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第一章 私たちだけの島
6話 港町マルシャン
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真っ白な視界が晴れると、洋画やRPGの中で見たことのある賑やかな港の風景が広がっていた。足場は木の板が敷き詰められており、いくつもの桟橋に大きな帆船がたくさん停まっていた。
行き交う人々は一見普通の人間のように見えても頭から鬼の角が生えていたり、犬耳が生えていたりと、どこか見た目が違う人もたくさんいた。
「わっ、わっ……なんかゲームの中に来ちゃったみたい。これが異世界なんだ……!」
どんなテーマパークを訪れた時よりもわくわくしている自分がいた。
『ペットを連れている人もちらほらいますにゃ。これなら僕たちも怪しまれずに自由に動けそうですにゃ』
『うん、小さくなっておいて良かった~』
ペットと言うか、スライムやらゴブリンやらと楽しそうに歩いている人も見かける。みんな、邪気って言うのから解放された魔物なのかな? モンスターテイマー的な、そんな事が出来る人がいるって事か。
ってか、私たち多分急にここに現れたんだと思うけど、気にしている人は誰もいなさそう。転送魔法陣っていうのがあるんだから、そう言う魔法もあるってことかな。注目を浴びるよりはずっと良いからありがたい。
「おっと、嬢ちゃん、そんなところで突っ立ってると積荷でふっ飛ばしちまうから、用が無いなら町の方に行ってな」
大きな木箱を抱えたおじさんが木箱から顔を覗かせて一言そう言って去っていった。
「あっ、ごめんなさい!」
ペコリとお辞儀をして、2匹を連れて港の階段を駆け上がる。
階段から港を眺めてみると、さっきのおじさんのように大きな荷物を運んでいる人がたくさんいて、あの帆船は全部“商船”なのかなと思った。
「あっ、そう言えば……さっきのおじさん、態度普通だったよね……?」
『そうですにゃ。それが何か……?』
と、ルキちゃんが返事をする。
「ほ、ほら……男にモテる加護……」
私はちょっと恥ずかしくなりモジモジしながらそう言う。すると、ルキちゃんは『あっ、そうでしたにゃ!』と声を上げた。
『と言うことは……“男にモテる加護”はユノにも僕にも付いていないと言うことですにゃ!』
「つまり……野崎さんが男にモテモテに……」
男に迫られる野崎さんを想像して、思わずぷっと吹き出して笑ってしまった。
『野崎さん、ドンマイですにゃ……』
「ちょっと整理しよう」
私はそう言って近くにあるベンチへと腰掛けた。ルキちゃんとウルも隣に飛び乗ってくる。
「私が“5歳”と“クラフト”と“ファストトラベル”でしょ。それで、ルキちゃんが“勇者の光”。野崎さんが“男にモテる加護”……あと残ったのは……“全部の魔法が使えるスキル”か」
クラフトとファストトラベルという単語を発したけど、パネルを開きたいって思わなかったからパネルは出現しなかった。思い通りに動いてくれるスキル……優秀だ。
『魔法……僕は確かに自分の中に魔力を感じるけど、魔法はどうやって使ったらいいか分からないですにゃ』
「そっか、私もだよ。ルキちゃんは勇者の光はすぐに使いこなしていたよね。だったら、魔法が使えたら他のスキルみたいになんとなく感覚で使えそう。と言うことは、魔法のスキルは野崎さんだ」
『野崎さん、勇者の光がなくてどうしていくのかと心配だったけど、なんでも魔法が使えるならきっと大丈夫そうですにゃ♪』
「そうだよね。男にモテちゃうのはちょっとドンマイだけど、心配しなくて良さそうだね。だったら、私たちは私たちのしたいこと、しよう♪ ウル、ごめんね退屈だったよね。町の散策しよっか」
『お散歩! オイラ、早くお散歩行きたいよ♪』
はっ、はっ……と興奮するウル。
「よし、知らない町のお散歩に出発だー♪」
『『おーっ!』』
⸺⸺
港から町に入ると、石畳の道が続いており真っ白な漆喰の家やレンガの建物なんかが立ち並んでおり、ヨーロッパとかゲームの街並みそのものだった。
「歩いているだけで楽しーね♪」
「にゃー♪」
「がう♪」
気付けば満面の笑みで歩いている。女神マリーティア様、召喚範囲を間違えて2階まで巻き込んでくれてありがとう。女神アルテミシア様、こんな素敵な町の転送魔法陣を設置しておいてくれてありがとう。
ハプニングだらけの召喚騒動だったけど、全部が私にとって結果オーライだ。
ニコニコで町を散策していると、ワゴンで野菜を販売しているおじさんの声が耳に留まった。
「人参3本で120C! 安いよ、お買い得だよ~!」
クレド……? 人参の値札を見ると、“120C”と表記されていた。そっか、“C”って言うのがお金の単位なんだ。
お金……私は1Cも持っていない。どこか気軽にお仕事が出来る場所があればいいなぁ。
そんな事を考えながら散策していると、町の出入り口へと到達し、大きな立て看板を発見した。
看板の一番上には『リベルト共和国、港町マルシャン』と書かれており、町全体の地図が描かれていた。
ポーッと地図に見惚れていると、看板のすぐ横に魔法陣が出現し、ローブを着た女の人が現れ、何食わぬ顔で町の奥へと去っていく。今、あの人転送魔法か何かを使ったんだ。
なら、私もこの地図の前をファストトラベルの地点にしたいな……。
「ファストトラベル!」
シュンッとファストトラベルのパネルを開くと、トラベルリストに『グランディア大陸』が追加されており、それをタップするとその下に『リベルト共和国』『港町マルシャン』『港』と表示された。
「今いるここもリストに追加」
そうパネルに指示を出すと、『港』の下に『正門前』と追加された。はい、便利~♪
「よし、今はこの東側の“正門”の所にいるんだよね。えっと、港が南にあって……そっからここまで歩いてきたから、北西の方にはまだ行っていないんだ」
そうブツブツ言いながら地図の北西の方へ目をやると、『商人ギルド本部』と書かれた建物を発見した。
「商人ギルド本部!? ここ、次はここに行ってみよう♪」
『はいですにゃ♪』
「がう、がう♪」
もしかしたらクレドを稼ぐ手段があるかもしれない。そう期待を込めて、ルンルンで商人ギルド本部へと向かった。
行き交う人々は一見普通の人間のように見えても頭から鬼の角が生えていたり、犬耳が生えていたりと、どこか見た目が違う人もたくさんいた。
「わっ、わっ……なんかゲームの中に来ちゃったみたい。これが異世界なんだ……!」
どんなテーマパークを訪れた時よりもわくわくしている自分がいた。
『ペットを連れている人もちらほらいますにゃ。これなら僕たちも怪しまれずに自由に動けそうですにゃ』
『うん、小さくなっておいて良かった~』
ペットと言うか、スライムやらゴブリンやらと楽しそうに歩いている人も見かける。みんな、邪気って言うのから解放された魔物なのかな? モンスターテイマー的な、そんな事が出来る人がいるって事か。
ってか、私たち多分急にここに現れたんだと思うけど、気にしている人は誰もいなさそう。転送魔法陣っていうのがあるんだから、そう言う魔法もあるってことかな。注目を浴びるよりはずっと良いからありがたい。
「おっと、嬢ちゃん、そんなところで突っ立ってると積荷でふっ飛ばしちまうから、用が無いなら町の方に行ってな」
大きな木箱を抱えたおじさんが木箱から顔を覗かせて一言そう言って去っていった。
「あっ、ごめんなさい!」
ペコリとお辞儀をして、2匹を連れて港の階段を駆け上がる。
階段から港を眺めてみると、さっきのおじさんのように大きな荷物を運んでいる人がたくさんいて、あの帆船は全部“商船”なのかなと思った。
「あっ、そう言えば……さっきのおじさん、態度普通だったよね……?」
『そうですにゃ。それが何か……?』
と、ルキちゃんが返事をする。
「ほ、ほら……男にモテる加護……」
私はちょっと恥ずかしくなりモジモジしながらそう言う。すると、ルキちゃんは『あっ、そうでしたにゃ!』と声を上げた。
『と言うことは……“男にモテる加護”はユノにも僕にも付いていないと言うことですにゃ!』
「つまり……野崎さんが男にモテモテに……」
男に迫られる野崎さんを想像して、思わずぷっと吹き出して笑ってしまった。
『野崎さん、ドンマイですにゃ……』
「ちょっと整理しよう」
私はそう言って近くにあるベンチへと腰掛けた。ルキちゃんとウルも隣に飛び乗ってくる。
「私が“5歳”と“クラフト”と“ファストトラベル”でしょ。それで、ルキちゃんが“勇者の光”。野崎さんが“男にモテる加護”……あと残ったのは……“全部の魔法が使えるスキル”か」
クラフトとファストトラベルという単語を発したけど、パネルを開きたいって思わなかったからパネルは出現しなかった。思い通りに動いてくれるスキル……優秀だ。
『魔法……僕は確かに自分の中に魔力を感じるけど、魔法はどうやって使ったらいいか分からないですにゃ』
「そっか、私もだよ。ルキちゃんは勇者の光はすぐに使いこなしていたよね。だったら、魔法が使えたら他のスキルみたいになんとなく感覚で使えそう。と言うことは、魔法のスキルは野崎さんだ」
『野崎さん、勇者の光がなくてどうしていくのかと心配だったけど、なんでも魔法が使えるならきっと大丈夫そうですにゃ♪』
「そうだよね。男にモテちゃうのはちょっとドンマイだけど、心配しなくて良さそうだね。だったら、私たちは私たちのしたいこと、しよう♪ ウル、ごめんね退屈だったよね。町の散策しよっか」
『お散歩! オイラ、早くお散歩行きたいよ♪』
はっ、はっ……と興奮するウル。
「よし、知らない町のお散歩に出発だー♪」
『『おーっ!』』
⸺⸺
港から町に入ると、石畳の道が続いており真っ白な漆喰の家やレンガの建物なんかが立ち並んでおり、ヨーロッパとかゲームの街並みそのものだった。
「歩いているだけで楽しーね♪」
「にゃー♪」
「がう♪」
気付けば満面の笑みで歩いている。女神マリーティア様、召喚範囲を間違えて2階まで巻き込んでくれてありがとう。女神アルテミシア様、こんな素敵な町の転送魔法陣を設置しておいてくれてありがとう。
ハプニングだらけの召喚騒動だったけど、全部が私にとって結果オーライだ。
ニコニコで町を散策していると、ワゴンで野菜を販売しているおじさんの声が耳に留まった。
「人参3本で120C! 安いよ、お買い得だよ~!」
クレド……? 人参の値札を見ると、“120C”と表記されていた。そっか、“C”って言うのがお金の単位なんだ。
お金……私は1Cも持っていない。どこか気軽にお仕事が出来る場所があればいいなぁ。
そんな事を考えながら散策していると、町の出入り口へと到達し、大きな立て看板を発見した。
看板の一番上には『リベルト共和国、港町マルシャン』と書かれており、町全体の地図が描かれていた。
ポーッと地図に見惚れていると、看板のすぐ横に魔法陣が出現し、ローブを着た女の人が現れ、何食わぬ顔で町の奥へと去っていく。今、あの人転送魔法か何かを使ったんだ。
なら、私もこの地図の前をファストトラベルの地点にしたいな……。
「ファストトラベル!」
シュンッとファストトラベルのパネルを開くと、トラベルリストに『グランディア大陸』が追加されており、それをタップするとその下に『リベルト共和国』『港町マルシャン』『港』と表示された。
「今いるここもリストに追加」
そうパネルに指示を出すと、『港』の下に『正門前』と追加された。はい、便利~♪
「よし、今はこの東側の“正門”の所にいるんだよね。えっと、港が南にあって……そっからここまで歩いてきたから、北西の方にはまだ行っていないんだ」
そうブツブツ言いながら地図の北西の方へ目をやると、『商人ギルド本部』と書かれた建物を発見した。
「商人ギルド本部!? ここ、次はここに行ってみよう♪」
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