断罪イベント成功 成功者は誰?

めい

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断罪成功

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パーティーの主催は学院であるが、
運営を行っているのは、生徒会である。

貴族として、ゆくゆくは夜会や晩餐会などを主催する必要がある為だ。

今回は、次年度の生徒会の主催。
旧生徒会長であるウィリアムが最初に挨拶するのは順当な事である。

拡声ステッキを受け取った王子が挨拶を始める。

「みなさん、卒業おめでとうございます。
これからそれぞれの世界をへと旅立つ事となります。
この王国学院で学んだ知識、経験を生かしてお互いさらなる成長を目指して、
次に出会う時を楽しみに巣立とう!!」

簡単な挨拶をして、拍手をもらった壇上のウィリアム王子の周りに、
側近たちがリリーをエスコートしながら集まってきた。
それを確認すると、王子は演説を続ける、

「私はこの学院で、本当の恋を知りました。
婚約者がいる身で許される事ではないが、
彼女を僕の隣に立っていて欲しいと望みました。
リリー・フランキー男爵令嬢です。
彼女を側室にすることも考えたが、
婚約者であるダイアナが、彼女を傷つけた。
このままでは、リリーの命の危険すら感じる。
よって、ここにダイアナ・フォン・ローリックに婚約破棄を申し付ける!!」

拡声ステッキを使い、
講堂中に声が響き渡った。

シーンと水を打った空気の中、注目がダイアナに集まる。

「仰せのままに、殿下」

一言、ダイアナは答え、
最上級の美しいカテーシィーを取った。

驚いたのは、壇上の王子を始めリリーと側近たち。
反論が返ってくると思い、
色々と用意していた文言が空振りに終わる。

それを是とは思わないリリーが叫んだ。

「どうして、私を虐めてたんですか??
殿下と恋をしたのがダメだったのですか?
ひどすぎます………」

えっと、さっきの承諾で終わったんではなかったのだろうか?
あと何がこの場で必要?
謝罪??でも謝罪するような事は覚えはないのだけど……

頭の中が混乱しているダイアナに向かって、
拡声ステッキを受け取ったマルクスが続けた。

「おまえは、リリーに犬をけしかけたな!!
リリーは、その時に大きなケガをしたのだ」

リリーが犬に襲われケガした?
学院の校外学習で王都にある公園で薬草の勉強をしていた時ですよね?
散歩している大きな犬を正面から、急に撫でまわして驚いた犬が嫌がって暴れ、
飼い主が手綱を離したところに、横から出てきた王子に庇われたやつですよね??

無理に触り、驚いた犬の牙に勝手にぶつかったように見えてたけど………
その後、近くにいた私が犬の首輪をとり、飼い主さんに返したのだ。
ケガといっても牙がかすっただけで、血も出てなかったはず
マルクス様、その場にいらっしゃいましたが、
覚えてないのでしょうか??

「彼女のお母さんから貰ったブローチも隠しただろう!!
あんたの机から、僕が発見したんだ」

魔導士ジョエルが声をあげた

あ…なんかありましたね。

私の机の中からブローチが出てきたこと。
人の物を盗んだことなどないですし、
たしかあなたが、
ブローチに残された形跡を魔力で調べ、
リリーの思念しか見つけられなかった。と、言ってました。
それが証拠なのではないでしょうか?
わざわざ盗んだものを自分の机に隠す事なんて危険すぎてありえないのですが

「他にもあるぞ!!つい1月前の月初めの日。
休み時間に階段から突き落としだろう!!
運よく、ケガはしなかったが、大けがをしてもおかしくない。

それに、お前は最近は授業をサボっているそうだな?
リリーを階段から落とした時の前後の授業を休んでいたそうではないか!!
そんな自堕落な婚約者をウィリアム殿下が、許すはずがない」

毎月1日は、侯爵家の持つ商会に前月分の伝票のチェックに行っている。
もちろん学院側にも許可をもらっている。
授業を受ける必要がないからだ。
他の日なら私の所在の証明が難しい日もあるのに
ピンポイントで1日って………

「あ~、お話し中申し訳ありません。
殿下がた。
今の階段の事ならダイアナ様が関わっていないことは僕が証言できますよ」

後ろの方から突然アイリスの弟マイクが声をあげた

「彼女は、そもそも授業を受ける必要がないのです。
もう卒業までの単位は取得しています。まぁ、僕もなんですけどね」

それまで静かであった講堂内がざわついた。
王家に次ぐ権力を持つ公爵家の跡取りマイクの発言である。

「あまり知られていませんが、
この学院には単位を先に取得できる制度があります。
僕もダイアナに聞くまでは知りませんでしたが………
ただ、年下の彼女がウィリアム殿下より先に卒業したり、
一緒に卒業したりするのはよろしくない。
との、学院の判断で
僕とダイアナは来月に卒業をする事になっています。
本当なら、去年卒業も出来たんですが、
婚約者や王太子妃となる姉よりも先に卒業できませんからね。
で、1日は毎月ダイアナの家の商会に伝票のチェックに一緒に行って、
トルスタイン様から、財務について色々と勉強もさせていただいています。
学院からも許可もらてますよ」

だんだん私の『様』が抜けて、普段の話し方になっている。
似たもの姉弟だ。

そう、貴族の子弟が通う学院の授業は、それほど厳しくはない。
4年通う学院のカリキュラムを2年で終えるのは可能だ。
だからこそリリーが3年からの編入でキチンと卒業できるのである。

私は、お妃教育。
マイクは次期公爵教育を受けているのでマナー、ダンス、外国語、学力は問題ない。
ほとんど終わってしまっている授業に参加するのは、
先に単位を取得出来ることを公にしない配慮であった。
学院の授業には選択科目が多いので、わりと誤魔化せる。
魔法学、薬草学、魔石・魔獣学は、先生が毎回違う問題を個別に与えてくれたので、
受けていた楽しかった。

「えっ!あっ!階段から落とされたのは、違う日だったかも………」
リリーが叫んだ
「でも、でも虐められていました。
きっと嫉妬していたんです。
ウィリアム殿下が私に優しくしてくるから」

リリーの発言で、さらに会場内が騒めき出す。

う~ん、嫉妬か……してみたい。
このままだと収拾がつかなくなりそうだし、そろそろ終わらせてもよいかしら??

「殿下、私に不手際があった事、誠に申し訳ありません。
先ほど伺った事は、身に覚えがございませんが、
婚約を解消されるなにかしらの言質があったのでしょう。
私は、殿下の判断を謹んでお受けいたします。
もしよろしければ、解消の手続きの為に先ほどの事を文書で我が家と王宮に届けくださいませ。
婚約解消の書類も用意していただければ、
父と王宮で手続きをさせていただきます」

悠然と言い放つと殿下は

「もちろんだ!!実はすでに文書は用意している。
クレイシーが文官たちと作成してるから法的な問題もないだろう。
王宮とローリック邸に送っている」

クレイシー……
あぁ~、あの眼鏡をかけていらっしゃる方ね。
お父上は法務局にお勤めのはず。
そういえば、今日は殿下の後ろにいらっしゃるわ。

「お手配ありがとうございます。
それでは、私は先に帰らせていただき、父に報告させていただきたく存じます。
退出の許可をいただけますでしょうか殿下」

「うむ、許可する」

許可をいただき、礼をして出口へ歩き始めようとすると、
マイクに腕を抱えられたアイリスと目があった。
私よりも蒼白な顔に、今にも涙がこぼれそうな瞳が見えた。
本気で心配してくれている彼女に向かって笑ってみせ、歩き出す。

ざわつく会場を出口まで歩き、
最後に振り返り、最上級の礼をして扉から出た。
扉を開けてくれた扉番の騎士が、何とも言えない表情をしていた。
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