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27話:グラナダ、アルハンブラ宮殿3
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一見素朴な雰囲気ですが、建物の柱のアーチや壁面にはイスラム芸術の粋を凝らした超細密彫刻が施され、その美しさは圧巻です。庭園では、豊かな緑、涼やかな噴水、咲き乱れる花々に心身共に癒されます。ゆっくり散策するのがお勧めです。
ヘネラリフェは、14世紀初頭のナスル朝時代、ムハンマド3世によって建築されたアルハンブラ宮殿の夏の別荘「離宮」です。チノス坂を挟み、太陽の丘と呼ばれる少し高台にあります。
ヘネラリフェを入れば、美しく剪定された緑の木々の間を奥に進みます。涼やかに配された水路や噴水、所々で咲き乱れる花々に癒されますよ。所々ベンチもありますので、疲れたら少し休憩するのもいいですね。
そして、奥の建物に入れば、そこは有名な「アセキアの中庭」保存状態の特に良いスペイン・イスラム様式の庭園として知られています。アセキアとは、スペインの伝統的な水路の意味です。
宮殿の別荘、離宮といえば、ベルサイユ宮殿に対してのプチ・トリアノンのような瀟洒な建物を想像しがちですが、こちらはどちらかと言えば、一見簡素な東屋風の佇まい。
細長い水路に控えめな噴水、花壇に所狭しと咲き乱れる可憐な花々の風景は、どこまでも素朴です。しかし、一見東屋風の建物(北側)ですが、『王の間』と『見晴らしの塔』の柱のアーチには、「おおっ!」と声をあげたくなる様な超細密彫刻が施されている。
また、内部にはアラビア文字が見事に意匠化された壁面装飾があり、窓とそこに切り取られたアルバイシン地区の景色は、まるで一幅の絵画のよう。これらの高度な技術とイスラム独特の美意識には、心底魅了されるはず。
アセキアの中庭の隣には、スルタナの中庭があります。スルタナとは王妃の意味で、王妃と騎士が、王の目を盗み逢瀬を重ねていた場所なのだそうです。池の中にある植え込みの薔薇が咲く時期がおすすめ。
噴水は、どれも高低差を活かした自然の力で吹き出しています。絶え間なく聞こえる涼やかな水音に身も心も癒されます。噴水庭園といえば、イタリア・ローマ近郊、ティヴォリのヴィッラ・デステ等、凝りに凝った見事な噴水庭園を期待しがち。
ですが、ヘネラリフェの噴水は、あくまで控えめで素朴。庭園の見事な引き立て役になっていますね。グラナダの夏の暑さは格別です。王が、このように緑と水に囲まれた、避暑のための庭園づくりに熱心だったのも納得。
それにイスラム王は、アフリカの砂漠出身でしたから、緑や水への憧れはとても強く、最高の贅沢として水や緑あふれる庭園を造ったとも言われています。スルタナの庭園を抜けると、「水の階段」があり、両脇の手摺には涼しげに水が流れている。
夏が猛暑のグラナダにピッタリ、涼しげで素敵な建築デザインです。また、こちらの水は、シエラネバダ山脈を源流とするそうですから、往時の技術の凄さには脱帽です。
「水の階段」を上り切ると、と呼ばれる建物があります。19世紀前半のネオゴシック形式の建築で、他の建物と趣を異にしています。ヘネラリフェで最も高い場所にあり、その窓からは、アルハンブラ宮殿をはじめアルバイシン地区が見える。
さらに遠くの広い景色を楽しむことができる。ただ、アルハンブラ宮殿の景色は、向いのアルバイシン地区の展望台からの方が、全景が見える分迫力がある。また建物を出て帰る方向に別の階段を下りようとすると頭上には藤棚があることに気づく。
4月下旬頃には藤の花の房が垂れ下がり、とても綺麗ですよ。藤棚は、他にも庭園内にいくつかあります。中には、わっさわっさと薄黄色に咲き乱れるモッコウバラと絡まって、「うわ~!」と歓声を上げたくなるような華麗なものもありますよ。
このあたりは糸杉など緑の小道を通ります。濃い緑からエネルギーチャージ!旅の疲れもなぜか吹っ飛びます。最後は、入り口付近に戻ってきます。入口前にあるのは、野外劇場。
ここでは、グラナダ国際舞踊音楽祭などのショーが行われます。因みに、グラナダ国際舞踊音楽祭は、毎年6月下旬から7月上旬にかけて行われる音楽祭で、毎年3万人もの人が訪れるグラナダの一大イベントです。
ヘネラリフェは、14世紀初頭のナスル朝時代、ムハンマド3世によって建築されたアルハンブラ宮殿の夏の別荘「離宮」です。チノス坂を挟み、太陽の丘と呼ばれる少し高台にあります。
ヘネラリフェを入れば、美しく剪定された緑の木々の間を奥に進みます。涼やかに配された水路や噴水、所々で咲き乱れる花々に癒されますよ。所々ベンチもありますので、疲れたら少し休憩するのもいいですね。
そして、奥の建物に入れば、そこは有名な「アセキアの中庭」保存状態の特に良いスペイン・イスラム様式の庭園として知られています。アセキアとは、スペインの伝統的な水路の意味です。
宮殿の別荘、離宮といえば、ベルサイユ宮殿に対してのプチ・トリアノンのような瀟洒な建物を想像しがちですが、こちらはどちらかと言えば、一見簡素な東屋風の佇まい。
細長い水路に控えめな噴水、花壇に所狭しと咲き乱れる可憐な花々の風景は、どこまでも素朴です。しかし、一見東屋風の建物(北側)ですが、『王の間』と『見晴らしの塔』の柱のアーチには、「おおっ!」と声をあげたくなる様な超細密彫刻が施されている。
また、内部にはアラビア文字が見事に意匠化された壁面装飾があり、窓とそこに切り取られたアルバイシン地区の景色は、まるで一幅の絵画のよう。これらの高度な技術とイスラム独特の美意識には、心底魅了されるはず。
アセキアの中庭の隣には、スルタナの中庭があります。スルタナとは王妃の意味で、王妃と騎士が、王の目を盗み逢瀬を重ねていた場所なのだそうです。池の中にある植え込みの薔薇が咲く時期がおすすめ。
噴水は、どれも高低差を活かした自然の力で吹き出しています。絶え間なく聞こえる涼やかな水音に身も心も癒されます。噴水庭園といえば、イタリア・ローマ近郊、ティヴォリのヴィッラ・デステ等、凝りに凝った見事な噴水庭園を期待しがち。
ですが、ヘネラリフェの噴水は、あくまで控えめで素朴。庭園の見事な引き立て役になっていますね。グラナダの夏の暑さは格別です。王が、このように緑と水に囲まれた、避暑のための庭園づくりに熱心だったのも納得。
それにイスラム王は、アフリカの砂漠出身でしたから、緑や水への憧れはとても強く、最高の贅沢として水や緑あふれる庭園を造ったとも言われています。スルタナの庭園を抜けると、「水の階段」があり、両脇の手摺には涼しげに水が流れている。
夏が猛暑のグラナダにピッタリ、涼しげで素敵な建築デザインです。また、こちらの水は、シエラネバダ山脈を源流とするそうですから、往時の技術の凄さには脱帽です。
「水の階段」を上り切ると、と呼ばれる建物があります。19世紀前半のネオゴシック形式の建築で、他の建物と趣を異にしています。ヘネラリフェで最も高い場所にあり、その窓からは、アルハンブラ宮殿をはじめアルバイシン地区が見える。
さらに遠くの広い景色を楽しむことができる。ただ、アルハンブラ宮殿の景色は、向いのアルバイシン地区の展望台からの方が、全景が見える分迫力がある。また建物を出て帰る方向に別の階段を下りようとすると頭上には藤棚があることに気づく。
4月下旬頃には藤の花の房が垂れ下がり、とても綺麗ですよ。藤棚は、他にも庭園内にいくつかあります。中には、わっさわっさと薄黄色に咲き乱れるモッコウバラと絡まって、「うわ~!」と歓声を上げたくなるような華麗なものもありますよ。
このあたりは糸杉など緑の小道を通ります。濃い緑からエネルギーチャージ!旅の疲れもなぜか吹っ飛びます。最後は、入り口付近に戻ってきます。入口前にあるのは、野外劇場。
ここでは、グラナダ国際舞踊音楽祭などのショーが行われます。因みに、グラナダ国際舞踊音楽祭は、毎年6月下旬から7月上旬にかけて行われる音楽祭で、毎年3万人もの人が訪れるグラナダの一大イベントです。
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