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1話:清水憲一と芳江の結婚、出産とそろばん
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清水憲一は、亀戸で何代も続く、質屋・清水質店の跡取り息子。人当たりが柔らかい、しかし、商売には厳しい。社交的で、多くの情報網を持っていた。その重要な情報源は、飲み屋、それもキャバレーからクラブ、居酒屋まで幅広い。そこの女と仲良くなり、内緒のおいしい話をもらうのが好きであり、また、それを商売に生かしていた。
また、クラブのママには、政治家を紹介してもらい、おいしい話を金を払って仕入れている。しかし、質屋と言うものは、正直者で、計算が早く、質草と真贋を見分ける目と、お客の良し悪しを見分ける目が要求される。そのために高給を払い、優秀な人材を雇っていた。清水の仕事と言えば、政治家の先生の様子、伺いとパーティーに参加する事。
その他は、自分の中の良い飲み屋の女から情報を聞き出すために通う事だった。一番い忙しいのは夜と選挙シーズン。暇な、昼間は、兜町へ行って、儲かる株の情報収集と、投資だった。1975年、錦糸町のキャバレーの人気の見習いママと仲良くしていたが、子供ができない様に、していたが、運悪く、芳江が妊娠してしまった。
そのため結婚してとせがまれて、1973年2月結婚、入籍。この娘は、秋田の寒村で、貧しい生活から抜け出すため単身、東京の下町で18歳の頃、1971年春にやって来た。その時、瀬戸万作の店の居酒屋に女給として雇われた。しかし、器用が良くて、良い体をしていたでの、それを利用して、1年後には、キャバレーのレディーとしてデビューした。
そして、政財界、裏社会の男たちに可愛がられた。そのため1975年、芳江が妊娠し店をやめるときには、瀬戸万作は、清水憲一を呼び出し落とし前をつけろと脅した。その時、100万円をそろえて来いと言われ、仕方なく応じて、毎年10万円ずつ、手渡すことで、芳江を見受けした。それでも、質屋は、おいしい商売で、それほど苦労することなく、借金を返し続けた。
その後、1975年12月に長男を出産し清水浩一と名付けた。目のくりっとしたハンサムボーイ。質屋の2階の部屋で、子育てを始めた。やがて、1977年を迎えて、再び妊娠して、6月に女の子を出産し、清水咲子と名付けた。泣き声の大きな元気な女の子。この頃も、芳江は、家の仕事をするくらいで、外で仕事をせずに、暮らしていた。
父、憲一は、女の子が、可愛いのか、良く抱っこしに来て、あやしていた。その後、1982年、長男の憲一は、近所の小学校へ入学。しばらくして、小学校にも慣れ、友人もできた。でも、実家が質屋なので、友達を連れてくることはできず、友人の家で遊んだ。その2年後、妹の咲子も小学生。兄と一緒の小学校へ、通い始めた。父は、
浩一にそろばんをみっちり仕込んで、間違えると、げんこつ、正解すると頭をなでたり、お饅頭を買ってやったりしてそろばんを上達させた。しかし、日本経済は、1985年のプラザ合意で急激な円高と不況に陥った。この時、清水憲一は、下がった土地を探し1985年、安くなった日本橋の小さなビルを買った。そのビルを改装し新品同様のマンションに変え家賃収入を手に入れようとした。
浩一の思惑通り、円高が、1987年のルーブル合意で終わりを告げ円安へ。日銀は金融緩和政策に踏みきり公定歩合を下げる。1987年には、過去最低の2.5%としローンの利息が、借り手は、借金が、減り大喜び。為替相場が安定し、この低金利政策で日銀は公定歩合を7回も引き下げた。これによって生じた余剰資金が株式や土地投機へと向かった。
いわゆる、財テク、内需主導型の空前のバブル「1986年から1991年 」が発生した訳だ。1987年から景気は再び上向きに転じ、平成景気がスタート。しかし、清水浩一は、好景気は、必ず崩れると踏んだ。そこで1990年春、日本橋の小さなビルを買った時の2倍の価格で売った。改修費用を差し引いても5割のもうけ3億円を手にした。
長男の清水浩一は、小学校を卒業する1988年までに、そろばん1級を取った。妹の咲子も兄を見てそろばんを習った。この頃、父の憲一は、株の方でも、たんまりと金を稼いでいた。機嫌が良い時は、浩一を兜町に連れていき、日本橋の有名な店で、旨いものを食べさせた。その様子を見て、いつしか浩一も金儲けしたいと言う気持ちが沸き上がってきた。
また、クラブのママには、政治家を紹介してもらい、おいしい話を金を払って仕入れている。しかし、質屋と言うものは、正直者で、計算が早く、質草と真贋を見分ける目と、お客の良し悪しを見分ける目が要求される。そのために高給を払い、優秀な人材を雇っていた。清水の仕事と言えば、政治家の先生の様子、伺いとパーティーに参加する事。
その他は、自分の中の良い飲み屋の女から情報を聞き出すために通う事だった。一番い忙しいのは夜と選挙シーズン。暇な、昼間は、兜町へ行って、儲かる株の情報収集と、投資だった。1975年、錦糸町のキャバレーの人気の見習いママと仲良くしていたが、子供ができない様に、していたが、運悪く、芳江が妊娠してしまった。
そのため結婚してとせがまれて、1973年2月結婚、入籍。この娘は、秋田の寒村で、貧しい生活から抜け出すため単身、東京の下町で18歳の頃、1971年春にやって来た。その時、瀬戸万作の店の居酒屋に女給として雇われた。しかし、器用が良くて、良い体をしていたでの、それを利用して、1年後には、キャバレーのレディーとしてデビューした。
そして、政財界、裏社会の男たちに可愛がられた。そのため1975年、芳江が妊娠し店をやめるときには、瀬戸万作は、清水憲一を呼び出し落とし前をつけろと脅した。その時、100万円をそろえて来いと言われ、仕方なく応じて、毎年10万円ずつ、手渡すことで、芳江を見受けした。それでも、質屋は、おいしい商売で、それほど苦労することなく、借金を返し続けた。
その後、1975年12月に長男を出産し清水浩一と名付けた。目のくりっとしたハンサムボーイ。質屋の2階の部屋で、子育てを始めた。やがて、1977年を迎えて、再び妊娠して、6月に女の子を出産し、清水咲子と名付けた。泣き声の大きな元気な女の子。この頃も、芳江は、家の仕事をするくらいで、外で仕事をせずに、暮らしていた。
父、憲一は、女の子が、可愛いのか、良く抱っこしに来て、あやしていた。その後、1982年、長男の憲一は、近所の小学校へ入学。しばらくして、小学校にも慣れ、友人もできた。でも、実家が質屋なので、友達を連れてくることはできず、友人の家で遊んだ。その2年後、妹の咲子も小学生。兄と一緒の小学校へ、通い始めた。父は、
浩一にそろばんをみっちり仕込んで、間違えると、げんこつ、正解すると頭をなでたり、お饅頭を買ってやったりしてそろばんを上達させた。しかし、日本経済は、1985年のプラザ合意で急激な円高と不況に陥った。この時、清水憲一は、下がった土地を探し1985年、安くなった日本橋の小さなビルを買った。そのビルを改装し新品同様のマンションに変え家賃収入を手に入れようとした。
浩一の思惑通り、円高が、1987年のルーブル合意で終わりを告げ円安へ。日銀は金融緩和政策に踏みきり公定歩合を下げる。1987年には、過去最低の2.5%としローンの利息が、借り手は、借金が、減り大喜び。為替相場が安定し、この低金利政策で日銀は公定歩合を7回も引き下げた。これによって生じた余剰資金が株式や土地投機へと向かった。
いわゆる、財テク、内需主導型の空前のバブル「1986年から1991年 」が発生した訳だ。1987年から景気は再び上向きに転じ、平成景気がスタート。しかし、清水浩一は、好景気は、必ず崩れると踏んだ。そこで1990年春、日本橋の小さなビルを買った時の2倍の価格で売った。改修費用を差し引いても5割のもうけ3億円を手にした。
長男の清水浩一は、小学校を卒業する1988年までに、そろばん1級を取った。妹の咲子も兄を見てそろばんを習った。この頃、父の憲一は、株の方でも、たんまりと金を稼いでいた。機嫌が良い時は、浩一を兜町に連れていき、日本橋の有名な店で、旨いものを食べさせた。その様子を見て、いつしか浩一も金儲けしたいと言う気持ちが沸き上がってきた。
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