乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

水魔沙希

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第三章 ゲームの始まり

アスガード時代にきました!

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☆☆☆☆☆☆

世界が反転した感覚に襲われながら、俺達はアスガード時代に来ました。

「これで、アスガード時代に来れたのか・・・?」

ヴィルは言う。皆少し感覚がおかしくなったようだから、話せるだけでも相当すごいと思うが。
レオンは"時渡りの時計"に映し出している時間をみて答える。

「確かに、"時渡りの時計"が指しているのはアスガード時代だけど。」

生徒会長は問う。

「この時計のデメリットって何ですか?」

レオンは答える。

「この時代には俺らは生まれてすらいない、いや、もしくは前世の自分達はいるかもしれないが、この時代の人物に見られる事が、大きなデメリットだな。・・・だから、[創造せよ!透明マント!そして、皆に〈心眼〉と〈念話〉のスキルを与え給え!]」

そうすると、人数分のフード付きの透明マントが出現する。それをレオンは皆に渡し、着るように言った。

「これを着ると、姿が見えなくなる。」


好奇心旺盛なヴィルは早速着る。そうすると、頭だけが出ている姿になった。

「きゃっ!?」

ディネットは驚く。・・・そりゃあ、顔だけ出ていたら、怖いでしょうが!!フード被れよ!!

「あ、いけね。フード被んないと。」

ヴィルはフードを被ると、姿が見えなくなる。しかし、〈心眼〉のスキルでそこにヴィルがいるのがわかる。

「ちなみに、透明マントを着ている時は、声は聞こえないから、〈念話〉のスキルで話すように。位置は〈心眼〉のスキルで把握しろ。」

レオン様は指示する。・・・流石、七人衆のリーダー格。指示が的確です。
そうすると、皆透明マントを着る。姿が見えなくなった。

『さて、ここからどうしますか?』

生徒会長は問う。

『どうするも何も今ここで何も誰もいないという事は別の場所で何かが行われているはず。まずはここを出ることを考えたほうがいいと俺は思う。』

『それには賛成です。』

アカツキは賛同する。
シルヴェストは疑問に思ったのか、質問をレオンにする。

『ここは、どういったところなんでしょうね?・・・王族の印を持つ者しか入れないとは。』

そうすると、ディネットが答える。

『確かに、ここってシルヴェスト王子が、過去、ここで王族の儀式を行っていたのでは・・・という話だったですね。牢屋とかは、後発的に出来たものだと。・・・そうね、アスカ。ここは、王族の儀式を行っていた場所だわ。オリエンテーションの時に見たもの。』

ディネットは独り言のように言っているが、まだシルヴェスト王子はそこまで判断してないよね?

『ディネット様。まだ、ヴェスはそこまで判断した覚えはないけど。確かに、よく見ると、床に神殿のように、紋章がでかでかと載っているし、部屋も豪華絢爛ではあるけど、まだここでは疑問形だし、まるで、オリエンテーションの時にここに来ました、みたいな話をしないで頂きたいね。行っていないんだからな。』

セレンはなんとか誤魔化そうとする。

『確かに、魔物の気配で、分からなかったけど。ここは、まだ綺麗なところだね。王族の儀式を行うにはもってこいの場所だ。・・・もしかしたら、これから王族の儀式が行われたりして。』

そう言うと、レオンは〈気配察知〉で何者かの気配を察する。

『誰か、来る!とりあえず、二手に分かれて隠れろ!・・・姿は隠れていても、油断すると姿見えるから、気を抜くな!!』

☆☆☆☆☆☆
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