アル・ゴアに刺激されて！

０話：プロローグ

　男の子は、言うものは、やはり父親の信条、処世術、行動をよく見て育つ。しかし、親父みたいになろうと考える者と、あーなりたくない、つまり反面教師として考える者に大別できる。この小説の主人公の清水憲一は、父、速水賢吉の仕事、処世術を見て、自分にはできないと、幼い頃に見切りを付けた。そのため商売よりも自然科学に興味を持ち、特に化学に興味を持った。

　しかし、元々、勉強は、得意ではなく、大学に入れる可能性もないと考え、父の所で、家賃、食費を払わないで、働き始めた。それは、単に金のためであり事務仕事をきっちりする位で、特に儲けようという強い気持ちは、なかった。それよりも父が、投資で儲ける姿を見て、自分も株で、稼いで、好きなことに投資したいと考えるようになった。そのため紹介された証券会社での勉強会には参加し情報収集をした。さらに懇意にしてくれる担当者から良い情報をもらい、買い時、売り時の指示を仰いだ。

　そうして徐々に資産を増やしていき、一定の金額を超えた段階で、守りの投資へ方向転換してＲＥＩＴ「不動産投資信託」から始めて、その次ぎ、金「ゴールド」のＥＴＦ「上場投資信託」から始めて、アメリカ株のＥＴＦ「上場投資信託」で、着実に資産を増やしていった。

　その後、時がたち、東京での質屋稼業の経営が厳しくなり、父も高齢で、南房総の老人施設に入り下町の質屋をたたみ土地、建物を売却して、せわしない東京を離れ、自然の美しい伊豆半島西北部の三島郊外に新居を建てて、念願の大型ガレージの上に大型太陽光発電システムを作って、自給自足の生活をはじめる。その後、新型感染症で、郊外に移り住み、その恐怖から逃れられた。

　人生というものは、「一寸先は闇」、自分が、取った行動が、吉と出るか、凶と出るかを決められるの神様だけで、人間にできることは、自分の描くビジョンの通りに生きること貫き通すことだけだ。といっても、間違ったと思えば、方向転換できるだけの財をもち、柔軟に人生の行き先を変えられることでは、ないだろうか！