塾と株の儲けで世界の美を再発見

ハリマオ65

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13話:進学塾開設以来の惨憺たる結果

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 すると佐野の不安が増長してきた。今年は弱点を持つ人が驚くほど少なく、数学4人、英語5人、科学4人からは始まった。しかし最近の傾向として目標大学のレベルが上がり佐野が弱点を克服しても不合格と言うことがないか、検討会を持った。しかし明確な答えは出なかった。ちなみに、今年の目標大学は、東大4人、東工大7人、一橋大学8人、橫浜国大8人、橫浜市大9人、都立大学10名。

 さらに慶応10名、早稲田10名、明治10人、中央10人、上智8人、お茶の水4人、東京理科大7人、日大18人となった。やはり予測通り、難関校をめざす受験生には、弱点がなかった。しかし突出してできる教科もなく平均的に良いのが、今年の受験生の特長だ。これに対して佐野は一抹の不安を感じた。4月の模擬試験で問題となる受験生が数学3人、英語3人、科学3人と過去最低であり単純に喜んで良いのか決めかねた。

 やがてゴールデンウイーク7月も弱点の学生が一部減ったが逆に弱点ギリギリの学生が多いのではないかとアルバイトの大学生が分析した。その結果、弱点を克服しても、また他の科目の弱点が出てくると。未だかつてない現象が起きた。10月の模擬試験でなんと数学8人、英語8人、科学9人と倍増したではないか、この対策を時間を取って会議をしたが全体の底上げしかないと言う意見しか出なかった。

 すると佐野の不安が増長してきた。1987年4月14日に証券会社から電話が入り、ソニー株さげて、買い時ではないかと連絡があり100万円を追加送金し300万円とした。4月15日2600円で千株を260万円で買い、口座の残高が40万円となり、佐野の資産は150万円となった。やがて1990年を迎え、1月の模擬試験の結果、弱点の塾生、数学7人、英語7人、科学7人と全く減っていない。

 弱点を克服した人もいるが新たに弱点になった人が出てしまったのだ。何も有効な手を打てず、ゴールを迎えた気がした。そして2月になり25人の不合格者が出た。東大2人、東工大4人、一橋大4人、横国大4人、横市大5人、都立大6人の不合格者だった。これは、まさに、佐野が怖がっていたことが起きてしまった。やがて3月に入り私立大学受験となり次々を合格者が出て最終的に108名の合格者となり96%の合格率であった。

 これだけ見れば、良い結果に見える。しかし国公立にだけに、ついて言えば75%と言う低い結果となる。この結果について、その後、検討会をも持ったが結論が出なかった。弱点あるかないかでなく受験科目ごと10点満点で何点かという表示にして難関校については8点以下が弱点としたり1ランク落ちる学校については7以下が弱点とか工夫すべきだと意見が出た。確かに受験校別に点数を出す方法しか対策がないと言う結論に達した。

 しかし、それを算出するのは大型コンピューターに個々のテストの点数結果を入力しないと、人の手だけではできないと言う意見が大勢を占めた。しかしプロの進学塾としては講師の勘でも構わないが、そう言う資料を作らないと、今回のような事件が起きる可能性があると佐野は講師全員に話し、これができてこそプロの難関校の合格請負人じゃないかと言った。

 それに対し論点は、間違いない。本来は、そうあるべきかも知れないが、時給千円で、そこまで要求されたら、たまらないと言われると、佐野は、全く反論できなかった。そして苦い経験の1989年であった。しかし、佐野は、あきらめずに腹心部下の本田とケイトに、この話をすると、そのチャートグラフの草案を考えてきますと本田が言ってくれた。

 そしてケイトも作るべきでしょうと賛成した。その後、本田が円形の中心点から8科目なら8つの線を等間隔をあけて中心点から外に向かって直線を引く。次に、その直線を10等分して1から10までの点を打つ。そして8教科の個々の実力を数値化して数学が8なら8の所に赤印をつける。

 国語が7なら7の所、英語が10なら10の所、理科、社会、化学と点数化して、その点を結ぶと完成する。一方、株投資では1989年10月11日に証券会社から電話でソニー株が上昇してるので成り行き全株売りを指示され、その通りにした。
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