乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

第一章 忙しい幼年期

美味しいご飯

「あー、俺、所謂贈り人ってやつで、もう一人の人格のやつが勝手に回復魔法作っちゃったんだ。本当にゴメン！！こういうのって自分の力で強くなりたいものだよね？本当にゴメンなさい！！」

俺は必死にディルクに謝った。まさか、回復魔法なのに身体能力向上魔法まで作動するとは・・・。！？まさか、レベルが上がりすぎて、回復魔法で回復されるはずの超過分をプラスしてしまったとか！？いや、でも敏捷性まで上がるもんか・・・？それにサークルって言っちゃったからかな・・・。

「あ、いえ、強くなるためには、必要なことです。力を与えるってこういうことでしょう？」

項垂れる俺に優しくディルクは励ましてくれる。・・・そういえば、ディルクはお兄ちゃん肌だったな。

「あ、いえ。単純に剣術とか体術を教えるとかそう意味で言ったので、それに敬語は不要です。貴方の方が年上ですし・・・。」

そう言うとディルクは驚いていた。

「俺より年下で、あんな攻撃魔法使えるのかよ！！是非俺に剣術・体術を教えてください！！」

そう、項垂れる俺に教えを乞うように土下座した。

「・・・年下って言っても、明日で同い年だからね？・・・もう、食事にしようか？」

「はい！・・・うん！そうだな。」

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トントントントン。

「ここってどこにある家なんですか？」

「え。もちろん、死の森デッドリーフォリーの奥地だけど何か？・・・あ、そこの肉に味付けしてくれる？」

「え！？さっきいたところよりも奥にあるんですか！！・・・あるのか！！・・・わかりました！味付けは塩コショウでいいですか？」

「うん。大体、能力値が500アップしたところで肝心のレベルが上がらないとここでは生き残れないけど。」

「なんでまたそんなところに・・・。さっき言っていた共犯者の事か？」

「うん。そうだよ！俺たちはある目的がある。そのためには少しばかり強い人間がほしいんだ。だから、もうディルクは逃れられないよ。俺たちの目的を達するその時までは。・・・少し敬語取れてきたね。そのお肉焼いて。」

「俺達・・ってまるで、二人いるみたいですね。・・・あ、レアにします？ミディアムにします？」

「うん。だって、さっきも言ったけど、俺は贈り人。1つの魂に2つの意識があるからね。・・・中の奴はミディアムレアが好きだから、ミディアムレアね。」

「贈り人・・・。よくわからないな。」

「これから、学んでいけばいいよ。俺達そういう知識多いからさ。」

だいぶディルクもリラックスしてきたな。敬語取れてきたしな・・・。

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食事ができ、俺達は食事にすることにした。

「うわぁ、すんげーうまそう！！さっきから見てたけど、いい匂いもしてたしなぁ。・・・誰も取ったりしないから、ゆっくり味わって食べなさいね？」

「あ、前者が魔物を倒した時の人で、後者がさっき一緒に料理作ってた人ですね。」

「うめぇぇぇ、やっぱりユーリの作った料理うめー。・・・あ、ごめんなさい。こいつ食事中はあまり人の話聞かないからさ。また、後で目的については話すよ。」

「あ、はい。・・・ユーリさんとおっしゃるのですか？」

レオンが一生懸命肉をほおばっているので、俺はしゃべることができない。

「そう、敬語になるなよ。そして、肉食え。肉。ユーリの作った料理は本当にうめーんだぜ？」

レオンは肉を食べながら、そういうものだから、俺が注意する事もままならない。

「あ、うん。・・・うめえ！こんなのうまいもん初めて食った！！・・・これは何のお肉？」

パアッと目を輝かせ、夢中に頬張って肉を食べる。肉だけでなく一応サラダもあるのだが、喜んで食べてくれているようだ。

「・・・さっきの肉？さっきお前がビビってたやつのだけど何か？」

「！？・・・さっきのってこんなにうまかったんだな。今度、自分の力で食材ゲットしようかな？」

「さあ？せめて、3か月くらいでなんとか狩れるようにしろ。」

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