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第五章 社会の形成と勇者マコト伝
88話 穏やかな田舎の街
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ウルユ城を後にしてウルユ島の街へと躍り出た私たちは、街を一周することにした。
⸺⸺ウルユ城下町⸺⸺
ウルユ城を出発してまず目に飛び込んできたのは武器屋と防具屋。さっき見学してきた武器職人と防具職人たちから仕入れているお店だ。
そのため品揃えは木製の物ばかりであったが、ルキちゃんはここで“木の剣“と“木の盾“、更に“革の胸当て“を購入していた。
「ルキちゃん……勇者にでもなるの?」
ルキちゃんは勇者の光のスキルを持っているためそう尋ねると、彼は首を横に振った。
「僕は冒険者になりたいのですにゃ」
「そうだったんだ!」
「ほほう、冒険者ギルドに所属をして、ダンジョン攻略や依頼をこなして行きたいのじゃな?」
と、アメちゃん。
「はいですにゃ。リベルト共和国の首都に冒険者ギルドの本部があるので、そこでウルとパーティを組んで冒険者になりますにゃ♪」
「うん、オイラも素材集めのついでにルキちゃんと冒険者になるんだ♪」
「良いじゃん! ルキちゃんもウルもずっとこの島のために頑張ってくれていたし、やりたいことが見つかって良かったよ! そっか、だからルキちゃんは二足歩行で歩いて人みたいに生活をする練習をしていたんだね」
「ユノ、ありがとうですにゃ。はいですにゃ。頑張りますにゃ!」
次に見えたのは道具屋。ここでは回復薬等の回復系のアイテムや生活雑貨など、幅広い商品を扱っている。私もこの島の職人さんたちがカバーしきれない生活用品を取引させてもらっている。
ルキちゃんはここで魔導圧縮の機能のついたリュックと、回復系のアイテムを購入していた。
その隣の装飾屋では、私とアメちゃんがお揃いのブレスレットを購入。ウルユ島が街として活動を始めた記念だ。
家具屋には今のところ用事はなかったけれど、猫たちが猫用のイスを選んでいる光景に癒された。
⸺⸺
南へと進んでいくと、ラゴ農園とウルユ牧場の入り口が見えてくる。ひとまずラゴ農園へと入っていった。
⸺⸺ラゴ農園⸺⸺
「皆さん、来てくれると思っていましたよ♪」
そう言って出迎えてくれたのはラフちゃん。奥を見渡すと広大な農園の手前でたくさんの猫たちに指導をしているゴブ君の姿もあった。
「ラフちゃん! 従業員増えたみたいで良かったね♪」
私がそう言うと、ラフちゃんは頭の大きなお花をゆさゆさとゆすりながら飛んで喜んでいた。
「そうなんです、猫ちゃんたちもみんな一生懸命だし、ましゅたんにウサギさんの後輩もできたのですよ」
「えっ、ウサギさんも働いているんだ!?」
「はい、お手手で器用にキノコの収穫をサポートしてくれていますし、アルパカさんも向こうの方で荷物を運んでくれています」
「あっ、本当だ、すご……」
もふもふ農園だ……。
ラフちゃんとゴブ君とましゅたんは現在この農園内に建てた一軒家に住んでいる。家の庭に綺麗に干されているシーツを見ると、ラフちゃんがガタガタの字で“ぴーまん“と書いていた頃を思い出して、その成長に独りうるっと来ていた。
⸺⸺ウルユ牧場⸺⸺
ラフちゃんに別れを告げてUターンをし、分かれ道を今度はウルユ牧場の方へと進む。ラゴ農園と同じようにのどかな空気の流れた平和な牧場が広がっていた。
「皆様いらっしゃいませ!」
この牧場の主であるゴブリンのジェシカがお出迎えに来てくれた。
「ジェシカ、牧場完成おめでとう。今日は天気も良いし、牛さんも羊さんもとっても気持ち良さそう」
「ええ、本当に。彼らもこの牧場の立派な従業員なので、こうしてストレスなく穏やかに過ごせてもらえるとスキルの発動も良いのですよ」
「スキルの発動とは何ぞや?」
と、アメちゃん。
「彼らには食材アイテムを生成するスキルがあるのです。成獣となった彼らには生殖能力は無くなってしまいましたが、その代わりに毎日ミルクの生成や、生肉の生成を行ってくれるのです。鶏は卵も生成してくれますよ」
「ふむ、食材をアイテム化して生成とは……めちゃくちゃ便利なスキルではないか……」
「そのスキルで牛たちが生成した生乳を使ったソフトクリームを販売しておりますよ、良かったらいかがですか?」
「ソフトクリーム! 食べたい!」
私は即答をして、牧場の売店で販売しているソフトクリームを人数分購入。一口食べると濃厚なミルクの香りが口いっぱいに広がり、毎日職人活動帰りに寄っていくのもアリだななんて考えていた。
農園と牧場を立て続けに訪れた私たちはなんだかお腹が空いてきてしまったので、ウルユ食堂を訪れた。
この食堂は私たちがまだ少ない人数で共同でご飯を食べていた時に使っていた施設をそのまま残してある。今はヴォルティス地下都市の元宮廷料理長だったマイロスさんというゴブリンが引き継いで経営をしてくれている。
私たちがこの食堂で一緒に作って食べていた和食やパスタ、ピザ等、マイロスさんは一度試食をしただけで忠実に再現してくれている。さすが宮廷料理長。
他に食堂を訪れていた島民らと楽しくおしゃべりをしながら昼食を終えると、八百屋や肉屋、魚屋を訪れて晩の食料を調達した。
八百屋はラゴ農園から仕入れた野菜や果物を、肉屋はウルユ牧場から仕入れた豚肉や牛肉、鶏肉やミルクなんかを売っている。
そして魚屋は自分でウルユ島で釣った魚はもちろんのこと、島民が釣ってきた魚も買い取って売ってくれるし、漁業ギルドというところに所属をして他の国から仕入れた魚も売ってくれていた。
⸺⸺
なんだかバタバタ開拓続きで忙しい毎日だったけど、今日からはのんびり職人活動でもしながらのスローライフが待っている。
忙しいのもそれはそれで楽しかったけど、今日からのこの生活のために今まで頑張って来たのかなと思うと、感慨深い。
明日からは何をしようかな?
そんなことを考えていると、私の魔導石板に魔王ロキから一通の連絡が入った。
⸺⸺⸺⸺
『勇者マコトがレベル上げを終えて、ラストダンジョンを制覇した。3日後の昼過ぎ、遂にマコトが魔王城を攻略する。良ければ見守っていてほしい ロキ』
⸺⸺⸺⸺
はっ、遂にこの時が……! 私は街の中央の噴水広場にある掲示板でこのことを島中に伝えた。
約束の3日後の昼過ぎ。ウルユ島民は全員仕事をお休みして噴水広場へと集合した。なぜかネプおじさんやゼウスじいら神様たちも集合している。
噴水広場中に敷き詰められたブルーシートに腰掛け、ポップコーンを食べてマンゴージュースを飲みながらモニターを見上げる。
すると、モニターが動き出し、勇者マコト一行が魔王城の扉を押し開くところから映像が開始された。
⸺⸺ウルユ城下町⸺⸺
ウルユ城を出発してまず目に飛び込んできたのは武器屋と防具屋。さっき見学してきた武器職人と防具職人たちから仕入れているお店だ。
そのため品揃えは木製の物ばかりであったが、ルキちゃんはここで“木の剣“と“木の盾“、更に“革の胸当て“を購入していた。
「ルキちゃん……勇者にでもなるの?」
ルキちゃんは勇者の光のスキルを持っているためそう尋ねると、彼は首を横に振った。
「僕は冒険者になりたいのですにゃ」
「そうだったんだ!」
「ほほう、冒険者ギルドに所属をして、ダンジョン攻略や依頼をこなして行きたいのじゃな?」
と、アメちゃん。
「はいですにゃ。リベルト共和国の首都に冒険者ギルドの本部があるので、そこでウルとパーティを組んで冒険者になりますにゃ♪」
「うん、オイラも素材集めのついでにルキちゃんと冒険者になるんだ♪」
「良いじゃん! ルキちゃんもウルもずっとこの島のために頑張ってくれていたし、やりたいことが見つかって良かったよ! そっか、だからルキちゃんは二足歩行で歩いて人みたいに生活をする練習をしていたんだね」
「ユノ、ありがとうですにゃ。はいですにゃ。頑張りますにゃ!」
次に見えたのは道具屋。ここでは回復薬等の回復系のアイテムや生活雑貨など、幅広い商品を扱っている。私もこの島の職人さんたちがカバーしきれない生活用品を取引させてもらっている。
ルキちゃんはここで魔導圧縮の機能のついたリュックと、回復系のアイテムを購入していた。
その隣の装飾屋では、私とアメちゃんがお揃いのブレスレットを購入。ウルユ島が街として活動を始めた記念だ。
家具屋には今のところ用事はなかったけれど、猫たちが猫用のイスを選んでいる光景に癒された。
⸺⸺
南へと進んでいくと、ラゴ農園とウルユ牧場の入り口が見えてくる。ひとまずラゴ農園へと入っていった。
⸺⸺ラゴ農園⸺⸺
「皆さん、来てくれると思っていましたよ♪」
そう言って出迎えてくれたのはラフちゃん。奥を見渡すと広大な農園の手前でたくさんの猫たちに指導をしているゴブ君の姿もあった。
「ラフちゃん! 従業員増えたみたいで良かったね♪」
私がそう言うと、ラフちゃんは頭の大きなお花をゆさゆさとゆすりながら飛んで喜んでいた。
「そうなんです、猫ちゃんたちもみんな一生懸命だし、ましゅたんにウサギさんの後輩もできたのですよ」
「えっ、ウサギさんも働いているんだ!?」
「はい、お手手で器用にキノコの収穫をサポートしてくれていますし、アルパカさんも向こうの方で荷物を運んでくれています」
「あっ、本当だ、すご……」
もふもふ農園だ……。
ラフちゃんとゴブ君とましゅたんは現在この農園内に建てた一軒家に住んでいる。家の庭に綺麗に干されているシーツを見ると、ラフちゃんがガタガタの字で“ぴーまん“と書いていた頃を思い出して、その成長に独りうるっと来ていた。
⸺⸺ウルユ牧場⸺⸺
ラフちゃんに別れを告げてUターンをし、分かれ道を今度はウルユ牧場の方へと進む。ラゴ農園と同じようにのどかな空気の流れた平和な牧場が広がっていた。
「皆様いらっしゃいませ!」
この牧場の主であるゴブリンのジェシカがお出迎えに来てくれた。
「ジェシカ、牧場完成おめでとう。今日は天気も良いし、牛さんも羊さんもとっても気持ち良さそう」
「ええ、本当に。彼らもこの牧場の立派な従業員なので、こうしてストレスなく穏やかに過ごせてもらえるとスキルの発動も良いのですよ」
「スキルの発動とは何ぞや?」
と、アメちゃん。
「彼らには食材アイテムを生成するスキルがあるのです。成獣となった彼らには生殖能力は無くなってしまいましたが、その代わりに毎日ミルクの生成や、生肉の生成を行ってくれるのです。鶏は卵も生成してくれますよ」
「ふむ、食材をアイテム化して生成とは……めちゃくちゃ便利なスキルではないか……」
「そのスキルで牛たちが生成した生乳を使ったソフトクリームを販売しておりますよ、良かったらいかがですか?」
「ソフトクリーム! 食べたい!」
私は即答をして、牧場の売店で販売しているソフトクリームを人数分購入。一口食べると濃厚なミルクの香りが口いっぱいに広がり、毎日職人活動帰りに寄っていくのもアリだななんて考えていた。
農園と牧場を立て続けに訪れた私たちはなんだかお腹が空いてきてしまったので、ウルユ食堂を訪れた。
この食堂は私たちがまだ少ない人数で共同でご飯を食べていた時に使っていた施設をそのまま残してある。今はヴォルティス地下都市の元宮廷料理長だったマイロスさんというゴブリンが引き継いで経営をしてくれている。
私たちがこの食堂で一緒に作って食べていた和食やパスタ、ピザ等、マイロスさんは一度試食をしただけで忠実に再現してくれている。さすが宮廷料理長。
他に食堂を訪れていた島民らと楽しくおしゃべりをしながら昼食を終えると、八百屋や肉屋、魚屋を訪れて晩の食料を調達した。
八百屋はラゴ農園から仕入れた野菜や果物を、肉屋はウルユ牧場から仕入れた豚肉や牛肉、鶏肉やミルクなんかを売っている。
そして魚屋は自分でウルユ島で釣った魚はもちろんのこと、島民が釣ってきた魚も買い取って売ってくれるし、漁業ギルドというところに所属をして他の国から仕入れた魚も売ってくれていた。
⸺⸺
なんだかバタバタ開拓続きで忙しい毎日だったけど、今日からはのんびり職人活動でもしながらのスローライフが待っている。
忙しいのもそれはそれで楽しかったけど、今日からのこの生活のために今まで頑張って来たのかなと思うと、感慨深い。
明日からは何をしようかな?
そんなことを考えていると、私の魔導石板に魔王ロキから一通の連絡が入った。
⸺⸺⸺⸺
『勇者マコトがレベル上げを終えて、ラストダンジョンを制覇した。3日後の昼過ぎ、遂にマコトが魔王城を攻略する。良ければ見守っていてほしい ロキ』
⸺⸺⸺⸺
はっ、遂にこの時が……! 私は街の中央の噴水広場にある掲示板でこのことを島中に伝えた。
約束の3日後の昼過ぎ。ウルユ島民は全員仕事をお休みして噴水広場へと集合した。なぜかネプおじさんやゼウスじいら神様たちも集合している。
噴水広場中に敷き詰められたブルーシートに腰掛け、ポップコーンを食べてマンゴージュースを飲みながらモニターを見上げる。
すると、モニターが動き出し、勇者マコト一行が魔王城の扉を押し開くところから映像が開始された。
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