無頼・証券マン、哲二

４８話：２０１０年代の異常気象１

　そして、熱海の温泉で旅の疲れを取って、旅行の写真をまとめたりして、１２月、やがて、２００９年が終わり、２０１０年を迎えた。この年、アメリカで初の黒人で大統領になったオバマ大統領が日本を訪問して、世界平和に対する強い決意を述べた。その後、２０１０年を迎えた。

　２０１０年１月には、カリブ海のハイチで２０１０年１月１２日、現地時間１７時前にハイチ共和国で起こったマグニチュード７の大地震で規模の大きさハイチの政情不安定に起因する社会基盤の脆弱さが相まり死者が３１万６千人となり、単一の地震災害としてはスマトラ島沖地震に匹敵する近年空前の大規模なものとなった。

　主要都市、ポルトープランスでは大統領府や国会議事堂を始めとする多くの建物が倒壊し、天井・床が重なって潰れるパンケーキクラッシュを起こした。このため、地震直後は大統領や閣僚すら屋内に寝る場所がなく、ホームレス
状態となった。

　２月３日、ジャン・マックス・ベルリーヴ首相は、政府の集計で死者が２０万人を超えた事を議会上院に報告。ルネ・ガルシア・プレヴァル大統領は２月１０日に１７万人を埋葬したと発表、死者数の総計も政府が機能していなくて２０万人以上で、数字も確定してなかった。

　３月１７日に開かれた復興支援会合では、死者２２万２５７０人、負傷者３１万９２８人、行方不明者８６９人、被害総額は７７億５千万ドル余りと発表された。２０１０年１月１２日、ベルリーブ首相は記者会見で死者が３１万６千人以上に達したと発表したが、震災後に行われた集団埋葬のために正確な数の把握は難しいものとなっている。

　また、水道や電力供給網等のライフラインにも壊滅的な被害が及んでおり、ポルトープランスの７５％が再建の必要があると見られた。今回の地震に伴い、ハイチ政府の選管当局は、２月と３月に予定していた議会選挙の無期限延期を決めた。

　朝日新聞や時事通信によると、隣国である在ドミニカ共和国日本大使館の四宮信隆大使の話として「ハイチの日本大使館が入っている建物の壁にひびが入り、家具が倒れるなどの被害が出たが、館内にいた職員５人とその家族は避難して無事であった」「戸別訪問を通じて、国内在住の日本人２１０人の安否の確認を急ぎたい」と報じた。

　国際赤十字赤新月社連盟は、「被災者は、総人口の約７５％にあたる３百万人が被災した」と推計しており各国の救援チームが現地入りし、倒壊した建物に取り残された人々たちの救出活動に加わった。

　この地震で、多数の死傷者が出た背景には、ハイチは長年不安定な政情が続き統治能力を欠き安全が、なおざりにされた。また現地の建物は鉄筋コンクリートのフレームに素焼き煉瓦を積み上げて壁にする工法が主流だが、この際各階の床スラブを梁を使って補強しなくてはならない。しかし建設業界では「手抜き」と「賄賂」が蔓延し、いい加減な計画書でも許可されることが多かった、こういう違法建築が多く地震の被害を大きなものにしたと言われた。