奇跡の力を持つ第二王子様!~神様が人間に成り代わり!~

水魔沙希

文字の大きさ
13 / 15
2.生ける神と伝説に残るグレイシア!

13.新たな局面!

しおりを挟む
グレイシアには軽く説明した。本来ならこんな事、起こりえないのに。何故、こんな事になったんだろう?グレイシアに恨みを持っている者でもいるのだろうか。いやいや。そんな事はないだろう。


グレイシアによく似ている状況が起きているのかもしれない。双子の兄弟の存在。


「双子と言えば、今、シュテルツ王国の王妃様のお腹の中に双子の兄弟がいるんだよね!」


『えっ?何、その情報。この12年、新たな王子、王女は誕生していないじゃないか。このタイミングで?』


グレイシアは信じられないと言ったところ。でも、俺は神の力でお見通しなのだ。第三王子と第四王子ー・・・。また、このシュテルツ王国に双子が生まれる。はずだけど、その前に王妃様の体調が優れず、崩御してしまうんだけど。


グレイシアに言ったら、また国王陛下と同じく助けるのだろうか?いやぁ、この際、俺が治しに行こう。今度はどうなる事やら。


『でも、最近王妃様の調子が悪いと聞くけど、大丈夫なのかな?』
「全然、大丈夫じゃないと思うけどね!また、アディエル王子が頼み込んでくるかもね。」


☆☆☆☆


それから一か月後。王妃様の命のピリオドをまもなく迎えるー・・・。その前に、貴方の命、お救いいたしましょう?この国にまた双子の王子が生まれる。その時、国王陛下はどんな判断を下す?


その日は満月の夜だった。俺は暗くなると、行動に移す。透明マントを羽織り、王妃様のいる部屋までテレポートする。どうやら、国王陛下とは別の寝室のようだ。これは、すごく好都合。深夜だから、目的の人物以外誰もいない。


グレイシアだって、眠っちゃっているもの。俺は部屋に他人除けの魔法と結界魔法をかけ、王妃様には催眠魔法をかけて、準備万端。


王妃様の様子はというと、催眠魔法のおかげで、眠ってはいるものの苦しそうである。さっさと終わらせるか。



♪~♪♪


俺が、歌い始めれば、王妃様の顔色が幾分良くなってきた。でも、敢えて完全な体調にする事はしない。否、できないのだ。だって、妊娠による体調の、変調の兆しはどうにもできない。母体の健康は赤子の体調次第。複合的要因の場合、治癒魔法でも対処しきれないのだ。



母体を健康にしても、赤子がさらに元気になるだけだから、さらに母親は体力を奪われる。いたちごっこだね。


催眠魔法を解くと、王妃様は息を荒くさせる。どうやら、痛みを伴っている。おっと、これは産気づいてしまったか。他人除けの魔法を解除して、しばらくすると王妃様付きメイドが、王妃様の様子を窺いに部屋に入ってきた。


「・・・王妃様。お加減はいかがですか。」


呼吸音が変だという事に気付いたメイドは王妃様の肩を揺らす。


「王妃様!大丈夫でしょうか?私達にお手伝いできる事はありますか!!」


侍女は王妃様を起こし、仲間のメイドを呼びに行く。すぐに、応援が駆けつける。俺は部屋の片隅で様子を見る。


ふーん?これから、どうなる事やら。でも、見届けるのは面倒だから自宅で休む事にしよう。考える事を放棄した俺は自宅までテレポートする。


今日が双子の王子の誕生日だと。シュテルツ王国の新たな局面。どう判断するだろうね。


☆☆☆☆


朝。
朝食を食べた後で、普段通り、ギルドでクエストを探していると、ギルド内にバタバタ走って入ってくる人物がいた。


「大ニュースだ!王妃様が、双子の王子を出産したらしい!」


「えっ?この国にまた双子の王子が生まれたのか。」
「凶兆の始まりじゃないといいんだけど……。」
「双子とは言え、王子が生まれた事は良い事じゃないか……。」


ギルド内に双子の王子の誕生のニュースを運んだ人物は神妙な面持ちで言葉を紡ぐ。


「それが双子の王子を出産した王妃様は今、昏睡状態に陥っているんだ……。」



『えっ?本当に双子の王子が生まれたの?そして、王妃様、大丈夫かなぁ……?』


昏睡状態ね……。双子の王子の誕生はあまり歓迎されていないみたいだね。やっぱり、国王陛下は双子の王子の片割れを捨てるのだろうか?


俺はグレイシアに身体の主導権を譲り、様子を見る事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。

くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。 しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた! しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?! 「これ…スローライフ目指せるのか?」 この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...