲げたり尖閣諸島の中国領有を主張するステッカーを張るなど自衛策に追われた。これらの騒乱では私服警察官や中国共産党員によってデモが扇動された事が一部確認されている。

 また、100元「約1200」をもらって官製デモに参加した人がいることやデモを支援する出資者がいて当局による組織的動員の可能性があることも報じられてた。当初、胡錦濤中国指導部は、尖閣諸島国有化に対して穏便に対処する予定だった。

 しかし、8月10日に、李明博、韓国大統領が竹島を訪問して日韓間で重大な問題になり、中国共産党内の保守派の「なぜ、中国だけが日本に弱腰なのか」という意見が強まった。

 やがて、次期共産党総書記に内定している保守派の習近平国家副主席の親友の栗戦書が先立って党中央弁公庁主任に就任すると、習近平が主導して対日強硬路線に転じ、反日デモを容認・推奨したことが報じられた。

 この頃、雨宮ほたる夫妻は、横浜の東日本大震災支援のバスに乗って、東北へ出かけ、炊き出しの手伝いをしたり被災地の現状を見て回り、多くの写真を取ってきた。そうして3日後、横浜に戻ってきた。

 この時、子供達の絵本、文房具、雑誌が、流されているのを見て、「がんばっぺし東北」のインターネットサイトに子供達の絵本、文房具、雑誌を供出してもらえるように書き込んだ。それらをその地域の地区センターに持参してもらえるように要請した。

 それを集めて、東北にボランティアに行く人やバス、トラックに積み込んでもらい、東北の避難場所に持って行ってもらった。また、平行して土日祭日は、横浜、新横浜での募金活動とインターネット募金を呼びかける活動を継続していた。

 その後、11月下旬、かなり疲れがたまると、箱根の紅葉を見に芦ノ湖の湖畔をドライブして、仙石原のすすき野を散策してきた。その晩、箱根の温泉に入って、休息した。翌日は、熱海へ向かい、美味しい魚を食べて、ゆっくり温泉で疲れを癒やして帰ってきた。

 こうして2013年を迎えた。正月に、雨宮時雄が来て、一緒に初詣に行って、今年の家内と東日本大震災の遺族の安全と復興を祈願してきた。その他、今年4月、孫の雨宮良雄が、小学生にあがるのでお祝いにランドセルを買ってあげた。

 1月16日、アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設をイスラム武装勢力が襲撃、日本人を含む多数が人質にされた。アルジェリア軍が17日、施設内に突入、武装ヘリコプターも投入して犯行グループの32人を殺害したが、人質も巻き添えになり、外国人39人が死亡。

 日本人の犠牲者はプラント建設大手「日揮」の10人で、日本人が、最も多い。事件は、北アフリカの国際テロ組織、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダから離脱したベルモフタール司令官率いる過激派「覆面旅団」が実行した。

 3月、東京電力福島第1原発では放射能汚染水の貯蔵タンクで水漏れが相次ぎ、海への流出も判明。汚染水問題が深刻化する中、東京五輪招致で安倍晋三首相は「状況はコントロールされている」と明言。原子炉で溶けた核燃料を冷やした水は、汚染水となって増え続けた。

 貯蔵用の地下貯水槽では4月、遮水シートから汚染水が漏出。継ぎ目をボルトで締めた簡易型タンクからも漏れ、原子炉建屋に近い海側の井戸では地下水から高濃度の放射性物質が検出された。一方、4号機使用済み燃料プールでは11月、核燃料の取り出しが始まった。

 すぐに雨宮ほたるが、100株を6230万円で買え、残金が、8970万円、雨宮朋子が、50株、3115万円で買え、残金が、6785万円となった。こうして、2012年を迎えた。
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