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ラルフ様
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レイモンドが居なくなって、3年が経ち、私は4年生になった。
大半の女子が結婚や花嫁修行を理由に中途退学し同学年には数人の女性官吏を目指す女子学生と男子しかいなくなったが、元々男子ばかりの授業を多く取っていたためあまりかわり映えはしない毎日をすごしている。
たまにゲーナットにいる影から大使館の情報としてレイモンドの様子も聞かされるが大使として頑張っているようだ。最近、ゲーナットの王女がレイモンドのところに出入りしていると聞いたときは、少し心がチクッと痛んだが、なんとか平静を装えたと思う。
4年になって変わったことは、エレナの兄、生徒会長でルード侯爵子息ラルフ様に誘われて生徒会役員になったことだろう。
ラルフ様は、成績も良く人望もあり将来は国の要職に就くだろうと言われている。しかもイケメンなので、役員になったら、他の女子学生からやっかまれると思っていたが、エレナと仲良しで、しかも男装を続けているためあまり心配されてないらしい。エレナは、結婚してホーリーウッドの侯爵夫人となっているので、嫁いだ妹の友達を妹か弟のように思っているのだろうと噂されている。
「ミリアリア嬢、来月の生徒総会の書類は、」
「こちらに用意してあります。会長のOKが出たら印刷して完成です。」
「さすが早いな。ミリアリア嬢が副会長になってから、仕事が早くて助かるよ。」
「ありがとうございます。将来、伯爵家を運営するのに、いい練習になっているので、生徒会に誘っていただいて良かったです。」
「ところで、来週の我が家主催の夜会には…」
「はい。そちらの予定は…は⁈会長そちらは生徒会で何かありましたか?」
「いや。夜会には見えるのか?エスコートは決まっているのか?」
「おそらく父と伺います。」
「私にエスコートさせてもらえないか。」
「私の…ですか?」
「無理にとは言わないが、どうだろうか。」
「そうですね。会長にはいつもお世話になっていますし、誘っていただいたのは嬉しいですが…私は、王子に断られたバカな男装娘と世間では言われているのですけれどよろしいのですか?」
「ミリアリア嬢の美しさに皆驚くでしょう。」
「一応、父に確認してお返事いたします。」
お父様は、いつも夜会に男装していく私がラルフ様のエスコートでドレスを着ると言うと喜んでくれた。
ルード侯爵家の夜会当日、ラルフ様がわざわざ迎えに来てくれた。
瞳に合わせて紫色のシフォンを使って軽やかな雰囲気のドレスに真珠の髪飾りをつけた私を見てラルフ様は、
「綺麗だ。一番最初にこの姿を見れただけでも誘った甲斐があった。」
と言ってくれた。
夜会の会場である侯爵家の広間には、侯爵家と仲の良い貴族や適齢期の令嬢がたくさん来ている。
ラルフ様が私をエスコートするのを見た令嬢たちの視線が痛い。
「あの…ラルフ様。私なんかをエスコートして良かったのですか。」
「まだ気にしているのか。男どもを見てみろ。みんな、ミリアリア嬢の美しさにびっくりしている。」
「そんなことないです。」
そのままダンスを2曲踊り、バルコニーに移動した。
「ミリアリア嬢、もう少しで私は学園を卒業するが…」
「私に会長は務まりません。やはり会長は男子の方が。」
「そちらもどうかと思ったが、いま話したいのは、卒業したら私と婚約することを考えてもらえないか。」
「ラルフ様。お話は有り難いですが、私は伯爵家の一人娘で侯爵家の跡取のラルフ様に嫁げません。」
「侯爵夫人になって伯爵家は分家から養子はダメなのか?」
「ごめんなさい。」
ラルフ様と一緒にいると頼り甲斐があるし安心できる。レイモンドみたいに振り回されることもない。レイモンドの事をいつか懐かしく思い出せるかもしれない。その時に横で笑っていてくれそうな未来も。ジャルフ伯爵家でなければ、手を取れたかもしれない。
大半の女子が結婚や花嫁修行を理由に中途退学し同学年には数人の女性官吏を目指す女子学生と男子しかいなくなったが、元々男子ばかりの授業を多く取っていたためあまりかわり映えはしない毎日をすごしている。
たまにゲーナットにいる影から大使館の情報としてレイモンドの様子も聞かされるが大使として頑張っているようだ。最近、ゲーナットの王女がレイモンドのところに出入りしていると聞いたときは、少し心がチクッと痛んだが、なんとか平静を装えたと思う。
4年になって変わったことは、エレナの兄、生徒会長でルード侯爵子息ラルフ様に誘われて生徒会役員になったことだろう。
ラルフ様は、成績も良く人望もあり将来は国の要職に就くだろうと言われている。しかもイケメンなので、役員になったら、他の女子学生からやっかまれると思っていたが、エレナと仲良しで、しかも男装を続けているためあまり心配されてないらしい。エレナは、結婚してホーリーウッドの侯爵夫人となっているので、嫁いだ妹の友達を妹か弟のように思っているのだろうと噂されている。
「ミリアリア嬢、来月の生徒総会の書類は、」
「こちらに用意してあります。会長のOKが出たら印刷して完成です。」
「さすが早いな。ミリアリア嬢が副会長になってから、仕事が早くて助かるよ。」
「ありがとうございます。将来、伯爵家を運営するのに、いい練習になっているので、生徒会に誘っていただいて良かったです。」
「ところで、来週の我が家主催の夜会には…」
「はい。そちらの予定は…は⁈会長そちらは生徒会で何かありましたか?」
「いや。夜会には見えるのか?エスコートは決まっているのか?」
「おそらく父と伺います。」
「私にエスコートさせてもらえないか。」
「私の…ですか?」
「無理にとは言わないが、どうだろうか。」
「そうですね。会長にはいつもお世話になっていますし、誘っていただいたのは嬉しいですが…私は、王子に断られたバカな男装娘と世間では言われているのですけれどよろしいのですか?」
「ミリアリア嬢の美しさに皆驚くでしょう。」
「一応、父に確認してお返事いたします。」
お父様は、いつも夜会に男装していく私がラルフ様のエスコートでドレスを着ると言うと喜んでくれた。
ルード侯爵家の夜会当日、ラルフ様がわざわざ迎えに来てくれた。
瞳に合わせて紫色のシフォンを使って軽やかな雰囲気のドレスに真珠の髪飾りをつけた私を見てラルフ様は、
「綺麗だ。一番最初にこの姿を見れただけでも誘った甲斐があった。」
と言ってくれた。
夜会の会場である侯爵家の広間には、侯爵家と仲の良い貴族や適齢期の令嬢がたくさん来ている。
ラルフ様が私をエスコートするのを見た令嬢たちの視線が痛い。
「あの…ラルフ様。私なんかをエスコートして良かったのですか。」
「まだ気にしているのか。男どもを見てみろ。みんな、ミリアリア嬢の美しさにびっくりしている。」
「そんなことないです。」
そのままダンスを2曲踊り、バルコニーに移動した。
「ミリアリア嬢、もう少しで私は学園を卒業するが…」
「私に会長は務まりません。やはり会長は男子の方が。」
「そちらもどうかと思ったが、いま話したいのは、卒業したら私と婚約することを考えてもらえないか。」
「ラルフ様。お話は有り難いですが、私は伯爵家の一人娘で侯爵家の跡取のラルフ様に嫁げません。」
「侯爵夫人になって伯爵家は分家から養子はダメなのか?」
「ごめんなさい。」
ラルフ様と一緒にいると頼り甲斐があるし安心できる。レイモンドみたいに振り回されることもない。レイモンドの事をいつか懐かしく思い出せるかもしれない。その時に横で笑っていてくれそうな未来も。ジャルフ伯爵家でなければ、手を取れたかもしれない。
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