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「そんなの、どう考えても俺は、フェアじゃないと思うね」
「わかったわ、わかったわよ」
いやいやながら、ラズが言った。
「それじゃ、明日一日、無償で働くから、早くそのいい考えとやらを、教えてよ」
リドはにやりと笑うと、
「まいどあり」と言った。
リドの計画は、こうだった。それは、いずれこちらの船へ気づいてやってくるかもしれない海賊たちに備えて、ラズたち三人と一匹が、この船に乗っていることがバレないように、海賊団の一味にまぎれて、目をくらます、という計画だった。
ラズとロアルドおじいさんは、リドのそのアイデアに、はじめ納得がいかないようだったが、しぶしぶ賛成をした。
そのために、ラズとリド、ロアルドおじいさんは、早速、地下へと行った。そして、それぞれの部屋で、リドが以前、知り合いからもらったという、海賊が着るような、ジュストコール、ウェストコート、トリコーン、ブーツ、などの中から、自分に似合うと思うものだけを、リドからもらって身につけ、海賊のようになりすました。
「どう? ネルーピー。私、いけてる?」
自分の寝室にいるラズが、鏡の前で、かっこよくポーズを決めながら、ラズの肩の上で、退屈そうに座っているネルーピーに向かって、そう尋ねた。
ラズの格好は、ふりふりのついた白いブラウスに、赤いリボンのついたコルセットと、同じく赤い飾り帯、そして、ひらひらの黒いスカートと言った、まさに女海賊そのものと言える、力強さもあり、可愛らしくもある、とても魅力的なものだった。
ネルーピーは、そんなラズの格好を見て、顔をしかめると、
「うーん、そうだな。ちょっと、オイラのタイプじゃないかもな」と言った。
「ネルーピー、私は別に、あなたのタイプなんて聞いてないのよ」
急に不機嫌になって、ラズが言った。
「似合っているかどうかを聞いているの」
「まあ、似合ってるんじゃない?」
頬杖をついたネルーピーが、どうでもよさそうに言った。
「わかったわ、わかったわよ」
いやいやながら、ラズが言った。
「それじゃ、明日一日、無償で働くから、早くそのいい考えとやらを、教えてよ」
リドはにやりと笑うと、
「まいどあり」と言った。
リドの計画は、こうだった。それは、いずれこちらの船へ気づいてやってくるかもしれない海賊たちに備えて、ラズたち三人と一匹が、この船に乗っていることがバレないように、海賊団の一味にまぎれて、目をくらます、という計画だった。
ラズとロアルドおじいさんは、リドのそのアイデアに、はじめ納得がいかないようだったが、しぶしぶ賛成をした。
そのために、ラズとリド、ロアルドおじいさんは、早速、地下へと行った。そして、それぞれの部屋で、リドが以前、知り合いからもらったという、海賊が着るような、ジュストコール、ウェストコート、トリコーン、ブーツ、などの中から、自分に似合うと思うものだけを、リドからもらって身につけ、海賊のようになりすました。
「どう? ネルーピー。私、いけてる?」
自分の寝室にいるラズが、鏡の前で、かっこよくポーズを決めながら、ラズの肩の上で、退屈そうに座っているネルーピーに向かって、そう尋ねた。
ラズの格好は、ふりふりのついた白いブラウスに、赤いリボンのついたコルセットと、同じく赤い飾り帯、そして、ひらひらの黒いスカートと言った、まさに女海賊そのものと言える、力強さもあり、可愛らしくもある、とても魅力的なものだった。
ネルーピーは、そんなラズの格好を見て、顔をしかめると、
「うーん、そうだな。ちょっと、オイラのタイプじゃないかもな」と言った。
「ネルーピー、私は別に、あなたのタイプなんて聞いてないのよ」
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「似合っているかどうかを聞いているの」
「まあ、似合ってるんじゃない?」
頬杖をついたネルーピーが、どうでもよさそうに言った。
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