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澄芭留と白鸚
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夜姫芽、もといサクラヒメ?はズンズン進む。ゆあちゃんは何も言わず「……ふぅんふふん、ふぅ~ん……」と鼻歌を歌う。
マジか、マジかこの空間。
「彼岸宮、いるー?」
「……いなぁいしぃ、花嫁ぇじゃないとだめぇ……」
「彼岸宮が花嫁?」
「……あ、違うわ」
「違うんかい!」
てか、どゆこと?誰?
「ごめんごめん、花嫁は天桜ね」
ほんっとに、わからないな、この人たち。てか、なんで五代名家の名前をあげてるの?
「……ハクオウおこそぉおよぉ……」
「ハクオウ起こそうって」
「そーするか。ね、かたっぱしから名前あげて」
夜姫芽がそういうと、ゆあちゃんは意味のわからないことを言い出した。
「……さくらひめ、アカツキ、アオ、からすま、しゅてんどうじ、妖破隊……」
頭がなんだか、どんどん言って、痛い。え、なにこれ。
「……頭、痛……」
「効果抜群って、こいつ……。軽すぎでしょ」
頭痛いし、なんか……眠い?
「蒼、五芒星、悟り、光、純白……」
足に力が入らなくなって、その場に膝をつく。
夜姫芽は、私の体を支えて、髪をすいてから、私の耳元でささやく。
「闇よ、意識を消し去り、入れ替えたまえ。 ……お休み、澄芭留」
その声は、夜姫芽のものとは違っていて、違和感を感じたけど、それを確かめる時間もなく、私は眠りについた。
ーー 先祖サイド ーー
「むぅ?」
私は、眠くて重いまぶたを手でこすりながら、頑張って起きる。
髪を退けようとするけど、あれ?ない?
「なに寝ぼけてるのよ、あんた」
呆れた声が上から降ってくる。上を見ると、見知らぬ少女。
「どなたですか?」
あれ、私の声、少し変?
おかしい……。
「……あぁっ、ハクオウぅっ……!」
髪の少し短い赤目の少女が飛びついてくる。少し驚いて唖然としたけど、涙を流してしゃくり上げる。
あ、これ……ゆあだ。
「ゆあ? 泣かないで、ゆあ」
「……ハクオウぅっ……」
泣きじゃくるゆあに、強めの口調だけど優しい女の子。
「! サクヒメ?」
「あら、わかった?遅いわね、シオ」
「サクヒメ! て、サクヒメじゃないですよね、サクヒメだけど」
「あ、だから、これ、私たちの子孫の体。能力付きみたいね」
「! なるほどです、ふぁぁっ」
「ほーら、寝てないで開けて?」
「なにをです?」
私は眠い頭を頑張って動かしながら、考える。開けるものは、窓、箱?扉?
なんだろう。
それにここ、暗闇で、私に光はない。まるで、能力を使わせないようにするように。
まぁ、このくらい蒼猗がいなくてもできますが。
「サクヒメちゃん、扉のところに連れて行ってください」
私は、サクヒメちゃんの服の袖を引っ張り、そうお願いした。
「もちろん、私も死にたくないしね」
「死ぬ?もう死んでるじゃありませんか」
「この体がここにいすぎると腐るってこと」
「……たしかに」
私はそういう話をしながら、右をサクヒメちゃん、左をゆあと手を繫がながら、扉に向かう。
「ここ、わかる?」
サクヒメちゃんが、そう言いながら私と繋いでた手をその扉、に当てる。
ゴツゴツとした感覚が指に当たる。けれど、なにもみえない。
これが闇の扉ね。
「気高きその色、その光。黒く染まりし闇をはらえ」
そういうと、少しずつ扉は色をなして、取っ手が現れた。
「これでいいですか?」
「ええ、さすがね」
そういってサクヒメちゃんは、笑ってくれる。
「……もうすすめるの……?」
ゆあはそう尋ねる。私は素直にうなずいた。
「えぇ、もう進めるかと思います。どうして?」
「……ばいばいだねぇ……」
にっこりと笑う顔は、あぁ、そうだ。これ、私が死ぬってわかった時の顔だ。
「ごめんなさい、ゆあ。 でも、これは私じゃないの。これは、澄芭留ちゃんのなの」
「……わかってるよぉ……」
シュンとする姿を見て、申し訳なくなる。
「こーら、シオを困らせないの。今度、同じ場所に連れてってやるからさ、起きたら、私のとこおいで」
「……さくらひめもぉ、さくらひめじゃぁない……」
「私のとこはヘーキ。もうすでにこの子、私に気がついてるし」
「なにそれ、早いです」
「まぁね~。 あんたが起きたらって思ってたけど、もうすぐかな?」
「わかんないな、それは。澄芭留ちゃんが、私を受け入れるか。この状況を受けいれられるか。 それだけだからね」
私は微笑む。
そして、ゆあの頭を撫でてやった。
「ゆあ、次はちゃんと。私が消してあげるから」
「……ゆいもぉ……?」
「ゆいもその時やってやるわよ、私が。しばらく寝てな」
「ゆあ、私が起きてこれるまで、少しだけ、眠っていて」
「……うん……」
「おやすみなさい、ゆあ」
私はそういって、ゆあのまぶたに手を当てて、目を閉じさせると、ゆあはどこかに消えていた。
「さ、いきましょ、もうすぐ澄芭留が起きるわ」
「そうですね、サクヒメちゃん」
私は、そういって、サクヒメちゃんと同時に、一番目の部屋の扉を開けた。
残す扉は、あと三つ。
この子は、私のように乗り越えられると。きっと呪いを弾き飛ばせると。
そう願って。
私たちは、その床に互いに寄りかかるように座り込んで、主人に意識を返した。
マジか、マジかこの空間。
「彼岸宮、いるー?」
「……いなぁいしぃ、花嫁ぇじゃないとだめぇ……」
「彼岸宮が花嫁?」
「……あ、違うわ」
「違うんかい!」
てか、どゆこと?誰?
「ごめんごめん、花嫁は天桜ね」
ほんっとに、わからないな、この人たち。てか、なんで五代名家の名前をあげてるの?
「……ハクオウおこそぉおよぉ……」
「ハクオウ起こそうって」
「そーするか。ね、かたっぱしから名前あげて」
夜姫芽がそういうと、ゆあちゃんは意味のわからないことを言い出した。
「……さくらひめ、アカツキ、アオ、からすま、しゅてんどうじ、妖破隊……」
頭がなんだか、どんどん言って、痛い。え、なにこれ。
「……頭、痛……」
「効果抜群って、こいつ……。軽すぎでしょ」
頭痛いし、なんか……眠い?
「蒼、五芒星、悟り、光、純白……」
足に力が入らなくなって、その場に膝をつく。
夜姫芽は、私の体を支えて、髪をすいてから、私の耳元でささやく。
「闇よ、意識を消し去り、入れ替えたまえ。 ……お休み、澄芭留」
その声は、夜姫芽のものとは違っていて、違和感を感じたけど、それを確かめる時間もなく、私は眠りについた。
ーー 先祖サイド ーー
「むぅ?」
私は、眠くて重いまぶたを手でこすりながら、頑張って起きる。
髪を退けようとするけど、あれ?ない?
「なに寝ぼけてるのよ、あんた」
呆れた声が上から降ってくる。上を見ると、見知らぬ少女。
「どなたですか?」
あれ、私の声、少し変?
おかしい……。
「……あぁっ、ハクオウぅっ……!」
髪の少し短い赤目の少女が飛びついてくる。少し驚いて唖然としたけど、涙を流してしゃくり上げる。
あ、これ……ゆあだ。
「ゆあ? 泣かないで、ゆあ」
「……ハクオウぅっ……」
泣きじゃくるゆあに、強めの口調だけど優しい女の子。
「! サクヒメ?」
「あら、わかった?遅いわね、シオ」
「サクヒメ! て、サクヒメじゃないですよね、サクヒメだけど」
「あ、だから、これ、私たちの子孫の体。能力付きみたいね」
「! なるほどです、ふぁぁっ」
「ほーら、寝てないで開けて?」
「なにをです?」
私は眠い頭を頑張って動かしながら、考える。開けるものは、窓、箱?扉?
なんだろう。
それにここ、暗闇で、私に光はない。まるで、能力を使わせないようにするように。
まぁ、このくらい蒼猗がいなくてもできますが。
「サクヒメちゃん、扉のところに連れて行ってください」
私は、サクヒメちゃんの服の袖を引っ張り、そうお願いした。
「もちろん、私も死にたくないしね」
「死ぬ?もう死んでるじゃありませんか」
「この体がここにいすぎると腐るってこと」
「……たしかに」
私はそういう話をしながら、右をサクヒメちゃん、左をゆあと手を繫がながら、扉に向かう。
「ここ、わかる?」
サクヒメちゃんが、そう言いながら私と繋いでた手をその扉、に当てる。
ゴツゴツとした感覚が指に当たる。けれど、なにもみえない。
これが闇の扉ね。
「気高きその色、その光。黒く染まりし闇をはらえ」
そういうと、少しずつ扉は色をなして、取っ手が現れた。
「これでいいですか?」
「ええ、さすがね」
そういってサクヒメちゃんは、笑ってくれる。
「……もうすすめるの……?」
ゆあはそう尋ねる。私は素直にうなずいた。
「えぇ、もう進めるかと思います。どうして?」
「……ばいばいだねぇ……」
にっこりと笑う顔は、あぁ、そうだ。これ、私が死ぬってわかった時の顔だ。
「ごめんなさい、ゆあ。 でも、これは私じゃないの。これは、澄芭留ちゃんのなの」
「……わかってるよぉ……」
シュンとする姿を見て、申し訳なくなる。
「こーら、シオを困らせないの。今度、同じ場所に連れてってやるからさ、起きたら、私のとこおいで」
「……さくらひめもぉ、さくらひめじゃぁない……」
「私のとこはヘーキ。もうすでにこの子、私に気がついてるし」
「なにそれ、早いです」
「まぁね~。 あんたが起きたらって思ってたけど、もうすぐかな?」
「わかんないな、それは。澄芭留ちゃんが、私を受け入れるか。この状況を受けいれられるか。 それだけだからね」
私は微笑む。
そして、ゆあの頭を撫でてやった。
「ゆあ、次はちゃんと。私が消してあげるから」
「……ゆいもぉ……?」
「ゆいもその時やってやるわよ、私が。しばらく寝てな」
「ゆあ、私が起きてこれるまで、少しだけ、眠っていて」
「……うん……」
「おやすみなさい、ゆあ」
私はそういって、ゆあのまぶたに手を当てて、目を閉じさせると、ゆあはどこかに消えていた。
「さ、いきましょ、もうすぐ澄芭留が起きるわ」
「そうですね、サクヒメちゃん」
私は、そういって、サクヒメちゃんと同時に、一番目の部屋の扉を開けた。
残す扉は、あと三つ。
この子は、私のように乗り越えられると。きっと呪いを弾き飛ばせると。
そう願って。
私たちは、その床に互いに寄りかかるように座り込んで、主人に意識を返した。
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