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season1
初恋②
あれから約十年の時が流れた。
夏休みが終わって今日は二学期の始業式。朝の六時半にアラームが鳴り、あたしは高校の制服に着替えをした。
セーラー襟のブラウスに黄色いリボン、チェックのプリーツスカートを履いて。
そう、あたしはまりんお姉さんが通っていた白浜女学院の生徒になっていた。
永倉まりん 十七歳。
出会った頃のまりんお姉さんと同じ高校二年生。
スクールバックには、あの日にもらったイルカのぬいぐるみのキーホルダーをつけている。
このキーホルダーは、小学生の時からランドセルにつけていて、週末は外してお風呂で優しく手洗いして、ずっと大切にしていた。
いつもまりんお姉さんの事を思い出しながら。
同じ高校に入ったからって、もう一度会えるわけじゃないのは分かっている。
それでもお姉さんが通った白浜女学院に入って、どうしても同じ景色を見てみたかった。
だってあの人は、あたしの初恋の人だから。
階段を降りてリビングに行くと、お母さんが台所であたしのお弁当を作ってくれているので、
「おはよう」と声をかけた。
「おはようまりん。今日から新学期ね」
「あーあ夏休み終わっちゃったよ。そう言えばもみじちゃんと起きれるかな?昨日夏休みの宿題が終わらないって遅くまでバタバタしてたんだよね」
もみじというのは、あの日お母さんのお腹の中にいたあたしの妹で、今は小学校四年生だ。
「全くあの子はいつもギリギリまでやらないんだから。まりんみたいに余裕持って行動出来れば良いのにね」
あたしは嫌な事は先に済ませたい性格で、宿題は計画を立てて早めに終わらせているので、お母さんにはしっかり者のお姉ちゃんに見えるらしい。
あたしはお母さんが用意してくれた朝ごはんのパンとサラダ、目玉焼きを食べていると
「おはよー」
と眠そうにあくびをしながら、ランドセルを背負ったもみじがゆっくりと洗面所に向かった。
「おはよう、もみじ。あんた昨日は遅くまで宿題やってたんだって?ちゃんと終わったの?」
お母さんが聞くと
「一応終わらせたよ。一時までかかったから超寝不足」
「ったく、だからもっと早めに始めれば良かったのに」
だって・・とほっぺを膨らませてふてくされるもみじ。
「まあでも、終わって良かったじゃん」
とあたしがフォローを入れると
「そっ、終わればいいの。だってあたしはギリギリ人間だからさ」
ともみじが親指を立ててグッドポーズをすると、お母さんがハーッとため息をついて少し呆れた表情をして、あたしの方をチラッと見た。あたしも思わず苦笑いをした。
あたしが通っている白浜女学院は、電車に乗って三つ目の駅から徒歩十五分ぐらいかかる。
通学路の歩道の右側に道路があり、道路の反対側の柵の向こうに海が見えるので、風と共に塩の香りがする。
あたしはこの塩の香りを感じながら歩くのが好きだ。
そしてこの海沿いの道の左側に少し曲がりくねった坂道があって、そこを五分ぐらい上がったところに校門がある。
夏場はこの坂道を登るのが結構キツくて汗だくになってしまう。
あたしの教室は南校舎の三階にある普通科の二年九組だ。
新学期はあちこちで「おはよー」「久しぶり」の声が飛び交い、夏休みに旅行に行った子は友達にお土産を配ったりしている。
「おはよーまりん」
「あんたずいぶん焼けてるね。夏休みまた海行ってたの?」
あたしといつも一緒にいる友達の希望と花帆が話しかけてきた。
「うん、中学の友達と海でバーベキューもしたし、超楽しかった」
「いいなー」
「今度うちらでもバーベキューやろうよ」
と盛り上がった。
「あ、そろそろ始業式行く時間じゃん」
「校長の長話だるっ」
新学期は体育館に集まり、校長先生の挨拶を聞きに行かないといけない。
「あ、でもさー、田宮一学期で産休入ったじゃん。新しい担任どんな人だろうね」
「若いイケメンがいいなぁ」
「だよねーうちの学校の先生、じじぃばっかじゃん」
希望と花帆がワクワクしながら期待している。
「別に優しい先生なら何でもいいよ」
あたしがサラッと言うと、二人から
「まりんてそういうとこ冷めてるね」
と言われてしまった。
体育館に全校生徒が集まり、予想通りの校長先生の長~い挨拶に、あたしは何度かあくびを噛み殺していた。
「続きまして新しい先生をご紹介します」
司会の教頭先生の声に、あたしは壇上に上がるスラリとした女性の姿に目を移した。
長いストレートの髪を後ろで一本に結び、シンプルな白のシャツに紺のタイトスカートを履いたその女性教師は、教頭先生からマイクを受け取ると、こちらに顔を向けた。
「あの人が担任?」
「超キレー」
周りが少しざわついた。それもそうだ。その女性教師はスタイルが良いだけでなく、見惚れてしまうぐらいの美人だった。
「みなさんおはようございます。佐々木真凜です」
えっ、まりん?
あたしはびっくりして頭の中が真っ白になってしまった。
「産休の田宮先生に変わりまして、この度二年九組の担任を受け持つ事になりました。担当教科は英語です。よろしくお願いします」
あたしは胸がドキドキと高鳴り、息苦しくなって倒れそうだった。
この感じは、そうだ十年前まりんお姉さんに感じた気持ちと似ている。
教室に行くと、佐々木先生は改めて自己紹介と挨拶をしてくれた。
『真凜』は漢字だった。まりんお姉さんの名前はどうだったんだろう?
それからあたしにとって衝撃的な話をした。
「先生もみんなと同じ白浜女学院の生徒だったんですよ」
この学校の卒業生?いつ?何年前に卒業したんだろう?
「卒業したの何年前ですか?」
聞きたかった事を希望が聞いてくれた。
「えっと九年前だったかな」
九年前!先生はまりんお姉さんと同い年だ!
「じゃあ先生二十七歳だね」
「アラサーじゃん」
「そうだね、アラサーだけどそれが何か?」
教室のあちこちから笑い声が聞こえて、すっかりみんな美人で気さくな佐々木先生と打ち解けていた。
「はい、じゃあそろそろ出席取りますよ。浅田さやかさん、井上玲那さん・・」
出席取ってる間、あたしはずっと考えていた。
この学校の卒業生、同じ年齢、名前が真凜、これは偶然?
初恋とは言え、まりんお姉さんに会ったのは十年前の一度だけ。
はっきり顔を覚えているわけでもない。でもこれだけ共通点が揃っていたら、もしかして。
「永倉まりんさん、永倉さん」
「あ、はいっ」
あたしは呼ばれた事にすぐに気づかず、慌てて立ち上がってしまったら周りは大爆笑。
「どーしたまりん」「ボーッとしすぎ」
希望と花帆に突っ込まれた。
「す、すみません」
あたしは恥ずかしくて顔を真っ赤にして、ストンと椅子に座った。
「先生と同じ名前だね。よろしくね」
佐々木先生は優しい笑顔で微笑んでくれて、あたしはまた胸がギュッと締め付けられて、ドキドキが止まらなくなった。
朝のホームルームが終わって、号令をすませると、佐々木先生は教室を出た。
とにかく確かめてみよう。こんな偶然あるわけないと思ったけど、でももしかしたら佐々木先生はあの時の・・
あたしはスクールバッグにつけていたイルカのキーホルダーを外して、先生を追いかけた。
「佐々木先生っ」
廊下を歩いて職員室に向かっていた先生は、あたしの声に振り向いた。
「あなた、確か永倉さん?」
「はい、永倉まりんです。先生、あの、これ何か分かりますか?」
あたしは震える手で、イルカのキーホルダーを先生に見せた。
「これは・・」
先生はキーホルダーを手に取ってしばらく見つめていたけど、やがてハッとした表情になった。
多分貝殻の形のレジンに彫ってある『Marin』という文字を見たんだと思う。
「えっ何で?これ私が昔スクバにつけてた」
当たりだ!この人はやっぱりあの時の
「ちょっと待って、これ確か電車で会った女の子にあげたんだよね。何であなたが」
佐々木先生は頭が混乱している様子だったけど、あたしは感動で胸がいっぱいになって、佐々木先生をじっと見つめていた。
「もしかしてあなた、あの時のまりんちゃん?」
「はい」
「ええっ、そっかぁ、あの時の・・こんな偶然あるんだ。もしかしてこのキーホルダーずっと大事に持っててくれたの?嬉しいな」
先生は何度も何度も信じられないと言った感じで、嬉しそうにあたしを見ていた。
あたしはちょっと照れ臭くなっていた。
「あっそうだ、あの時お母さんお腹に赤ちゃんいたよね?無事に産まれた?」
「はい、妹です。もみじと言って小四になりました」
「小四かぁ、早いなぁ。もみじちゃん可愛い名前だね。あ、もっと色々話したいけど、そろそろ職員室戻らないと」
「はい、引き留めてしまってすみませんでした」
あたしは一度頭を下げてからもう一度先生の顔を見ると、先生は少しだけ無言であたしを見つめて
「素敵な女の子に成長したあなたと再会出来て嬉しい。これからよろしくね、まりんさん」
と言ってくれた。
「こちらこそよろしくお願いします。真凜先生」
また後でね、と手を振って職員室に戻る真凜先生を見送った後、あたしはうきうきで教室に戻った。
「あ、まりんどこ行ってたの?」
希望と花帆が駆け寄ってきた。
「うん、ちょっとね」
「なんかニヤついてる?いい事あった?」
「うん、なんてゆーか、あたしって凄い奇跡を起こせる人間なんだなって思った」
自信満々に言うと、二人は「は?」と不思議そうに顔を見合わした。
そりゃあね、浮かれるよ。
だってあたしはずっと会いたいと思ってた初恋の人に、これから毎日会えるんだもん。
真凜先生と共に、最高の高校生活を送るんだ。
この奇跡の再会に感謝しながら。
夏休みが終わって今日は二学期の始業式。朝の六時半にアラームが鳴り、あたしは高校の制服に着替えをした。
セーラー襟のブラウスに黄色いリボン、チェックのプリーツスカートを履いて。
そう、あたしはまりんお姉さんが通っていた白浜女学院の生徒になっていた。
永倉まりん 十七歳。
出会った頃のまりんお姉さんと同じ高校二年生。
スクールバックには、あの日にもらったイルカのぬいぐるみのキーホルダーをつけている。
このキーホルダーは、小学生の時からランドセルにつけていて、週末は外してお風呂で優しく手洗いして、ずっと大切にしていた。
いつもまりんお姉さんの事を思い出しながら。
同じ高校に入ったからって、もう一度会えるわけじゃないのは分かっている。
それでもお姉さんが通った白浜女学院に入って、どうしても同じ景色を見てみたかった。
だってあの人は、あたしの初恋の人だから。
階段を降りてリビングに行くと、お母さんが台所であたしのお弁当を作ってくれているので、
「おはよう」と声をかけた。
「おはようまりん。今日から新学期ね」
「あーあ夏休み終わっちゃったよ。そう言えばもみじちゃんと起きれるかな?昨日夏休みの宿題が終わらないって遅くまでバタバタしてたんだよね」
もみじというのは、あの日お母さんのお腹の中にいたあたしの妹で、今は小学校四年生だ。
「全くあの子はいつもギリギリまでやらないんだから。まりんみたいに余裕持って行動出来れば良いのにね」
あたしは嫌な事は先に済ませたい性格で、宿題は計画を立てて早めに終わらせているので、お母さんにはしっかり者のお姉ちゃんに見えるらしい。
あたしはお母さんが用意してくれた朝ごはんのパンとサラダ、目玉焼きを食べていると
「おはよー」
と眠そうにあくびをしながら、ランドセルを背負ったもみじがゆっくりと洗面所に向かった。
「おはよう、もみじ。あんた昨日は遅くまで宿題やってたんだって?ちゃんと終わったの?」
お母さんが聞くと
「一応終わらせたよ。一時までかかったから超寝不足」
「ったく、だからもっと早めに始めれば良かったのに」
だって・・とほっぺを膨らませてふてくされるもみじ。
「まあでも、終わって良かったじゃん」
とあたしがフォローを入れると
「そっ、終わればいいの。だってあたしはギリギリ人間だからさ」
ともみじが親指を立ててグッドポーズをすると、お母さんがハーッとため息をついて少し呆れた表情をして、あたしの方をチラッと見た。あたしも思わず苦笑いをした。
あたしが通っている白浜女学院は、電車に乗って三つ目の駅から徒歩十五分ぐらいかかる。
通学路の歩道の右側に道路があり、道路の反対側の柵の向こうに海が見えるので、風と共に塩の香りがする。
あたしはこの塩の香りを感じながら歩くのが好きだ。
そしてこの海沿いの道の左側に少し曲がりくねった坂道があって、そこを五分ぐらい上がったところに校門がある。
夏場はこの坂道を登るのが結構キツくて汗だくになってしまう。
あたしの教室は南校舎の三階にある普通科の二年九組だ。
新学期はあちこちで「おはよー」「久しぶり」の声が飛び交い、夏休みに旅行に行った子は友達にお土産を配ったりしている。
「おはよーまりん」
「あんたずいぶん焼けてるね。夏休みまた海行ってたの?」
あたしといつも一緒にいる友達の希望と花帆が話しかけてきた。
「うん、中学の友達と海でバーベキューもしたし、超楽しかった」
「いいなー」
「今度うちらでもバーベキューやろうよ」
と盛り上がった。
「あ、そろそろ始業式行く時間じゃん」
「校長の長話だるっ」
新学期は体育館に集まり、校長先生の挨拶を聞きに行かないといけない。
「あ、でもさー、田宮一学期で産休入ったじゃん。新しい担任どんな人だろうね」
「若いイケメンがいいなぁ」
「だよねーうちの学校の先生、じじぃばっかじゃん」
希望と花帆がワクワクしながら期待している。
「別に優しい先生なら何でもいいよ」
あたしがサラッと言うと、二人から
「まりんてそういうとこ冷めてるね」
と言われてしまった。
体育館に全校生徒が集まり、予想通りの校長先生の長~い挨拶に、あたしは何度かあくびを噛み殺していた。
「続きまして新しい先生をご紹介します」
司会の教頭先生の声に、あたしは壇上に上がるスラリとした女性の姿に目を移した。
長いストレートの髪を後ろで一本に結び、シンプルな白のシャツに紺のタイトスカートを履いたその女性教師は、教頭先生からマイクを受け取ると、こちらに顔を向けた。
「あの人が担任?」
「超キレー」
周りが少しざわついた。それもそうだ。その女性教師はスタイルが良いだけでなく、見惚れてしまうぐらいの美人だった。
「みなさんおはようございます。佐々木真凜です」
えっ、まりん?
あたしはびっくりして頭の中が真っ白になってしまった。
「産休の田宮先生に変わりまして、この度二年九組の担任を受け持つ事になりました。担当教科は英語です。よろしくお願いします」
あたしは胸がドキドキと高鳴り、息苦しくなって倒れそうだった。
この感じは、そうだ十年前まりんお姉さんに感じた気持ちと似ている。
教室に行くと、佐々木先生は改めて自己紹介と挨拶をしてくれた。
『真凜』は漢字だった。まりんお姉さんの名前はどうだったんだろう?
それからあたしにとって衝撃的な話をした。
「先生もみんなと同じ白浜女学院の生徒だったんですよ」
この学校の卒業生?いつ?何年前に卒業したんだろう?
「卒業したの何年前ですか?」
聞きたかった事を希望が聞いてくれた。
「えっと九年前だったかな」
九年前!先生はまりんお姉さんと同い年だ!
「じゃあ先生二十七歳だね」
「アラサーじゃん」
「そうだね、アラサーだけどそれが何か?」
教室のあちこちから笑い声が聞こえて、すっかりみんな美人で気さくな佐々木先生と打ち解けていた。
「はい、じゃあそろそろ出席取りますよ。浅田さやかさん、井上玲那さん・・」
出席取ってる間、あたしはずっと考えていた。
この学校の卒業生、同じ年齢、名前が真凜、これは偶然?
初恋とは言え、まりんお姉さんに会ったのは十年前の一度だけ。
はっきり顔を覚えているわけでもない。でもこれだけ共通点が揃っていたら、もしかして。
「永倉まりんさん、永倉さん」
「あ、はいっ」
あたしは呼ばれた事にすぐに気づかず、慌てて立ち上がってしまったら周りは大爆笑。
「どーしたまりん」「ボーッとしすぎ」
希望と花帆に突っ込まれた。
「す、すみません」
あたしは恥ずかしくて顔を真っ赤にして、ストンと椅子に座った。
「先生と同じ名前だね。よろしくね」
佐々木先生は優しい笑顔で微笑んでくれて、あたしはまた胸がギュッと締め付けられて、ドキドキが止まらなくなった。
朝のホームルームが終わって、号令をすませると、佐々木先生は教室を出た。
とにかく確かめてみよう。こんな偶然あるわけないと思ったけど、でももしかしたら佐々木先生はあの時の・・
あたしはスクールバッグにつけていたイルカのキーホルダーを外して、先生を追いかけた。
「佐々木先生っ」
廊下を歩いて職員室に向かっていた先生は、あたしの声に振り向いた。
「あなた、確か永倉さん?」
「はい、永倉まりんです。先生、あの、これ何か分かりますか?」
あたしは震える手で、イルカのキーホルダーを先生に見せた。
「これは・・」
先生はキーホルダーを手に取ってしばらく見つめていたけど、やがてハッとした表情になった。
多分貝殻の形のレジンに彫ってある『Marin』という文字を見たんだと思う。
「えっ何で?これ私が昔スクバにつけてた」
当たりだ!この人はやっぱりあの時の
「ちょっと待って、これ確か電車で会った女の子にあげたんだよね。何であなたが」
佐々木先生は頭が混乱している様子だったけど、あたしは感動で胸がいっぱいになって、佐々木先生をじっと見つめていた。
「もしかしてあなた、あの時のまりんちゃん?」
「はい」
「ええっ、そっかぁ、あの時の・・こんな偶然あるんだ。もしかしてこのキーホルダーずっと大事に持っててくれたの?嬉しいな」
先生は何度も何度も信じられないと言った感じで、嬉しそうにあたしを見ていた。
あたしはちょっと照れ臭くなっていた。
「あっそうだ、あの時お母さんお腹に赤ちゃんいたよね?無事に産まれた?」
「はい、妹です。もみじと言って小四になりました」
「小四かぁ、早いなぁ。もみじちゃん可愛い名前だね。あ、もっと色々話したいけど、そろそろ職員室戻らないと」
「はい、引き留めてしまってすみませんでした」
あたしは一度頭を下げてからもう一度先生の顔を見ると、先生は少しだけ無言であたしを見つめて
「素敵な女の子に成長したあなたと再会出来て嬉しい。これからよろしくね、まりんさん」
と言ってくれた。
「こちらこそよろしくお願いします。真凜先生」
また後でね、と手を振って職員室に戻る真凜先生を見送った後、あたしはうきうきで教室に戻った。
「あ、まりんどこ行ってたの?」
希望と花帆が駆け寄ってきた。
「うん、ちょっとね」
「なんかニヤついてる?いい事あった?」
「うん、なんてゆーか、あたしって凄い奇跡を起こせる人間なんだなって思った」
自信満々に言うと、二人は「は?」と不思議そうに顔を見合わした。
そりゃあね、浮かれるよ。
だってあたしはずっと会いたいと思ってた初恋の人に、これから毎日会えるんだもん。
真凜先生と共に、最高の高校生活を送るんだ。
この奇跡の再会に感謝しながら。
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