無頼・証券マン、哲二

４９話：異常気象と東日本大震災

　その他、世界中で異常気象起きた。オーストラリアの洪水。オーストラリア北東部クイーンズランド州のブライ知事は２０１１年１月５日、記録的な洪水によって同州のインフラが壊滅的な打撃を受けており、炭鉱は７５％が生産停止に追い込まれていると述べた。

　インド・ニューデリーは１月９日、気温が摂氏３度にまで低下し、４０年ぶりの寒さとなった。インドで最も人口の多い北部のウッタルプラデシュ州では、寒さで８０人を超えるホームレスが亡くなるほどで、地元当局は各地に暖を取るためのたき火を設置するなど対応に追われた。

　ブラジルのリオデジャネイロ州当局は１月２３日、豪雨による洪水や地滑りによる死者数が８０６人となったと発表した。依然として３００人以上が行方不明とされており、２万人を超える被災者が避難生活を余儀なくされている。

　またアラブの春がアラブに吹き荒れ、チュニジアでは、退陣要求デモの拡大を受けてベンアリ大統領が国外に逃れたチュニジアで１５日、メバザア下院議長が暫定大統領に就任した。一方、首都チュニスで発砲事件が多発したほか、地方の刑務所で脱獄が起きるなど、政権崩壊による混乱が広がった。

　２３年以上にわたったチュニジアのベンアリ政権崩壊で、専門家からは、反アラブ運動や中東諸国の長期政権に対する市民の反発につながると予想した。

　チュニジアにおいて長期政権を倒したジャスミン革命に触発され、３０年の長きにわたり大統領職にあり独裁政権を維持したムバーラクに対する反発が表面化し退陣を要求するデモが繰り返された。この騒乱により、ムバーラクは退陣し、政権の長期独裁に終止符が打たれた。

　更に、リビアにおいて２０１１年に起こった政治社会的要求を掲げた大規模な反政府デモを発端とする武装闘争が２月１７日革命と呼ばれ、2月15日に開始され、同年8月に首都トリポリが北大西洋条約機構軍の支援を受けた反体制派のリビア国民評議会の攻勢によって陥落した。

　事実上の最高権力者として４０年以上政権の座にあったカダフィ大佐と、革命指導者が率いる大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国は事実上崩壊した。その後もカダフィ大佐は抗戦を続けたが１０月２０日に最後の拠点スルトで身柄を拘束され、その際に受けた攻撃でカダフィ大佐は死亡した。

　一方日本では２０１１年３月１１日午後２時４６分、日本の太平洋三陸沖を震源として発生した地震である。東日本大震災を引き起こし、東日本を中心に甚大な被害をもたらした。地震の規模はマグニチュード９,０で、日本の観測史上最大規模だった。また宮城県で最大震度7が観測された。

　気象庁により震度7が記録されたのは、１９９５年の兵庫県南部地震・阪神・淡路大震災、２００４年の新潟県中越地震以来、観測史上3回目である。その後、地震の津波により、福島第一原子力発電所の冷却装置の電源が破壊されて、冷却できなくなった。

　２０１１年３月１１日の東北地方太平洋沖地震による地震動と津波の影響により、東京電力の福島第一原子力発電所で発生した炉心溶融・メルトダウンなど一連の放射性物質の放出を伴った原子力事故で、その後、避難区域が設定されて、住民の移動が指示されて、その後、現在でも避難区域が解除されずにいる、区域が存在している。