乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

水魔沙希

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プロローグ 典型的な白い世界?

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ーどうして、こうなったのだろうか?ー

俺は芝浦悠里という名前で、5人兄弟の4番目で俺以外女系の兄弟である。親は母子家庭で、色々と訳ありな家族である。その中で生まれ育ったため、何気にお菓子作り、料理、裁縫に、かわいいものを見るのが好きになってしまっていた。女の子が好きなのは勿論のことであるが、少女マンガや乙女ゲームなども嗜むようになっていた。要するに、女子力が高い男になってしまったのだ。

そして、何が訳ありかって?

母親が色んな男性と関係を持って、生まれたのが俺達なのである。ちなみに、兄弟全員の父親は全て違う人だ。それ以外では、良い母親ではあるが。

特に親の父親はとんでもない人であった。それは父親が雑誌の表紙を飾るような、所謂トップモデルであった。なので顔面高スペックなのは当たり前で、俺も父親似のそれ相応な顔面偏差値なのである(母親談)。

最初はどういうことか分からず、普通に人と接していたが、母親から話を聞いた時はとても驚いたとともに、その頃は物心ついていたので、自分がとんでもないスキャンダルの種になることを思った。そこから俺は演じることを覚えた。父親がモデルから俳優に転向したように。

なるべく地味に見えるように髪型をいじり、地味なメガネをかけ、モブになることに徹した。
あと、個人的に護身術を覚えた。剣道やキックボクシングなどなど…。

え?それはもうモブの域を越えてる?だって、しょうがないじゃないか!幼いながら、自分の身が危ないって気づいてしまったから!自分がトラブルのもとの源なのだから。

まぁ、それは置いといて母親や姉に迷惑をかけぬように、就職率が高いということで、工科高校に進学して、モノを作る楽しさを感じた俺はアルバイトをしつつ、建築関係の大学へ進学をした。

それなのに、それなのに!!!!!

どこからか、情報が洩れて、マスコミ関係の記者の一人が俺を訪れて、しつこく迫ってきた。
そして、そいつに掴まれて逃げようとして近くの電信柱に当たって俺は・・・!

☆☆☆☆

「亡くなったんだよな。わー、死んだら、よくラノベとかで白い世界や神の居るところに案内されるって言うけど本当に何もない白い世界だわー。」

と冒頭に戻るのだ。

『そうですね!ここは私たち神の世界です!!そして、芝浦さんには転生をしてもらいます。その際、芝浦さんには3つの神の恩恵を受けます。さぁ、どんなことでも言ってください!!』

突然のことで、俺は対応できなかったが、(わー、これもテンプレだな)と心の中で思った。そして、俺は女神に向かい合った。

「よく分からないんだけど、俺は死んだんだよね?」

『はい!あの時電信柱に当たり、打ち所が悪く亡くなりました。・・・あ、ちなみに言っておきますけど、あの記者さんはあの後警察に捕まりました。そして、父親のスキャンダルが大々的に報道されました。』

「・・・ふーん・・・?じゃあさ、俺がこれから転生するところってどんなところ?」

『あ、一つ目の恩恵の件ですか?・・・それは・・・。』

「違います。俺は次の世界では安定したところで生きていたいのです。それくらい、聞いてもいいですよね?間違っても、恩恵の件にしないでください!!」

俺は叫んだ。そうだよ!色んな家庭事情のせいで、いつもどこか怯えながら生きていた。だったら、次こそ思いっきり羽を伸ばすように、生きてやるんだ!!

『んー?そうですね。剣と魔法の世界 アルテシフォート の世界に転生してもらいます。』

剣と魔法の世界 アルテシフォート と聞いただけで、なぜこの時抗議しなかったか、とても悔やまれる。

「アルテシフォート・・・?それって最近やった乙女ゲームの世界の名前と一緒なんだけど、気のせいか?」

そう言うと、神はこんな(;゚Д゚)をし、固まった。

『まぁ、そんなことは気にせず、私の恩恵をなんでも3つだけ与えます!!』

少し気になる点はあったが、安定したところで生きていくためには何が必要か考えた。

「んー?まずは、運が悪かったから、運をMAXまで上げてほしい!!後は創造魔法かな?・・・あとは・・・。」

うーん?あまり思いつかない・・・。俺って下の方の姉弟だったから、可愛がってもらえたし、行けるところはいったしな・・・。途中で死ぬまではね!!特に物欲感情がわかない。乙女ゲームも少女マンガも姉妹のものだったしね。

『一つ目に〈運の最大限にすること〉、二つ目に〈創造魔法〉、あとはいかがします?』

考えに考えたが、思い浮かばなかったので、これまで培ったノウハウを生かすことにした。

「では、今まで俺が培った技術をそのまま引き継いで!!」

『では、三つめが〈今まで芝浦さんが培ってきた技術の引き継ぎ〉ですね!わかりました。では、今度は教会で会いましょう!!』

そう言うと白い光が俺を包み、俺は意識を失った。
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