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君と君以外
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カランカラン
「いらっしゃいませ。」
「いらっしゃいませ~。」
ここは悩みを抱えるお客様が来店される喫茶店。本日は1度見かけたことのあるお客様が来られました。
「こ、こんにちは…。あ、いちごちゃん!」
いちごを見かけるとぱっと笑顔になったのは、いちごの高校の同級生、木下杏です。杏は以前いちごを訪ねてこの店に来たことがありますが、その時はいちごが不在だったため薔薇紳士と2人でお喋りをしたことがあります。
「薔薇紳士さんも、こんにちは。あの…この前はありがとうございました。」
「いいえ、仲直りが出来たようで良かったです。」
「え!なになに~薔薇紳士さんと杏ちゃん知り合いなんですか!」
「ふふ…以前に少しだけ、お話をしました。それで、杏様、本日はどうしてここに?」
「あ!あの!えっと、その、またお話聞いて欲しいなって…それで。」
杏はそういうと、少し顔を赤めて恥ずかしそうにモジモジとします。それをみたいちごはピンと来た顔をするとニヤニヤと杏の肩に触れました。
「ねぇ~それって、もしかしなくても恋のお話~?」
「え、えへへ…そうなんだ。」
「わぁ~!聞く聞く!座って!」
興奮したいちごに促されるまま、杏はカウンター席に座ります。
「それでそれで?恋多き杏ちゃんが次に好きになったのは誰ですか~?」
「え、へへ、D組の子なんだけど、こないだ私廊下でプリントばらまいちゃって。それを拾ってくれてから、たまに廊下で会うとにこって笑って手を振ってくれて…それから彼のことが頭から離れなくなっちゃって。」
「わぁわぁわぁ~!アオハルな恋バナ~!」
杏の甘酸っぱい恋のお話に、いちごは興奮してピンクの声を上げます。
「でもね、その彼のことが頭から離れなくなったせいで、最近ちょっと色んなことが手につかなくて。部活も、勉強もなんかぼーっとしちゃって…。」
「杏ちゃん恋多き乙女だから結構頻繁にそういう時期に入るよね…。そうだ、薔薇紳士さん、何かいい感じの助言ありません!?」
急に話を振られた薔薇紳士ですが、ちゃんと話は聞いています。驚くことなく紳士に口を開きます。
「そうですね…私はいちご君や杏様のように学生ではありませんので参考にならないかもしれませんが、私からすると、恋をして頭がいっぱいになるのも、今しか出来ない青春だと思います。彼と彼以外のことしか考えられない、そんな時期があってもいいと思いますよ。」
薔薇紳士はそういうと、フワッと香りの広がる紅茶を杏の前にコトリと置きました。
「薔薇紳士さんが言うと本当に紳士ですねー!でも自分も薔薇紳士さんに賛成!恋してる杏ちゃんはいつもの杏ちゃんより可愛いもん!」
「可愛いって…!やめてよいちごちゃん!でもありがとう。私、肯定してもらいたかっただけなのかも。欲しい言葉をくれる場所があるって何かいいね。」
杏はそういうとピンクに染まった頬のまま、紅茶をコクリと飲みました。
恋をすると、相手のことしか考えられないこともある。それで他のことが手につかないことも。でも、そんな時間があってもいいじゃないですか。そのフワフワした時間も、人生においてはとっても大事な時間です。
「いらっしゃいませ。」
「いらっしゃいませ~。」
ここは悩みを抱えるお客様が来店される喫茶店。本日は1度見かけたことのあるお客様が来られました。
「こ、こんにちは…。あ、いちごちゃん!」
いちごを見かけるとぱっと笑顔になったのは、いちごの高校の同級生、木下杏です。杏は以前いちごを訪ねてこの店に来たことがありますが、その時はいちごが不在だったため薔薇紳士と2人でお喋りをしたことがあります。
「薔薇紳士さんも、こんにちは。あの…この前はありがとうございました。」
「いいえ、仲直りが出来たようで良かったです。」
「え!なになに~薔薇紳士さんと杏ちゃん知り合いなんですか!」
「ふふ…以前に少しだけ、お話をしました。それで、杏様、本日はどうしてここに?」
「あ!あの!えっと、その、またお話聞いて欲しいなって…それで。」
杏はそういうと、少し顔を赤めて恥ずかしそうにモジモジとします。それをみたいちごはピンと来た顔をするとニヤニヤと杏の肩に触れました。
「ねぇ~それって、もしかしなくても恋のお話~?」
「え、えへへ…そうなんだ。」
「わぁ~!聞く聞く!座って!」
興奮したいちごに促されるまま、杏はカウンター席に座ります。
「それでそれで?恋多き杏ちゃんが次に好きになったのは誰ですか~?」
「え、へへ、D組の子なんだけど、こないだ私廊下でプリントばらまいちゃって。それを拾ってくれてから、たまに廊下で会うとにこって笑って手を振ってくれて…それから彼のことが頭から離れなくなっちゃって。」
「わぁわぁわぁ~!アオハルな恋バナ~!」
杏の甘酸っぱい恋のお話に、いちごは興奮してピンクの声を上げます。
「でもね、その彼のことが頭から離れなくなったせいで、最近ちょっと色んなことが手につかなくて。部活も、勉強もなんかぼーっとしちゃって…。」
「杏ちゃん恋多き乙女だから結構頻繁にそういう時期に入るよね…。そうだ、薔薇紳士さん、何かいい感じの助言ありません!?」
急に話を振られた薔薇紳士ですが、ちゃんと話は聞いています。驚くことなく紳士に口を開きます。
「そうですね…私はいちご君や杏様のように学生ではありませんので参考にならないかもしれませんが、私からすると、恋をして頭がいっぱいになるのも、今しか出来ない青春だと思います。彼と彼以外のことしか考えられない、そんな時期があってもいいと思いますよ。」
薔薇紳士はそういうと、フワッと香りの広がる紅茶を杏の前にコトリと置きました。
「薔薇紳士さんが言うと本当に紳士ですねー!でも自分も薔薇紳士さんに賛成!恋してる杏ちゃんはいつもの杏ちゃんより可愛いもん!」
「可愛いって…!やめてよいちごちゃん!でもありがとう。私、肯定してもらいたかっただけなのかも。欲しい言葉をくれる場所があるって何かいいね。」
杏はそういうとピンクに染まった頬のまま、紅茶をコクリと飲みました。
恋をすると、相手のことしか考えられないこともある。それで他のことが手につかないことも。でも、そんな時間があってもいいじゃないですか。そのフワフワした時間も、人生においてはとっても大事な時間です。
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