無頼・証券マン、哲二

ハリマオ65

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25話:新会社、恵食社の立ち上げ1

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 新会社「恵食社」を立ち上げてから哲二は信二だけだと心配になり得意先回りに連れて行くように頼むと良いと言って数日と卸問屋を回り、新しく作った恵食社・会長の名刺を渡して歩いた。その後、卸問屋はここだけかと聞くと昔から親父に連れられて、ずっと来ていると言った。

 他も探しに行こうと言うと、どこにと信二が聞くので埼玉、群馬、栃木、茨城に食品の工場群があると調べ上げた資料を見せると、へーと驚いた様にいった。そこでトラックで一番安く手に入りそうと感じた茨城県の食品工場団地に向かい、1時間ほどでついて、多くの食品工場に入り哲二は持って来たノートに仕入れ値と販売予定価格を書いて工場の商品管理者に在庫が余ったり、不良品が出て困ったときには、すぐに買いに来るから電話して下さいと名刺を渡した。

 茨城と終えて一休みすると信二が工場直売だと安いと驚いていた。そこで当たり前だ、問屋は工場に買いに来て買い値に儲けをのせて商店に販売するのだから、その利益と運搬費用がのせられてるのだから高いのは当たり前だというと納得した。

 次に群馬と栃木と埼玉にも電話をしたが、今ひとつの反応だったので一番大きい現金問屋のある埼玉県の店に行った。すると初めて来たので、あまり良い情報をくれないので、その理由を聞くと、あんたらみたいな小さな店には小単位でしか売れないので、うまみながないと言い、その点、大型スーパーは購入単位が桁違いで在庫が困ったときでも全部引き取ってくれるからメリットが多いが、零細小売店には、あまり売りたくないと本音を語った。

 そこで、うちは単なる小売店だけでなく店が山谷に近くにあり食べられなくていきだおれになる老人や離婚して奥さんの稼ぎだけは十分に食べられない子供達には無償で食品を渡してるんですよと言うと、何で、それを早く言わないと言い、そう言う事なら話は別だと言い、不良在庫情報は入れてやるからと言ってくれた。

 そのやりとりを聞いていた信二は、さすがに哲二は昔から頭が良かったが、すげーやと驚いていた。その時、哲二が信二に、お前の仲間に小規模な商店主は何人位いると聞くと、上野、神田、御徒町で20件あると言うと、そこでも商売しようと言った。取引量を増やさない限り、そう簡単に安く買えるはずがないと説明した。

 わかった仕入れもやってくれと言い運搬は俺がやるからと信二が言った。了解、任せろと哲二が答えた。近いうちに、その仲間を集めて、休み店で飲もうというとわかった、連絡してみると信二が言った。やがて12月になり12月8日、忘年会と称して信二の仲間の商店主に電話連絡を入れて16人を集め、神田の居酒屋の1室を借り切って12月8日夜7時から忘年会を開催した。

 最初に信二が小さな商店は、その規模の小さいことで不利益を被っているので、一致団結して共同仕入れして安く商品を仕入れようと話をしてくれた。次に、哲二が簡単に略歴と今考えてる食品工場からの一括購入と食えない人達への福祉活動と商売の2つについて説明した。

 するとフロアーから商品の仕入れに関しては全部任せて良いのですねと言われ、もちろんそうですと答えると手間賃の支払いはと聞くので、そんなのいらない、みんなが少しでも多く稼いでくれて、食えない人に、自分のできる範囲で無償で食品を渡してくれれば良いと簡潔に話すと、その後、多くの商店主から零細商店の現状の厳しさを聞かされ、もっと儲けて生活を楽にしたいと言う声が多いのに哲二は驚いた。
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