巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜

るあか

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第五章 社会の形成と勇者マコト伝

84話 経済を作るために

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 お城の建築祝いの宴が解散になってからは、主要メンバーでウルユ島の経済形成の会議が連日行われた。

 大事なのは、島の住民1人1人が自立して生活を送れること。生きていく上で重要な“衣・食・住“のうち“住“だけはひとまず提供していこうと思う。

 だって、木材や鉱石を集めたらクラフトボタン1つで生成できるし、家は少しのボランティアでノーコストで生成できるんだ。

 ほとんどの住民は家も確保できているから、これから家を提供することになるのは主に成獣たちだ。

 現在成獣たちは島の思い思いの場所で野宿しているような状況。
 室内での生活を体験してみたい子が出てきたら、お城の1室を貸し出している。

 “衣と食“に関しては消耗品であり、やはりここで必要になってくるのが“仕事“である。現在ゴブリンたちには島の初期メンたちの仕事を手伝ってもらう対価として、食糧庫の素材を自由に持って行ってもらうことにしている。

 自分でお金を稼ぐことができるようになれば島の農園で採れた野菜も島内で売り買いができるようになるし、そっちの方が1人1人の自由度は高くなると思う。

⸺⸺ウルユ城2階、会議室⸺⸺

「やっぱり、まずは1人1人が銀行の口座を持てることが重要だよね。アパートの1室に何十万クレドも溜め込むのもあれだし……」
 私はアパートの部屋のあちこちに札束が散乱している状況を想像しながらそう提案をした。

「どうする? 今のユノの全財産を元手にこの島だけの銀行を作るか?」
 と、ランスロット。実は私の銀行口座には現在天文学的な額が溜め込まれている。

「いや、イチから銀行の体制を整えるのはちょっと難しそうだなぁ。ちょっと、ディーナさんに相談してみようかな」
「ディーナ? マルシャンの商人ギルドでなんとかしてもらえるのか?」
 と、アメちゃん。

「ううん。ディーナさんね、リベルト銀行マルシャン支店の支店長さんの娘なんだよ。商人ギルドにも出向で勤めていて、案内係の他に経理も担当してるんだって」
 
「ほう、ディーナは銀行員であったのか。なるほど、リベルト共和国の銀行に協力を仰ぐのじゃな」
 そう納得をするアメちゃんに「そう言うこと」と返事を返して、早速ディーナさんのもとへと向かった。

⸺⸺港町マルシャン、商人ギルド本部⸺⸺

「ディーナさん、こんにちは」
「あら、ユノちゃん、こんにちは。先日はウルユ城の建築、お疲れ様でした」
 商人ギルド本部に入るなり、クマ耳族のディーナさんが笑顔で迎えてくれた。

「こちらこそ、宴も参加してくれてありがとう。あのね、今ウルユ島の経済を作ろうと思ってあれこれ会議をしているんだけど、リベルト銀行に協力してもらえないかと思って……」

「そう言うことね! お父さんに紹介すれば良いのよね?」
「うん……できそう?」
 ディーナさん、理解が早くて助かります。

「ユノちゃんは銀行でも超お得意様だから、お父さんも無視できないわ。ちょっと待ってて、私も仕事を抜けられるか確認してくる」
「ありがとう~!」

 ギルドの奥へと姿を消したディーナさんは、すぐにルンルンで戻ってきた。
「おっけー。案内係を代わってくれる人が見つかったから、一緒に銀行に行きましょう♪」
「ありがとう、本当にありがとう!」

⸺⸺リベルト銀行、マルシャン支店⸺⸺

 ディーナさんと銀行を訪れると、すぐに奥の相談室へと案内をされる。

 ディーナさんのお父さんである『アマート支店長』がものすごい熱量で対応してくれた。ディーナさんと同じ小人種のクマ耳族だけどちょび髭のあるおじさんで、失礼だと思うけどちっちゃいクマ耳のおじさんは可愛いと思った。

「ユノちゃん! 君の稼ぎっぷりは我が銀行内でも噂になっているよ! 今日はどんな相談かな? 融資? 投資? なんでも相談してくれたまえ!」

「ありがとう、アマート支店長。圧がすご……あっ、いや、協力的で助かります……!」
 
「ごめんね、ユノちゃん……お父さん、憧れのユノちゃんに会えて興奮が抑えきれないみたい……」
 ディーナさんが呆れ顔でそう言うと、アマート支店長は照れた表情で「こ、これは失礼……」と、乗り出していた身を少しだけ引いた。

「あの、実は私の住んでいるウルユ島にあるウルユ城内に、リベルト銀行の支店を作ってもらえないかと思って……。そんなことできますかね? 島民の従魔たちがそれぞれ独立して口座の管理ができて、ウルユ島内でお金のやり取りをしたいんです」

「ウルユ島に我が銀行の支店!? そ、それはうちの銀行にとって、とんでもない革命が起こりそうだ……。私としてはすぐにでも「うん」と言いたいのだが、なんせウルユ島はどこの国にも属していないし前代未聞の相談だ。本店に話を通してみるとしよう」

「ありがとうございます! よろしくお願いします!」
 まだどうなるかは分からないけれど、ひとまず門前払いをされなくて良かった。

 本店に相談してくれるみたいだし、協力してくれると良いなぁ。

 その日は一旦解散してウルユ島へと帰り、勇者マコトの冒険を見たり、島の施設についての会議をしたりして数日を過ごした。

⸺⸺数日後。

 ディーナさんがアマート支店長を連れて来島したことで、この島の経済は大きく動き始めることになる。
 
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