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第三章 和の食材と常夏の島
53話 出来ない事だってある
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商人ギルドから来ていた個別依頼の納品を終えてウルユ島の拠点へ帰宅。
ふと、自分のギルド会員証を確認すると、次のランクまでの経験値が150/300となっていた。
Dランクに上がってから1ヶ月くらい経っただろうか。Dランクからが所謂“一人前職人”らしく、一人前になってからは次のランクまでの経験値が跳ね上がり、なかなか上がらなくなった。
ディーナさん曰く、商人ギルドに登録している職人さんの内7割の人がD、Cランクらしい。
普通は受注して30分で納品なんて出来ないらしく、1ヶ月で半分の経験値まで来たのはこれでも破格の早さなんだって。のんびりやっているつもりだったけど、これならもっとのんびりしても良いくらいかも。
「ふぅ、カフェラテでも飲むか」
のんびりお湯を沸かしてカフェラテの準備。コーヒーの豆って、木になるんだっけ。
そう言えばラフちゃんって木は育ててないよな。メタの木もわざわざ育てなくてもすぐににょきにょき生えてくるし……。
りんごの木とか桃の木とか、育ててみたりしないのかな?
そんな事を考えていると、ラフちゃんとゴブくんがラカノンから帰宅した。
『ただいま戻りました~』
『ただいまだべよ~』
「お帰り! 納品お疲れ様! 今コーヒー淹れるところだけど、2人も飲む?」
『いただきます!』
『ワイも飲むべよ』
「ほいほい」
マグカップを2つ追加で並べて、沸騰したお湯を少しずつドリップしていく。
『ママ~♪』
その辺にいたましゅたんがそう言ってラフちゃんのもとへコロコロ転がり、ラフちゃんをむぎゅーっと抱き締めた。今日のおしゃぶりは橙色だ。
『ましゅたん、お利口さんにしていましたか? 倉庫の木は舐めてはいませんか?』
『ましゅたん、おしゃぶりちゅっちゅ、ダメって言われたやつは、ちゅっちゅしてないもんね♪』
『まぁ、お利口さんですね♪ ヨシヨーシ、良い子、良い子♪』
ラフちゃんはニッコリと微笑みながらましゅたんの頭を撫で撫でした。
『ましゅたん、良い子、良い子、だもんね~♪』
ましゅたんは嬉しそうだ。もうラフちゃんは立派なママ。見ているだけで思わず顔がふにゃってなってしまう、微笑ましい光景だ。
⸺⸺
3人分のコーヒーを用意して、3人でカフェテーブルでコーヒーブレイク。テーブルの中央では長老が気持ち良さそうに昼寝をしている。
ましゅたんは哺乳瓶のミルクをちゅっちゅと飲んでいた。なんとそのミルクには乾燥させて粉末状にした椎茸が入っているらしい。シイタケラテ……飲んでみる勇気は……ちょっとない。
『そうだ、ユノ、見てください。ウチらもDランクになったんですよ~♪』
ラフちゃんとゴブくんは農業ギルドの会員証を嬉しそうにテーブルに並べた。
「おぉ、本当だ! やったね、おめでとう♪」
『ハイ♪』
『ありがとだべさ~』
「農業ギルドもDランクになると、個別依頼とかあるの?」
『ハイ、あります。早速色んな町のお店からの依頼が届いているんです。白菜とか長ネギ、ほうれん草が多いですね。お米と大豆もギルドが試しに買い取ってくれたので、今後ウズメ発の食材も依頼が来るかもしれないですね~』
「わぁ、すごい、絶好調だね♪」
『畑ももっと拡張しないとだべな~』
「そう言えばさ、果物の木とかは育てないの? ギルドの納品額が低いとか、なんか事情ある?」
私がそう尋ねると、ラフちゃんはシュンとうつむいた。
『実は……りんごの木のチャレンジをしているのですが、ある程度伸びると成長が止まってしまうのです。ウチはどんな植物でも育てられるのかと思いましたが、どうやら木は実をつける程には成長しないと言うことが判明したのです……』
「あっ、そうだったんだ……。変なこと聞いてごめん、それでもラフちゃんは十分すごいよ! ラフちゃんのおかげで毎日みんなお腹いっぱいになれるんだもん。気を落とさないでね、スキルだって、出来ないことくらいあるよ」
必死に励ます私。私の馬鹿、馬鹿。ラフちゃん、気にしてることだったよ……。
『ユノ、ありがとうございます。そうですよね、果物は、欲しくなったらマルシャンかラカノンで買いましょう』
「うんうん♪」
良かった、なんとか開き直ってくれた。
⸺⸺その日以来、みんなが寝静まった夜中にある住人が中途半端に育ったりんごの木に何かをしているのを、長老だけが見ていた。
⸺⸺それから数日後の朝。
『ユノ、大変ですにゃ、起きてくださいにゃ』
『ユノ、ユノ! すごいんだよ、起きてよ!』
「うーん……」
ルキちゃんとウルに顔をベロベロに舐め回されて、べちょべちょな目覚めを迎える私。
「どうしたの? 何かあった?」
『外に出てほしいですにゃ!』
「外? うん、ちょうどおトイレ行きたいし、行くよ」
「ほっほー♪」
長老も私の頭に乗ったところで、みんなでウッドデッキから外に出る。ちなみに玄関から出入りをすることはほぼない。もはやウッドデッキが正式な玄関と言っても過言ではない。
外に出ておトイレを済ませた私は、頭の上に戻ってきた長老に畑の方を見るよう促される。
その光景に、私は「えっ!?」と驚きの声を上げた。
ふと、自分のギルド会員証を確認すると、次のランクまでの経験値が150/300となっていた。
Dランクに上がってから1ヶ月くらい経っただろうか。Dランクからが所謂“一人前職人”らしく、一人前になってからは次のランクまでの経験値が跳ね上がり、なかなか上がらなくなった。
ディーナさん曰く、商人ギルドに登録している職人さんの内7割の人がD、Cランクらしい。
普通は受注して30分で納品なんて出来ないらしく、1ヶ月で半分の経験値まで来たのはこれでも破格の早さなんだって。のんびりやっているつもりだったけど、これならもっとのんびりしても良いくらいかも。
「ふぅ、カフェラテでも飲むか」
のんびりお湯を沸かしてカフェラテの準備。コーヒーの豆って、木になるんだっけ。
そう言えばラフちゃんって木は育ててないよな。メタの木もわざわざ育てなくてもすぐににょきにょき生えてくるし……。
りんごの木とか桃の木とか、育ててみたりしないのかな?
そんな事を考えていると、ラフちゃんとゴブくんがラカノンから帰宅した。
『ただいま戻りました~』
『ただいまだべよ~』
「お帰り! 納品お疲れ様! 今コーヒー淹れるところだけど、2人も飲む?」
『いただきます!』
『ワイも飲むべよ』
「ほいほい」
マグカップを2つ追加で並べて、沸騰したお湯を少しずつドリップしていく。
『ママ~♪』
その辺にいたましゅたんがそう言ってラフちゃんのもとへコロコロ転がり、ラフちゃんをむぎゅーっと抱き締めた。今日のおしゃぶりは橙色だ。
『ましゅたん、お利口さんにしていましたか? 倉庫の木は舐めてはいませんか?』
『ましゅたん、おしゃぶりちゅっちゅ、ダメって言われたやつは、ちゅっちゅしてないもんね♪』
『まぁ、お利口さんですね♪ ヨシヨーシ、良い子、良い子♪』
ラフちゃんはニッコリと微笑みながらましゅたんの頭を撫で撫でした。
『ましゅたん、良い子、良い子、だもんね~♪』
ましゅたんは嬉しそうだ。もうラフちゃんは立派なママ。見ているだけで思わず顔がふにゃってなってしまう、微笑ましい光景だ。
⸺⸺
3人分のコーヒーを用意して、3人でカフェテーブルでコーヒーブレイク。テーブルの中央では長老が気持ち良さそうに昼寝をしている。
ましゅたんは哺乳瓶のミルクをちゅっちゅと飲んでいた。なんとそのミルクには乾燥させて粉末状にした椎茸が入っているらしい。シイタケラテ……飲んでみる勇気は……ちょっとない。
『そうだ、ユノ、見てください。ウチらもDランクになったんですよ~♪』
ラフちゃんとゴブくんは農業ギルドの会員証を嬉しそうにテーブルに並べた。
「おぉ、本当だ! やったね、おめでとう♪」
『ハイ♪』
『ありがとだべさ~』
「農業ギルドもDランクになると、個別依頼とかあるの?」
『ハイ、あります。早速色んな町のお店からの依頼が届いているんです。白菜とか長ネギ、ほうれん草が多いですね。お米と大豆もギルドが試しに買い取ってくれたので、今後ウズメ発の食材も依頼が来るかもしれないですね~』
「わぁ、すごい、絶好調だね♪」
『畑ももっと拡張しないとだべな~』
「そう言えばさ、果物の木とかは育てないの? ギルドの納品額が低いとか、なんか事情ある?」
私がそう尋ねると、ラフちゃんはシュンとうつむいた。
『実は……りんごの木のチャレンジをしているのですが、ある程度伸びると成長が止まってしまうのです。ウチはどんな植物でも育てられるのかと思いましたが、どうやら木は実をつける程には成長しないと言うことが判明したのです……』
「あっ、そうだったんだ……。変なこと聞いてごめん、それでもラフちゃんは十分すごいよ! ラフちゃんのおかげで毎日みんなお腹いっぱいになれるんだもん。気を落とさないでね、スキルだって、出来ないことくらいあるよ」
必死に励ます私。私の馬鹿、馬鹿。ラフちゃん、気にしてることだったよ……。
『ユノ、ありがとうございます。そうですよね、果物は、欲しくなったらマルシャンかラカノンで買いましょう』
「うんうん♪」
良かった、なんとか開き直ってくれた。
⸺⸺その日以来、みんなが寝静まった夜中にある住人が中途半端に育ったりんごの木に何かをしているのを、長老だけが見ていた。
⸺⸺それから数日後の朝。
『ユノ、大変ですにゃ、起きてくださいにゃ』
『ユノ、ユノ! すごいんだよ、起きてよ!』
「うーん……」
ルキちゃんとウルに顔をベロベロに舐め回されて、べちょべちょな目覚めを迎える私。
「どうしたの? 何かあった?」
『外に出てほしいですにゃ!』
「外? うん、ちょうどおトイレ行きたいし、行くよ」
「ほっほー♪」
長老も私の頭に乗ったところで、みんなでウッドデッキから外に出る。ちなみに玄関から出入りをすることはほぼない。もはやウッドデッキが正式な玄関と言っても過言ではない。
外に出ておトイレを済ませた私は、頭の上に戻ってきた長老に畑の方を見るよう促される。
その光景に、私は「えっ!?」と驚きの声を上げた。
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