1 / 8
1章
告白
しおりを挟む
私、花咲一華は中学3年の女子である。
友達1人という悲しい私が居るのは、学校である。
「花咲。昨日のイベントクリアした?したなら俺の手伝って。」
そう私に話しかけてくれるのは、唯一の友達である、堀辺優斗。
黒くシュッとした瞳に似合っている黒髪の短髪。
そのクールな顔に似合わず、甘えん坊で馬鹿。
しかし、こいつには正義感と優しさが溢れている、楽観的過ぎるところがまたダメなのだが…。
基本的に良い奴、だからこそこんな私と話てくれるのだ。
「おい、聞いてんの?」
私はハッと我に返る。
優斗が言ったイベントはゲーム内の話である。
優斗はゲームの話になると目をキラキラとさせ早口で喋る。
ちなみに、そのゲームは私が沼らせた。
「いいよ。放課後で良い?昼休みは呼び出されてるんだ。」
そう、昼休みは進路相談で予定が埋まっているのだ。
進路相談、それは夢のない人からしたら地獄の相談。
適当に生きて行くと決めた私にとって、進路相談とは最悪のイベントなのである。
「おけ。いいよ、大変だなぁー。」
そう他人事の様に優斗は口にするが彼も進路相談で昼休みを埋めている1人である。
・
静かな教室に響き渡る機械音。
私の手元のゲーム機には【クリア】の3文字が映し出されている。
「よし、クリアー。優斗、これで充分か?」
そう尋ねると焦った様に頷いた。
先程から、焦っていたり敵と対戦中だと言うのにボーッとしたりと何故か締りが悪かった。
「何か悩み事?」
そう聞くと、顔を背け唸る。
なんだ、こいつ。
「…言っても怒んない?」
「怒んない。多分。」
多分、私はその言葉が好きだ。
多分と言っておけば色々と責められることもないし、あやふやなわりにハッキリとした返答になるからだ。
「…好きなんだ。」
「は?」
声が小さすぎて私は速攻で聞き返した。
聞こえる声の声量で言って欲しい。
「だぁぁぁぁぁぁー!!!
花咲が好きだぁぁぁあ!!」
やけくそ気味にそう言われて呆然とする。
確かに聞こえる声の声量でとは思ったがこれは…鼓膜が破れる。
というか、内容が全く理解できない。
…好き?
私のことを?
「は?」
少しして、開いた口は無意識にそう呟いていた。
「花咲を困らせたくなかったから言わなかったけど、俺最初からお前のこと好きだから。
それで、超恥ずいんだけど。」
私の顔が赤くなるのを感じた。
ガチ告白だ……。
「ご、ごめん。先帰る。」
優斗は逃げるように帰って行った。
「おい…。バック忘れてるぞー。」
そう呟くが小さすぎて聞こえていなかっただろう。
あぁ…最悪、この後本屋によってオススメの本聞きたかったのに…。
友達1人という悲しい私が居るのは、学校である。
「花咲。昨日のイベントクリアした?したなら俺の手伝って。」
そう私に話しかけてくれるのは、唯一の友達である、堀辺優斗。
黒くシュッとした瞳に似合っている黒髪の短髪。
そのクールな顔に似合わず、甘えん坊で馬鹿。
しかし、こいつには正義感と優しさが溢れている、楽観的過ぎるところがまたダメなのだが…。
基本的に良い奴、だからこそこんな私と話てくれるのだ。
「おい、聞いてんの?」
私はハッと我に返る。
優斗が言ったイベントはゲーム内の話である。
優斗はゲームの話になると目をキラキラとさせ早口で喋る。
ちなみに、そのゲームは私が沼らせた。
「いいよ。放課後で良い?昼休みは呼び出されてるんだ。」
そう、昼休みは進路相談で予定が埋まっているのだ。
進路相談、それは夢のない人からしたら地獄の相談。
適当に生きて行くと決めた私にとって、進路相談とは最悪のイベントなのである。
「おけ。いいよ、大変だなぁー。」
そう他人事の様に優斗は口にするが彼も進路相談で昼休みを埋めている1人である。
・
静かな教室に響き渡る機械音。
私の手元のゲーム機には【クリア】の3文字が映し出されている。
「よし、クリアー。優斗、これで充分か?」
そう尋ねると焦った様に頷いた。
先程から、焦っていたり敵と対戦中だと言うのにボーッとしたりと何故か締りが悪かった。
「何か悩み事?」
そう聞くと、顔を背け唸る。
なんだ、こいつ。
「…言っても怒んない?」
「怒んない。多分。」
多分、私はその言葉が好きだ。
多分と言っておけば色々と責められることもないし、あやふやなわりにハッキリとした返答になるからだ。
「…好きなんだ。」
「は?」
声が小さすぎて私は速攻で聞き返した。
聞こえる声の声量で言って欲しい。
「だぁぁぁぁぁぁー!!!
花咲が好きだぁぁぁあ!!」
やけくそ気味にそう言われて呆然とする。
確かに聞こえる声の声量でとは思ったがこれは…鼓膜が破れる。
というか、内容が全く理解できない。
…好き?
私のことを?
「は?」
少しして、開いた口は無意識にそう呟いていた。
「花咲を困らせたくなかったから言わなかったけど、俺最初からお前のこと好きだから。
それで、超恥ずいんだけど。」
私の顔が赤くなるのを感じた。
ガチ告白だ……。
「ご、ごめん。先帰る。」
優斗は逃げるように帰って行った。
「おい…。バック忘れてるぞー。」
そう呟くが小さすぎて聞こえていなかっただろう。
あぁ…最悪、この後本屋によってオススメの本聞きたかったのに…。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる