マッチングアプリで出会ったのがホストでした

駿心

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5章

第16話 まさに光と闇だった

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レオくんの人違いという小さな騒動はあったものの、私は無事にホストクラブに到着した。
時刻は午後10時30分。
いつもよりずいぶんと遅い時間だ。

「こんなに遅い時間に来るのは初めてだよね?」
「いつも同伴出勤9時で、1時間で帰るからね」
「それで、この時間ってのもあるけど、今日はイベントってこともあって、これからシャンコラッシュになるよ」
「シャンコ?(※シャンパンコールの略)」
「しかも値段的にオールコールが続くと思う」
「オールコールて何?」
「お店のキャスト全員でシャンコするのがオールコール」
「へぇー」
「そうなったらヘルプのホストも付けられないから、カモちゃんを一人にしちゃうけどごめんね」
「うぅん、大丈夫。シャンパンコールがホストのお仕事やもんね。頑張れ~」

私はエールを送った。

「ウチのお店の場合は、VIPルームに入ったら、俺はオールコールも免除してもらえるんだけど……もし寂しかったら、VIPルームに今からでも変えようか?」

レオくんはさりげない提案に全力で首を振った。

「ナチュラルに値段あげようとしないで。大丈夫です!一人で無問題です!行ってらっしゃい!」

笑顔でレオくんを送り出した。
店内は、絶え間なく色を変えるフラッシュライトと、腹に響くような大音量の音楽で騒然としていた。

「あ!シャンコ始まる!行ってくるね!」

レオくんはそう言うと、慌ただしくフロアへ向かった。

「い……行ってらっしゃい!」

少し心細い気持ちで見送った。
すると、どこかのテーブルで、マイクを持ったホスト達による派手なパフォーマンスが始まった。
けたたましい音楽と、ホストたちの盛り上がった声が店内に響き渡る。

しかし……シャンパンコールが行われているテーブル以外の女性客たちの顔は、皆一様に……虚無だった。

熱心に自分のネイルをチェックする女性、手持ちの鏡でヘアスタイルを何度も確認する女性、イヤホンで音楽を聴きながらスマホをいじる女性……。

こ……こんなにも騒がしい音の中で、目がチカチカするのに……
皆、まるで無反応だ。
その目は、まるで生気を失っているかのようだった。

しばらくして、レオくんが戻ってきた。

「ただいま!寂しくなかった?」
「……ホストクラブの闇を見た気分だった」

カモコは正直に答えた。

「今のタイミングで!?どゆこと!?この後もう少ししたら、カモちゃんのシャンコ始まるけど大丈夫!?」


そう……いよいよ、初めてのシャンパンコールが始まる。
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