精霊達と契約してたらいつの間にか聖女様と呼ばれてた悪役令嬢の話

水魔沙希

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11."玄武"さんとの契約!

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あはは・・・。どうしましょう。私は驚いて、戦闘に加われません。無理やり魔物にされたなら、本来の姿に戻さないといけないのですが、どうしたら・・・。


『それは、私の光魔法で何とかできたらなって思います!!』


ルリちゃんはそう言ってくれました。まだ精霊に戻す方法はあるはずです。考えなくては・・・。そもそも、この泉を加護している精霊さんですよね?それだったら、相当の力のある精霊さんでは・・・?魔物ではなく魔獣に変化している訳ですから。

私はある考えに思い当たりました。


「もしかして、この魔獣さん、いや精霊さん・・・元は"玄武"さんだったのでは・・・?」


『ぶはっ!!』


今思い切り吹いたのはレオンさんです。なんかおかしい事言いましたか?


『そうだぜ!!なんか懐かしい気がしてたわ。・・・こいつ"玄武"だわ!!』


え、冗談半分で言ったつもりだったのですが、マジですか?


『マジもマジ。こいつが倒されたら、世界がさらに危機に陥るわ!!』


レオンさんが鬼気迫る声で叫んできます。でも、"玄武"さんを助けるにはどうしたら・・・。

そう思っていると、レオンさんは私の手を掴みました。


『だったら、俺の力を使えばいい。あんた、五行について分かっているようだから、説明は不要だよな。』


「確か、白虎さんの金属性は、金生水で、金属の凝結により、金属の表面に水を生み出す。・・・でしたね。新たに本来の精霊の姿に戻すために水を生み出すのですか!?・・・相手水魔法を使うのに危険すぎやしませんか!!」


そう叫ぶ私に、レオンは諭すように言いました。



『俺には"玄武"に借りがある。・・・助けられる可能性があるのなら、試してみたい。金生水で攻撃した直後、すぐに精霊使いの契約を結んでくれ。精霊の姿に戻る可能性がある。なんせ、神獣クラスの攻撃なのだから。』


覚悟を決めているレオンさん。私も覚悟を決めてないといけないところですね。


「分かりました。まず、ルリちゃんの魔法で魔獣の威力を最大限に弱めます。そして、金生水で攻撃した後、精霊使いの契約を結びます。・・・失敗したら、皆魔物になってしまいますよ。」


『俺は覚悟は決めている。』

『それで、助かるなら僕は賭けてもいいと思うよー。』

『僕はここではあまり役にたたない・・・なら、アリアを信じるよ!!』

『最大限魔獣の威力を弱めるよ。私頑張る!!』


精霊さん達は覚悟を決めているみたいです。なら、私も覚悟を決めなくては・・・!

私は魔獣さんの方向へと向き進んだ。


☆☆☆☆☆☆☆


「ハーベスト様!一瞬でいいのですが!私に考えがあるので、皆を下げていただけないでしょうか?」


そう言うと、ハーベスト様は調査隊に指示し、下げさせた。


魔獣さんはこちらに攻撃してきます。攻撃を避けながら、私は詠唱をします。


「聖なる光のもとで、汝を清浄したまえ。リカバリーテーション!!」


最大限光を魔獣に包み込ませ、間髪入れずにレオンさんは私の手を取り、力を与えます。


「五行のもとにて、金性と水性の相性により水を生み出せ!金生水!!」


そうすると、土中の鉱物・金属が凝結し、水を生み出した。その攻撃を受けた"玄武"さんは少しの間精霊の姿に戻ったので、間髪入れずに私は精霊使いの契約を結んだ。


「精霊使いの契約にて、汝に名を与える。名はビクター!!」


そう言うと、精霊さんは元の精霊の姿に戻りました。私達の精霊も魔物になっていません。

魔獣の気配も無くなり、元の泉に戻り、森が活性化していきます。"玄武"さんは背の高い黒い服を着ていた、男性でした。


やっと、一つ問題が解決しました!!


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