陰陽師の末裔

ハリマオ65

文字の大きさ
上 下
56 / 74

55話:紛争と子供食堂

しおりを挟む
 2013年4月5日早朝証券会社の担当者からの電話が、入った。日本ビルファンドの気配値が150.5万円と聞き、雨宮ほたると朋子が、全株成り行き売りを指示すると、すぐに全株売れた。

 雨宮ほたると雨宮朋子の税引き後利益が、6550万円となり、雨宮ほたるの投資残金が12400万円となり雨宮朋子の投資残金が、13335万円となった。

 日中、日韓関係は、領土問題のため改善せず、日本は国際会議を利用して両国との首脳会談を探ったが、それぞれ立ち話程度で終わり改善の兆しはなお見えない。日中関係では沖縄県・尖閣諸島の問題が深い影を落とした。

 1月には中国海軍のフリゲート艦が東シナ海で海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射。中国公船の領海侵犯も常態化した。11月になり中国は東シナ海に防空識別圏を設定、対立が、一層、ひどくなった。

 さらに中国政府が11月23日、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に「防空識別圏」を設定。圏内で国防省の指令に従わない航空機には「武力で防御的な緊急措置」を取ると警告した。日本政府は「わが国固有の領土を含み、全く受け入れられない」と抗議。

 ケリー米国務長官も「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」と非難。中国の狙いは、強硬措置で緊張をあおり、尖閣問題で日本に交渉を迫ることにあるとみられ、すでに、中国空軍が圏内に入った日米の戦闘機に主力戦闘機が緊急発進をかけた。

 内戦が続くシリアの首都ダマスカス郊外で8月21日、化学兵器を使ったとみられる攻撃があり、毒ガスによる症状で、千人以上が死亡。国連は9月16日、化学兵器使用を断定する調査団の報告書を公表。

 国連の委員会は11月、サリンを積んだ地対地ロケット弾が「政府の支配地域から反体制派地域に撃ち込まれた明確な証拠がある」と指摘。オバマ米大統領は8月末、シリアのアサド政権に責任を取らせるため軍事介入を決断したと発表、議会に承認を求めたが、反対論が強く断念。

 この年までに3千万円の募金が集まり、残金が2億5千万円となった。そこで、4千万円ずつ東北の子供達の支援をしている2つ団体に、計8千万円送金し、残金が、1億4千万円となった。

 もちろん、その後も毎週末、横浜駅、新横浜駅、桜木町駅を中心に募金活動を展開していた。そうして2014年を迎えた。この年、2014年4月にNHKの情報番組『あさイチ』で東京都豊島区要町に「要町あさやけ子ども食堂」が、紹介された。

 この放送を雨宮ほたる夫妻も見た。その後、『クローズアップ現代』『オイコノミア』『NEWS23』など、多くのテレビ番組でも取り上げられ、子のと重大さを痛感させられた。そこで、募金の半分をここに回そうと雨宮朋子さんが言い出し、雨宮ほたるも賛成した。

 その後、その子供食堂を運営している施設に、お土産を持って訪問して、現状と問題点を聞いて回った。すると、資金不足で、月に1回しか開催できないが、もっと増やしたいとかスタッフが足りないとか問題点を語っていた。

 最大の問題点は、やはり資金とスタッフ不足だと教えてくれた。そこで、とりあえず、新横浜、横浜周辺の子供食堂へ必要な食品を届ける運動から開始しようと話あり学生ボランティアにトラックで食品を運搬してもらった。

 その予算として1千万円を用意し、雨宮ほたるの残金が、11400万円となった。2014年は、ウクライナで2月に親ロシア派のヤヌコビッチ政権が反政権デモで、崩壊し、親欧州連合「EU」派政権が発足した。

 それを見て、ロシア系住民が多数を占める南部クリミア半島にロシアが軍事介入し、3月に編入に踏み切った。武力を背景に領土拡大を強行したロシアの行動に驚かされた。その後ウクライナ東部でも、ロシアが後ろ盾の親ロ派武装勢力と政府軍が激しい戦闘を続けた。

 そして、死者は4千人を超えた。7月には、誤って、東部上空でマレーシア機が、撃墜され、298人が死亡する悲劇も起きた。欧米や日本は、ロシアが事態収拾に応じていないとして、制裁を発動している。

 マレーシア航空機との通信が途絶えた直後、ドネツィクにいる反政府人民兵は、ウクライナ軍のAn-26輸送機を撃墜したと主張した。グラボベ近郊に落ちた、その残骸が民間旅客機だと明らかになるや分離主義者はこの主張を撤回して一切の航空機撃墜を否定した。

 オランダ安全委員会「DSB]とオランダ主導の合同調査団「JIT」に調査責任が委託され、彼らはウクライナの親ロシア分離主義に支配された地域から発射された地対空ミサイル「ブーク」によって旅客機が撃墜されたと結論付けた。
しおりを挟む

処理中です...