箱入りの魔法使い

しゅん

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「お久しぶりだね、校長」

校長室の扉が開けられ、入ってきたのはハゲて丸見えの頭から血管が浮きでてピクピクしている理事長だ。

どうやらどこか怪我をしてるらしい。

「お久しぶりです、何か御用で?」

「とぼけるなぁ!リッカを引き渡せと話をしておいたはずだ!私の言うことを逆らうとは...降格どころじゃ済まないぞ!」

理事長は校長室の机を思い切り叩いた。

部屋の室温が上がり始めた。

これが理事長の固有魔法、温度調節ヒートタイプか。

過去の記録によると最高温度は石を溶かすとか。

「そんなに熱くならないでください。私はあくまで生徒のことを考えたまでです。そこのどこにおかしなところが?」

「くっ...!こいつを捕まえろ!」

校長は反抗することなく捕まった。

「ハハッ!カッコつけよって、お前は最初から私の言うことだけ聞いておけばよかったのだぁ!」

理事長は無防備な校長を蹴ったり、殴ったりして遊んだ。

「ハハハハ!」

すると急に感触が変わった。

さっきまで人を殴っていたのに急に岩のような──。

「...ヒッ...!」

校長が凄い殺気でこちらを見ていた。

そして連れていかれた。

「...クソっ!なんだ!私を睨みおって、私は!私はぁ!」

部屋で暴れていると写真立てが倒れたのを見た。

そこには校長とその家族が写っていた。

「ヒヒッ、お前が悪いんだぞ」
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