巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜

るあか

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第五章 社会の形成と勇者マコト伝

83話 ウルユ城

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 勇者マコトはラストダンジョンの攻略を果たし、魔王城攻略前のレベル上げにいそしんでいた。

 一方ウルユ島では、この島での最大のイベントを見届けるために、たくさんの人たちが島の北へと集まっていた。
 
 島民はもちろんのこと、マルシャンの商人ギルドで働く私の友達のディーナさんとブランカさん。農業の町ラカノンより、酒場『黒山羊くろやぎ亭』の女将であるブランカさんのかーちゃん。

 氷壁の町エイストンの鉱業ギルドのおじさんたち。ウズメの村の村人たち。水の都エスタシアより、ネプおじさん。次元の狭間より、人の姿に変装したマリーちゃん、ミシアちゃん、ゼウスじい、アマ姉。

 今まで私たちの訪れてきた様々な土地の人々をウルユ島へと招待し、その記念すべき瞬間を果たそうとしていた。

⸺⸺ウルユ島、北の城建設予定地⸺⸺

「ユノよ、どうじゃ……クラフトのボタンはちゃんと押せるようになっておるのか?」
 アメちゃんがそう言って緊張気味に私の操作するクラフトパネルを覗き込んできた。

「うん、バッチリだよ。今までずっとグレーがかって押せなかったクラフトボタンが、ちゃんと白く浮き上がって、押せるようになってるの」
 私がその証拠のクラフト画面をアメちゃんへ見せると、彼女は「なんと……感慨深いのう……」と涙目になっていた。

⸺⸺

 みんながざわついている中、私は大きな声でこう宣言した。
「皆さん! お待たせしました! これよりお城のクラフトを行います! 危ないので、設置が終わるまで絶対に線より中に入らないでください!」
 
 ざわついていた空気が一気にしんと静まりかえり、みんな私の忠告通り線を意識して念の為一歩ずつ下がっていた。

「ご協力ありがとうございます! いきます! クラフト!」

 クラフトボタンをタップすると、建設予定地が倉庫ごと巨大な光の壁で包まれる。人々はおぉーっと歓声を上げて、その光の壁を見上げて事の行く末を見守った。

 光の壁はログハウスやアパートのクラフトの時とは比べ物にならないくらいに長い時間出ており、まだクラフトが完了していないのに急激な魔力の消耗で私の身体にはどっと疲れが出ていた。

「ユノ、後少しじゃ、頑張るのじゃ!」
 アメちゃんのその一言がきっかけで、辺り一体が頑張れコールで包まれる。

「みんな、ありがとう、いけぇー!」
 みんなの声援に応えるため、残った魔力を投入するようにクラフトボタンを押す指に力を込める。
 すると、遂に光の壁が収束していき、目の前には世界史の資料集で見たような中世ヨーロッパ風のお城がそびえ立っていた。

 うわぁーっ! というとてつもない声援に包まれながら、限界を迎えた私は意識を失った。

⸺⸺⸺

⸺⸺



「んー……」
 目を覚ますと、見慣れない高い天井が視界に入る。

『ユノが目を覚ましましたにゃ!』
『ユノ、大丈夫!?』
 この声は、ルキちゃんにウルだ。

「ルキちゃん、ウル! うん、身体は大丈夫そう。ここってもしかして……お城の中!?」
 
 身体を起こして状況を確認すると、ふかふかのマットの上に寝かせられ、柔らかくもふもふな毛布をかけてもらっていたことに気付いた。

 それにしても、まだ建物をクラフトしただけで内装は何もしていないから、石のレンガで囲われただけの殺風景な部屋だな。

『はい、ここはお城の2階の一室ですにゃ。このマットと毛布はヴルムが自宅で使っているものを貸してくれたのですにゃ』
『みんな、1階のロビーで宴の準備をしてくれているよ! ユノが起きたら始める予定だったんだ』

「そっか、ヴルムにお礼言わなくちゃ。宴の準備!? そう言えば魔力も空っぽになって、お腹ペコペコだよ……1階に行こう!」

 ルキちゃんとウルと共に2階の廊下を突っ走り、1階のロビーへと続く大きな階段へと差し掛かる。
 1階のロビーはあちこちのテーブルにたくさんの料理が並べられて、みんな忙しそうに動き回っていた。

「おっ、主役の登場じゃ!」
 アメちゃんが私に気付いて指を差し、みんなの注目を浴びせる。
 
「みんな、おはよう!」
 私は暖かい声援に包まれながら、レッドカーペットの敷かれた大階段をゆっくりと降りて、その宴の輪へと仲間入りをした。

 宴は夜通し行われ、翌朝、国境を越えた絆が深まり手紙を書く約束などを交わした来客は、トラベルストーンを持った住人たちに送ってもらって散り散りに故郷へと帰っていくのであった。
 
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