奇跡の力を持つ第二王子様!~神様が人間に成り代わり!~

水魔沙希

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2.生ける神と伝説に残るグレイシア!

15.

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メイド達は第四王子のいる部屋まで案内する。入ってみると、確かに、奇妙な様子がそこにはあったのだ。


「ははっ。」


笑う人物がいた。年齢は5歳くらいだけど、まさかとは思うけど、これが、第四王子?ずいぶんと大きいですね。汗がダラダラと流れてきそうだわ。だって、この状況、俺達と同じではないか!!


「汝の名を問おう。」


目の前の少年が答える。


「我が名はテュケー。」


堂々と仁王立ちして、腕を組みながらドヤ顔する。テュケーって・・・運命を司る女神・・じゃん!!何で、第四王子の身体に入り込んでいるんだ!?


アディエル王子が口を開く。


「この少年は一体・・・?」


部屋にいたメイド達は口をそろえて、言う。


「だ、第四王子だったんですが。何故か、大きくなって・・・。」


「え?どういう事なんでしょう?」


グレイシアがそう、言うと、俺はお口をチャックする。何とかボロを出さないようにしよう。


アディエル王子は驚きながらも、事情を把握しようとする。


「この少年が第四王子だと!?だって、今朝生まれたばかりなのにか?それに、テュケーとは・・・?」


少年は、テュケーは手をポンッと叩くと、疑問符を浮かべる。


「この子、この国の第四王子なんだね。にしては、妙に運気が低いのはなんでだろうね?」


「「運気が低い・・・?何故、そのような事が分かるのですか?」」


グレイシアとアディエル王子は同じ質問を、同じタイミングでするが、そんな事は気にせず、第四王子、テュケーを真っすぐに射貫いていた。


「多分、説明しても分からないんじゃないかな?でも、一つ言うと、神子だね!神の加護を得た人間。」


おおっと、それ、ブーメランなんですが。さっき俺が、先走った事だ。というか、多分、テュケーには俺の存在がバレているかなぁ?うん。バレているね。テュケーが口走らないといいんだけど。


「……。」


テュケーはこちらをじぃっと射貫く。何?視線を感じたグレイシアは口を開く。


「君は……一体、何者なのでしょうか?えっと、未来からやってきたとかでしょうか?」


ふふふっと笑うテュケー。何言ってんだと、言わんばかり。


「……同じ事を、君もしているじゃないか。」
「えっ?……そう言えば、そうだね。あれって、魔法かなぁ?」



無属性の魔法かなぁ。つーか、俺の過去を神の力で見やがったな!じゃなきゃ、そう返せないだろう。


「テュケー様は、運命を司る神と聞きます。何故、こちらにいらしているのです?」

「ふふふっ。単に、興味かなぁ?何か、面白い事が起きそうだなぁって!」


ただの好奇心!?そんな事でわざわざ人間界に降りたの!?神のする事はよく分からないわぁっ!自分も他人の事を言える立場ではないけどね!


「神様!?第四王子の中に神様がいるのですか!?」


アディエル王子は驚く。それはグレイシアも同じようで……。


「えっ・・・?神降ろしって事・・・?神託がおありで・・・?」


いや、神託とかないでしょ?ただの好奇心だって。グレイシアが俺の存在が神様だって、気付いたらどうするのかね?でも、神の加護の下で育ったとかなんとか言えば、いいのか?


「ふふっ。特に、これと言った事はないよ?でも、この身体気に入った。」


アディエル王子は跪く。


「・・・テュケー様、我が国にご加護を。」


なんか、大事になってきたよ。どうするの、この流れ?


「第四王子様、すごいです!!神様に気に入られるなんて。」


アディエル王子がグレイシアに同意するとともに、こんな事を口にした。


「そうだな。でも、グレイシアもこの国の第二王子ではないか。グレイシアも神様に気に入られているのではないか?でなければ、今まで生きてこられなかったのではないか?・・・先ほども神の加護を得て生きてきたと言っていたし。」


ギクッ。ついに、バレちゃうかー。それも一興だけどね。


「まぁ、それもそうだな。俺はアポロン。太陽神!」


「え?ええええぇぇぇぇぇぇ!!!?アポロンが神様・・・?僕、散々ため口で接してきちゃったよ。」
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