乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

水魔沙希

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第四章 しばしの休息と

街での休暇10

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☆☆☆☆☆☆

「でも、まぁ。一歩前進したろ?これで、少しは覚悟も決まったんじゃねーの?」

「それを言われると、まだ揺らぎますがね。もし、この争いに決着がついたら、あなたはどうする予定なんですか?」

ユーリスはきっぱりと答えた。

「んー?俺達が作っている街があるだろ?そこで定住していこうかと思ってる。だから、俺達は自由に生きていくんだ。王族の身分に縛られないで。・・・というか、王太子様の新たな婚約者はどんな様子よ?」

シルヴェスト王子は答える。

「婚約者じゃなくて、婚姻していて子供もいるんだよ?それはあなたも知っているでしょうが!!」

「でも、俺普通に王城に入れる立場じゃないし?・・・王太子様に入れてくれと言えば入れてくれるようにはなったけどな!それで、敵意はないんだよな?」

シルヴェスト王子は呆れた顔をする。

「あの時、あんた先祖返りの儀式を行ったでしょ?その時、フォルテ兄さん・・・王太子様の身体能力もやっぱり向上していたんだよ。それで、運がとても良くなって、寧ろ、いいお嫁様が見つかって、ラブラブな雰囲気になって、アスガード様は微笑ましくしていらっしゃる。」

「あらー。そうだったのか。俺、王太子様は利用できるかしか考えてねー。」

「それ、本人の前で言うなよ?」

ホッとため息をついた。

「じゃ、平気なんだよな?」

「全然心配ないよ。」

王太子様の情報は全然耳にしなかったから本当に安心した。もし、変な人がまた王太子様を殺そうとしていたら、シルヴェスト王子、腹黒になっていたもんな。

「まぁ、ヴェスもそれは一安心なんだろ?」

「まーね。あの時は恥ずかしかったよ。本人の前で双子の縁がどうのこうの言っていたってことに。」

ブハッと吹き出すユーリス。

「あー。アレなー?でも、嬉しかったぜ?俺が生きているって信じてくれた事にな。色んな街に行ったときは誰も信じてくれなかったのになぁ・・・。アスガード様はすぐに気付いた様子だったけどな。流石、アスガード様。」

「あなたも苦労していたんですね?」

って、ヴェスの苦労なんか知らんがな。」

「それも、そうだけどね。苦労?やるべきことに苦労はつきものだろ?俺は完全にやりきることはやってやる。まずはティルテ侯爵に鉄槌を加えたいところだ。」

アーネイルはすかさず、言葉にする。

「僕のアストル侯爵の方も忘れないでねー?」

「分かっている。アストル侯爵にはとっとと舞台から降りてもらおうか?生徒会長を使う悪党だしな。権威を剥奪しても、やりきれねーな。」

「あのね。俺の目の前でそんな話をしないでくれるかな?」

「ヴェスもここまで来たら、一蓮托生だぜ?」

シルヴェスト王子はムーと頬を膨らませる。

「それもそうですけど・・・。」

シルヴェスト王子とレオンは仲良く話せている。これはいい傾向だと思う。絶対、ゲームとは違った展開にしてやる。

☆☆☆☆☆☆
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