乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

第五章 物語の終わりへと

仕掛けた罠はどう働くか

☆☆☆☆☆☆

翌日。
レオンが行った場所はセレナとセレンが前住んでいた村。今はティルテ侯爵の別荘になっているが。それを見たセレナは殺気を放つ。・・・一応、彼とは連絡済み・・・・ではある。

「あんのジジィ！私達の村を自分の別荘にしちゃって・・・！嫌味な訳？」

「セレナ。落ち着いて。口調が荒くなっているよ。」

セレナは別荘を指差して、怒気を放つ。

「これを見て、セレンは何も思わない訳？この別荘のおかげで私達の村は強盗に襲われたのよ！！そして、壊滅に追いやられた。とてもじゃないけど、腹が立って仕方がないわ！！」

レオンは言う。

「おそらくだが、ティルテ侯爵の方が先に俺達に対して行動を起こす。それを狙わない手はねーだろ？だから、頭だけは冷静でいろ。わざわざこうして、隙だらけになってあげているのだからさ。」

セレナは思い出したようにレオンに聞く。

「そう言えば、何で、こうすればティルテ侯爵本人が出ると思った訳？」

レオンは思いっきし、俺の考えていた事をそのまま言う。

「ユーリ曰くティルテ侯爵は会派としては、俺を支持しているらしい。だから、表向きは第二王子の会派に所属こそすれども、裏では俺を操ろうとしている。ってな。だから、俺に関する情報は人一倍関心が高いご様子。」

セレナは呆れた顔をする。

「あんたって操られたりする性質？全くもって予想出来ないんだけど。」

レオンは当たり前の事のように言った。

「当たり前だろ。そんな簡単に操られてたまるかよ。それに、俺が死の森デッドリーフォリーで生活している事は最初からバレているから、早めに処分しないとな。じゃねーと、街の住民が危ねーからな。”復讐”の被害は最小限に行う。それが俺のやり方。」

ディルクが何かに気付く。・・・足音だ。

「誰か、こっちに近付いてくるぞ。おそらくだが、ティルテ侯爵だと思うが。」

レオンは気配察知で探知する。魔力の量から、ティルテ侯爵本人のものだと判断した。

「こっからが、本番だ。気ぃ、抜くなよ。」

「分かっているわよ。」

そうして、待っていると気品溢れる貴族のおじさんがやってきた。

『ぶふっ。おじさんってwww。』

『レオン、うるさいわよ。』

貴族は話しかけてくる。

「やぁ、我が別荘に何か御用で？・・・レオン第四王子殿？」

レオンは平常を装う。

「何って、俺を昔誘拐した件について、話をしたいと思って。・・・決して、忘れたとは言わせない。」

レオンの目はしっかりとティルテ侯爵の姿を映し出していた。

☆☆☆☆☆☆