男装令嬢とわがまま王子

里中一叶

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選択授業

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授業を選び登録して、今日から授業が始まる。
1日6コマあり、選択授業がなければ空き時間になるので図書館で勉強したりカフェテリアでおしゃべりするらしい。
私は詰め込めるだけ詰め込んだので1コマ目から 、歴史教室に向かう。選択授業にはランクがあり同じ名前の授業に1から6までの数字が付いていて1の次は2と上がっていくので、学年は関係なく同じレベルで勉強ができるというわけだ。
教室に入ると後ろ寄りに見知った背中をみつけた。
「レイ。あなたもこの授業を受けるの?」
「ミリーか。お前こそなんでいるんだよ。俺はいままでこの時間選択で他を取っていたから、今年は歴史にしたんだ。」
「私は歴史を学ぶ必要があるので。」
「じゃあ俺の目に入らない場所にいろ。」
「言われなくてもそうします。」
私は一番後ろの席に座り、授業を受けることになった。
次は、医療補助。やはりレイモンドがいる。
3年間何やってたんだ、この人。1年が取れる授業にいるなんて。とりあえず何か言われる前に一番後ろの席に座った。
結局、今日私が取った授業のうちレイモンドがいないのは、刺繍という女子ばかりの授業だけだった。
6コマまで終わるとだいぶ外は暗くなっていた。
寮生たちが校舎の東側へ向かうのと反対に門のある西側へ歩き出す。入学式の時より地味な男物の服を着ているので少年感が増しているし、師匠のおかげでそのへんのゴロツキ相手なら勝てるくらいなので心配もない。ここからジャルフ伯爵邸は歩いても10分ほどなのでのんびり歩いているといつのまにかレイモンドがいた。私がレイモンドにかなわないのは、この気配を消せるせい。いつも気がつくと後ろを取られてしまう。
「あのさ。そんな格好してても一応おまえは女の子なんだぞ。護衛を付けるか。馬車にしろよ。今日は俺が送ってやるから、代わりにリリーを貸せ。」
頼んでもいないのに一緒に家まで来て、食事に文句をつけながら食べると、婚約者として用意された部屋に侍女のリリーを連れて行き二、三時間くらいこもって出てこない。側からみたら、婚約者を隠れ蓑にして侍女を寵愛しているようにしか見えないわよ。リリーはレイモンドより2つ歳上だけどスタイルいいし美人だし。影のみんなはリリーに任せているから、レイモンドに何か言うつもりはないらしいけど。
お父様は、なぜか私が努力していることは認めてくれているがレイモンドとの婚約解消はだめの一点張り。それでも18歳までに私が他に結婚したい人が見つけられたら考えてはくれると言っている。
レイモンドは、相変わらず王宮や
学園では真面目な王子で通っているらしいが、うちに来るとわがままになるので、ホント面倒だ。
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