陰陽師の末裔

ハリマオ65

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56話:紛争の2014年

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 JITによると、使用されたブークはもともとロシア連邦の第53対空ミサイル旅団にあったもので、撃墜当日にロシアから輸送され、反政府勢力の支配地域である場所から発射され、その後ロシアへと戻ったという。

 DSBとJITによる調査結果は、アメリカやドイツの情報機関による以前の主張とウクライナ政府の主張と合致した。JITの結論に基づいて、オランダ政府とオーストラリア政府はブークの設置配備に関してロシアに責任があるとして2018年5月時点でこれを追求する法的手段を模索中。

 ロシア政府は航空機撃墜への関与を否定したが、航空機が撃墜された方法の説明をその時々で変えていた。ロシアメディアの報道も他国の報道とは異なるものだった。ロシアとしては、戦争空域において民間機の飛行を許可したウクライナ政府の落ち度であるとの見解。

この事件は、これまでで最も多くの死者を出した旅客機撃墜事件で、乗客283名と乗務員15名の全員が死亡した。7月19日までに、航空会社は298人の乗客と乗務員全員の国籍を断定した。

 乗務員は全員マレーシア人だったが、乗客の68%はオランダ人だった。 他の大部分の乗客は、マレーシア人とオーストラリア人で、それ以外に7カ国の市民がいた

 西アフリカのエボラ出血熱感染拡大は、ギニア政府が3月、「最初の患者が2月に確認され、既に59人が死亡した」と公表された。瞬く間に国境を越え、隣国のシエラレオネ、リベリアに飛び火。世界保健機関「WHO」は、12月に入り死者は6千人を超えたと発表。

 感染者は2万人に迫ろうとした。流行は史上最悪の規模になった。感染は10月になってアフリカ大陸以外にも広がり、スペインや米国で隔離治療が相次いだ。パニックに近い状態になったが、欧米では大半が完治。日本でも西アフリカからの帰国者が隔離されたものの感染していなかった。

 パキスタン北西部ペシャワルで12月16日、イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動、TPP」が、軍運営の学校を襲撃、生徒ら140人超が死亡した。

 パキスタン軍は6月以降、北ワジリスタン地区でTTP掃討作戦を展開しており学校襲撃はその報復とみられる。シャリフ首相は「子供を標的とした残忍な事件だ」と非難。「テロ組織を駆逐するまで軍事作戦を継続する」と述べ、掃討作戦を強化。

 TTPと関係が深い隣国アフガニスタンの反政府勢力タリバンも「罪のない人々、子供や女性を故意に殺害することはイスラムの基本に反する」と異例の非難をした。

 イスラム過激組織「イラク・シリアのイスラム国」が、6月、イラク第2の都市モスルを制圧し、指導者のバグダディ容疑者を指導者とする「イスラム国」の樹立を宣言した。

シリア内戦でアサド政権の統治が及ばない北東部やイラクの北西部で活動し、少数派や他宗派の迫害などの残虐行為を継続。米軍は8月、イラク領内でイスラム国を標的とした空爆を開始した。

 オバマ政権は、有志連合を形成し、9月に開始したシリア空爆には、サウジアラビアなどの中東諸国も加わった。イスラム国は、3万人超の戦闘員を擁するとみられ、壊滅には、かなりの時間を要すると思われる。

 日本は、まだ平和であるが、世界中には、現在でも多くの紛争、テロの中にさらされているのが、現状だった。この年、雨宮ほたる夫妻と雨宮時雄一家が、一緒に12月20日から2泊3日で、南国、沖縄旅行へ出かけた。

 まず、雨宮ほたるの運転するエスティマに5人が乗り込んで、羽田空港の7時過ぎに到着し車を駐車場に入れた。そして利用する航空会社の窓口で手続きを取り、搭乗口に移動し8時20分発の飛行機の乗り込んだ。

 その後、飛行機から見える富士山を眺めたりして、うとうとしながら、しばらくすると、11時過ぎ、当機は、間もなく那覇空港へ到着しますとのアナウンスで起きた。すると、10分後、空港に到着した。

 降り立つと、暖かい空気が、頬をなでて気持ちよい。その後、モノレールに乗って、県庁前駅で降りて、ホテルに荷物を預けて、近くのデパートに入り、昼食を食べた。そして、デパートを一回りして、14時頃、ホテルにチェックイン。
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