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6話:欧州航路で1ケ月の船旅2
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そして、船は、シンガポール・昭南島をめざして、美しい香港島を出発した。夜涼しくなった頃、船のデッキを散歩している時に、急に船員が大きな声で叫んでいるので、船首の方へ行くと、黒い色した、イルカが群れをなして飛び回っていた。イルカが、船に驚き逃げていくのだった。数十匹、百匹と、すごい、大群に思わず船から感嘆の声があがった。
夜になって、科学者のY博士から北斗七星、北極星について説明を受け、北極星を目標にして、自分たちの今いる位置を知るのに便利だと言った。更に、これらの星座は赤道で地平線に、北極では真上に見えて、赤道から南下すれば見えなくなる事などを教えてもらった。11月下旬でも暑いくらいの気温であり、夏に洋行するのは、さぞかし暑苦しくて大変だろうと想像ができた。
船の旅は退屈で、まだ2週間も経ってないのに、1ケ月異常も経った様に感じた。その後6日後の午後に退屈しきった乗客は、シンガポールの島々の姿を見つけ、歓喜の声をあげ、望遠鏡で近づいてくる島々を見ては、また、歓声をあげた。しばらくして上陸となり、白布を頭部に巻き赤腰巻を身につけ、人を見る眼光鋭い、真っ赤な唇、白い歯、黒光りする肌、大きな骨格のインド人の群れが船客を見ると大勢のインド人が寄ってきて、大騒ぎをしていた。
その夜に船に乗り合わせた人達と車に分乗して、市内見物に行くと、この地は南国でいろいろの花が次々と咲き乱れて、花の絶え間がなく、一年中咲いているとは、素晴らしいことだと感心した。まず、博物館へ向かい、そこでは、食人種や、ゴリラの剥製などがあった。その後、日本人街に向かうと氷屋、おでん屋、ライスカレー、牛肉の付け焼き、焼き豚、果物屋、古ぼけた竹ランプを使っていたので日本の田舎を想像した。その後、食堂、飲み屋と売春宿が一緒になったような得体の知れないレストランに入ると、冷たいビールと鶏の唐揚げや魚の揚げ物、ステーキ、南国のフルーツが出された。
数人の地元の若い女が、我々のグループの男たちを誘う仕草をして、男たちにまとわりついた。女たちには怒ったような怖い顔をしてにらみつけた。それを見ていると、何とも面白いものだ。結局、1時間もしないうちに、、車に乗り込み、その誘惑の館を後にして船に戻った。翌日、昼食後に、グロテスクな程、真っ赤な花の咲く南国シンガポールを後にし、その後、シンガポール・昭南島を出て6日目にコロンボへ到着した。
下船して、地元の人力車で市内観光をして回ったが、どこへ行っても、金をせびるばかりで、見るべきものもなく、船に戻ってきた。その後、4日して、紅海にさしかかった、航海中で最も暑いと言われる所だけあって、冬でも半袖シャツで充分だ。そこからスエズ運河を通り12日かけてエジプトのポートサイドへ向かった。
この時代、治安の問題でカイロへの旅行はできなかった。地中海に入り2日目に1919年の正月を迎え、新年のパーティーが諏訪丸で行われて、おとそ気分に浸った。もうすぐにナポリやがて最終目的地、フランスのマルセイユに着くと思うと期待に胸膨らます感じがして、万感の思いがこみ上げてきた。
エジプトのポートサイドから、4日かけてイタリアのナポリ港へ到着し、馬車で、登山電車の停留所に行き電車に乗り換えたが、電車は急カーブを徐々に昇って行き、昇るにつれ、景色が変化していき、晴れ渡り雲1つない晴天となった。終点が近くなると急勾配になり、緊張してきた。頂上に近づくと、強烈な硫化水素の臭いが鼻をついたが、何とか、ベスビアス火山の頂上にたどり着いた。
頂上駅はベスビアス火山の一番外側で、煙だけしか見えなかった。降りて、歩き出すと立ちこめる煙と泥がかたまったいろんな形の火山岩がころがる山道を5分くらい、歩いて行くと、細道の橋に出たが、その時、観光客が、あーと、大きな声を上げ、自分の目を疑った。その後、目の前にベスビアスの新噴火口を一目で見渡せる景色が飛び込んできた。片方は切り立った断崖絶壁で、もう片方は溶岩が煮えたぎった巨大な火口、数分おきに地響きをあげて、鳴り響く、はらわたを揺さぶるぶすごい音、その後に火柱が上がり、炎と噴煙を激しくを噴出する、大自然の猛り狂う様な音を聞き、観光客一同、ただ、わーという大声を連呼した。
こう言う自然の壮大な営みを見ていると、我々人間のいかに無力たるか身にしみた。この風景を見ていると神、仏という、自然の絶大なる力を感じざるを得なかった。その後、ポンペイの町へ向かったが、現在も整然とした町並みで、昔、焼き尽くされて、全住民がなくなったにもかかわらず、性懲りもなく、普通の生活を営んでいるのが不思議な気がした。中腹のレストランでスパゲッティの昼食をいただいたが、チーズがうまいのには感動した。
食後、日本でも優目な言葉「マカロニ:の語源となったマカロニー社を訪ねて、工場見学を下が、マカロニとは、日本で言う所の米のような主食であり、大量に、この工場で生産されているようだった。帰りの車の中でもベスビアスの噴煙が立ち上るのが見えて、恐怖を覚えた。その晩は、疲れたせいか、夕食後、すぐに床についてしまった。
翌朝、あと1日で目的地、フランス、マルセイユ港に入港するので興奮してきた。下船の支度を早めに、開始し、大きなカバンに、忘れ物に気をつけ確認しながら荷物を詰め込んだ。荷造りを終え、甲板を散歩し、昼食をとり、長旅で知り合った、仲間と旅の最終目的地が近いことを喜んだ。その後、今までの旅の話題に着いて、長々と話をするうちに、夕方になり、自分の船室に戻り、もう一度、安田亀吉は、同室の衣子と勝一、勝二に荷物の再点検をさせ、忘れ物のない事を再確認させた。
風呂には行り、夕食を済ませ、寝床に入ったが、明日のマルセイユ到着に心がはやり、なかなか寝れなかった。やがて12時過ぎにうつらうつらしていると、夜が少しずつ明けてきてた。やはり、1月の朝は寒い。その後、1919年1月11日の昼頃にマルセイユ港に到着し、下船手続きを取り、30日の長旅も終了した。港に降りたら、主要なホテルを聞いていたので、その中でMSホテルに電話し、迎えを頼み、4人で入った。
夜になって、科学者のY博士から北斗七星、北極星について説明を受け、北極星を目標にして、自分たちの今いる位置を知るのに便利だと言った。更に、これらの星座は赤道で地平線に、北極では真上に見えて、赤道から南下すれば見えなくなる事などを教えてもらった。11月下旬でも暑いくらいの気温であり、夏に洋行するのは、さぞかし暑苦しくて大変だろうと想像ができた。
船の旅は退屈で、まだ2週間も経ってないのに、1ケ月異常も経った様に感じた。その後6日後の午後に退屈しきった乗客は、シンガポールの島々の姿を見つけ、歓喜の声をあげ、望遠鏡で近づいてくる島々を見ては、また、歓声をあげた。しばらくして上陸となり、白布を頭部に巻き赤腰巻を身につけ、人を見る眼光鋭い、真っ赤な唇、白い歯、黒光りする肌、大きな骨格のインド人の群れが船客を見ると大勢のインド人が寄ってきて、大騒ぎをしていた。
その夜に船に乗り合わせた人達と車に分乗して、市内見物に行くと、この地は南国でいろいろの花が次々と咲き乱れて、花の絶え間がなく、一年中咲いているとは、素晴らしいことだと感心した。まず、博物館へ向かい、そこでは、食人種や、ゴリラの剥製などがあった。その後、日本人街に向かうと氷屋、おでん屋、ライスカレー、牛肉の付け焼き、焼き豚、果物屋、古ぼけた竹ランプを使っていたので日本の田舎を想像した。その後、食堂、飲み屋と売春宿が一緒になったような得体の知れないレストランに入ると、冷たいビールと鶏の唐揚げや魚の揚げ物、ステーキ、南国のフルーツが出された。
数人の地元の若い女が、我々のグループの男たちを誘う仕草をして、男たちにまとわりついた。女たちには怒ったような怖い顔をしてにらみつけた。それを見ていると、何とも面白いものだ。結局、1時間もしないうちに、、車に乗り込み、その誘惑の館を後にして船に戻った。翌日、昼食後に、グロテスクな程、真っ赤な花の咲く南国シンガポールを後にし、その後、シンガポール・昭南島を出て6日目にコロンボへ到着した。
下船して、地元の人力車で市内観光をして回ったが、どこへ行っても、金をせびるばかりで、見るべきものもなく、船に戻ってきた。その後、4日して、紅海にさしかかった、航海中で最も暑いと言われる所だけあって、冬でも半袖シャツで充分だ。そこからスエズ運河を通り12日かけてエジプトのポートサイドへ向かった。
この時代、治安の問題でカイロへの旅行はできなかった。地中海に入り2日目に1919年の正月を迎え、新年のパーティーが諏訪丸で行われて、おとそ気分に浸った。もうすぐにナポリやがて最終目的地、フランスのマルセイユに着くと思うと期待に胸膨らます感じがして、万感の思いがこみ上げてきた。
エジプトのポートサイドから、4日かけてイタリアのナポリ港へ到着し、馬車で、登山電車の停留所に行き電車に乗り換えたが、電車は急カーブを徐々に昇って行き、昇るにつれ、景色が変化していき、晴れ渡り雲1つない晴天となった。終点が近くなると急勾配になり、緊張してきた。頂上に近づくと、強烈な硫化水素の臭いが鼻をついたが、何とか、ベスビアス火山の頂上にたどり着いた。
頂上駅はベスビアス火山の一番外側で、煙だけしか見えなかった。降りて、歩き出すと立ちこめる煙と泥がかたまったいろんな形の火山岩がころがる山道を5分くらい、歩いて行くと、細道の橋に出たが、その時、観光客が、あーと、大きな声を上げ、自分の目を疑った。その後、目の前にベスビアスの新噴火口を一目で見渡せる景色が飛び込んできた。片方は切り立った断崖絶壁で、もう片方は溶岩が煮えたぎった巨大な火口、数分おきに地響きをあげて、鳴り響く、はらわたを揺さぶるぶすごい音、その後に火柱が上がり、炎と噴煙を激しくを噴出する、大自然の猛り狂う様な音を聞き、観光客一同、ただ、わーという大声を連呼した。
こう言う自然の壮大な営みを見ていると、我々人間のいかに無力たるか身にしみた。この風景を見ていると神、仏という、自然の絶大なる力を感じざるを得なかった。その後、ポンペイの町へ向かったが、現在も整然とした町並みで、昔、焼き尽くされて、全住民がなくなったにもかかわらず、性懲りもなく、普通の生活を営んでいるのが不思議な気がした。中腹のレストランでスパゲッティの昼食をいただいたが、チーズがうまいのには感動した。
食後、日本でも優目な言葉「マカロニ:の語源となったマカロニー社を訪ねて、工場見学を下が、マカロニとは、日本で言う所の米のような主食であり、大量に、この工場で生産されているようだった。帰りの車の中でもベスビアスの噴煙が立ち上るのが見えて、恐怖を覚えた。その晩は、疲れたせいか、夕食後、すぐに床についてしまった。
翌朝、あと1日で目的地、フランス、マルセイユ港に入港するので興奮してきた。下船の支度を早めに、開始し、大きなカバンに、忘れ物に気をつけ確認しながら荷物を詰め込んだ。荷造りを終え、甲板を散歩し、昼食をとり、長旅で知り合った、仲間と旅の最終目的地が近いことを喜んだ。その後、今までの旅の話題に着いて、長々と話をするうちに、夕方になり、自分の船室に戻り、もう一度、安田亀吉は、同室の衣子と勝一、勝二に荷物の再点検をさせ、忘れ物のない事を再確認させた。
風呂には行り、夕食を済ませ、寝床に入ったが、明日のマルセイユ到着に心がはやり、なかなか寝れなかった。やがて12時過ぎにうつらうつらしていると、夜が少しずつ明けてきてた。やはり、1月の朝は寒い。その後、1919年1月11日の昼頃にマルセイユ港に到着し、下船手続きを取り、30日の長旅も終了した。港に降りたら、主要なホテルを聞いていたので、その中でMSホテルに電話し、迎えを頼み、4人で入った。
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