異形たちの行く道は
人ならざる者の存在を、一部の人間が認識している世界。
ここには、人間でありながら、妖のような能力や、格段強い霊力を持つ者が生まれる家系が存在した。
その中でも最も強いとされ、またいわゆる財閥並みの力を持つ五つの家系は五代名家と総称され崇められた。
そんな五代名家の[白鴎]に五番目の子供・唯一の女として生まれた澄芭留は、日々完璧な兄たちに劣等感を抱く。
そんな高校二年の夏の終わり。目が覚めると、見慣れぬ場所に閉じ込められ、体に見覚えのない刻印が記されていた。
『刻印は時間が経つごとに体を蝕んでいき、刻印が体全体を包むとき、お前は死ぬ』
ーーーそう、光に包まれた、いわゆる精霊のようなものは言い放つ。
澄芭留は、帰る意味などないと思いながらも、一度でいいから親にきちんと認めて欲しいという思いを抱えながら、暗闇を、少しずつ進んでいく。
闇に呑まれ、眠りについていた黒髪の刻印持ちの少女。
虚な目をして、つんけんな態度をとり、自らをイミゴと蔑む少女。
出口を探し求め彷徨っていた「帰らないと」と唱える二人の少女。
そんな奇妙な少女たちと、闇から逃れるため、澄芭留は歩きだす。自分がなぜ出口へ向かうのか、その答えを探しながらーーー。
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