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第二章 神器と欲望
33話 ヴィランの拘束
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鎮魂活動をしていると、陽翔さんの刀を見た瞬間逃げ出すヴィランがいる事が分かった。
そう言ったヴィランは逃げ足がとても速く、走っても追いつくことが出来なかった。
空悟さんが鷹の翼を生やし、陽翔さんを担いで飛んでみたけど、やっぱり陽翔さんの方がガタイがいいせいでノロノロとしか飛べていなく、とても追いつけそうにはなかった。
しかし活動再開から2日後、そのヴィランを後回しにして8階のフロアを全て鎮魂させた時、事態は動いた。
8~10階のフロアは中央が吹き抜けになっており、8階からその中央へと出ると、強い光を放ちながら『大天使ミカエル』が君臨する。
『私は大天使ミカエル。ヤハウェ神より預かってきたものがある』
ミカエルはそう言って“黄金に輝く指輪”を差し出す。
「大天使ミカエル……ヤハウェ神……ま、まさかその指輪は“ソロモンの指輪”では!?」
と、瑠斗君が興奮気味に差し出された指輪を眺めていた。
『その通り。どうやら瑠斗、君が一番第六感が発達しているようだね。これは君に授けよう』
「ははー! ありがたき幸せ!」
瑠斗君は片膝をつき、丁寧にその指輪を預かっていた。
そして右手の中指へとそれを通すと、強い光を放ち、継承が行われたことが確認できた。
『君なら説明などなくてもきっと使いこなせるだろう。それでは私は失礼するよ』
ミカエルはそのままスッと消えていなくなった。
「その指輪は何なの?」
早速瑠斗君へと尋ねてみる。すると、彼は得意げな表情でこう答えてくれた。
「ソロモンの指輪は悪魔を使役する事ができ、動植物と会話ができるとも言われています」
「使役? まさかヴィランを操れるのか!?」
と、陽翔さん。しかし瑠斗君は首を横に振る。
「それだとチート過ぎると思いますので、僕は“動きを止める”くらいの能力なのではと思っています」
「あっ、動きを止められたらあの足が速えやつも捕まえれんじゃねーの?」
と、空悟さん。
「そうだよ、早速試してみようよ!」
そして問題のヴィランのいる9階へと上がる。
空悟さんが瑠斗君を背負ってある程度距離を詰めたところで瑠斗君が指輪をそのヴィランへ向けると、白く光る糸が勢い良く伸びていき、そのヴィランをグルグル巻にして拘束した。
「よし、思った通りです。捕えました! 陽翔さんお願いします」
瑠斗君は空悟さんの背中で綱引きのようにその糸を引っ張り続けている。
その脇を陽翔さんがスッと通り抜け、抜刀をしながらそのヴィランを斬り抜け、鎮魂に成功した。
「みんなすごい!」
ただ見ていただけの私はパチパチと拍手を送る。
「やはり拘束する能力だったな」
と、陽翔さん。
「はい、多分僕の第六感との引っ張り合いになるんだと思います。ミカエル曰く僕は第六感が発達しているようなので、かなり拘束出来るかもしれないですね」
「こりゃ一気に鎮魂も進むな」
と、空悟さん。
⸺⸺ここで陽翔さんがある提案をする。
「これなら赤ずきんも斬れそうじゃないか?」
「おぉ……!」
と、一同。
しかしこの提案が彼自身を窮地に追い込む事になるなんて、この時はまだ誰も知る由もなかった。
そう言ったヴィランは逃げ足がとても速く、走っても追いつくことが出来なかった。
空悟さんが鷹の翼を生やし、陽翔さんを担いで飛んでみたけど、やっぱり陽翔さんの方がガタイがいいせいでノロノロとしか飛べていなく、とても追いつけそうにはなかった。
しかし活動再開から2日後、そのヴィランを後回しにして8階のフロアを全て鎮魂させた時、事態は動いた。
8~10階のフロアは中央が吹き抜けになっており、8階からその中央へと出ると、強い光を放ちながら『大天使ミカエル』が君臨する。
『私は大天使ミカエル。ヤハウェ神より預かってきたものがある』
ミカエルはそう言って“黄金に輝く指輪”を差し出す。
「大天使ミカエル……ヤハウェ神……ま、まさかその指輪は“ソロモンの指輪”では!?」
と、瑠斗君が興奮気味に差し出された指輪を眺めていた。
『その通り。どうやら瑠斗、君が一番第六感が発達しているようだね。これは君に授けよう』
「ははー! ありがたき幸せ!」
瑠斗君は片膝をつき、丁寧にその指輪を預かっていた。
そして右手の中指へとそれを通すと、強い光を放ち、継承が行われたことが確認できた。
『君なら説明などなくてもきっと使いこなせるだろう。それでは私は失礼するよ』
ミカエルはそのままスッと消えていなくなった。
「その指輪は何なの?」
早速瑠斗君へと尋ねてみる。すると、彼は得意げな表情でこう答えてくれた。
「ソロモンの指輪は悪魔を使役する事ができ、動植物と会話ができるとも言われています」
「使役? まさかヴィランを操れるのか!?」
と、陽翔さん。しかし瑠斗君は首を横に振る。
「それだとチート過ぎると思いますので、僕は“動きを止める”くらいの能力なのではと思っています」
「あっ、動きを止められたらあの足が速えやつも捕まえれんじゃねーの?」
と、空悟さん。
「そうだよ、早速試してみようよ!」
そして問題のヴィランのいる9階へと上がる。
空悟さんが瑠斗君を背負ってある程度距離を詰めたところで瑠斗君が指輪をそのヴィランへ向けると、白く光る糸が勢い良く伸びていき、そのヴィランをグルグル巻にして拘束した。
「よし、思った通りです。捕えました! 陽翔さんお願いします」
瑠斗君は空悟さんの背中で綱引きのようにその糸を引っ張り続けている。
その脇を陽翔さんがスッと通り抜け、抜刀をしながらそのヴィランを斬り抜け、鎮魂に成功した。
「みんなすごい!」
ただ見ていただけの私はパチパチと拍手を送る。
「やはり拘束する能力だったな」
と、陽翔さん。
「はい、多分僕の第六感との引っ張り合いになるんだと思います。ミカエル曰く僕は第六感が発達しているようなので、かなり拘束出来るかもしれないですね」
「こりゃ一気に鎮魂も進むな」
と、空悟さん。
⸺⸺ここで陽翔さんがある提案をする。
「これなら赤ずきんも斬れそうじゃないか?」
「おぉ……!」
と、一同。
しかしこの提案が彼自身を窮地に追い込む事になるなんて、この時はまだ誰も知る由もなかった。
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