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1.幼少期
31.秘密の計画。Side リュート
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そして、今に至る。
早速、地下部分の部屋に入る。やっぱりフローディア様はそこに入る為に暗号まで知っていた。あと、二手に分かれる事になったのだが、俺はフローディア様とは違う班になってしまった。フローディア様は密かに喜んでいた気がする。そんなに俺と行動するのが嫌ですか?
しかし、今はそんな事にかまけている場合ではない。自分も危ない橋を渡っているんだ。気を引き締めていかないと!
こちらはリード皇子に先陣を切ってもらっている。本来は俺が出るべきなのだろうが、ジル王子から第三魔法騎士隊の応援要請をしてくださっているようだ。それを呼べるのは、リード皇子だけ。ジル王子はリード皇子にある魔法道具を渡されていた。伝達魔法の道具である。
使い方は俺がこっそりとリード皇子に教えた。リード皇子はとても興味深そうにそれを見ていた。流石に、技術の国出身だけあって、そういうのに興味を持たれるのかね?
フローディア様曰く”しゃぶしゃぶ”は奴隷売買の隠語だそうだ。しゃぶしゃぶって何?しゃぶりつくとかそういう意味でつけてんのか?よく、分かんねーな。
部屋に入った途端、一気に気持ち悪くなった。・・・これは・・・フローディア様に見せなくて正解だったかも。
鎖で人間が繋がれている。身動きする事すらままならず、奴隷とされている人物たちの目は死んでいる。まるで、自分には希望がないかのようだった。それが何人もいる。
マントを被った人物が現れる。風魔法を使用しているのだろう。やけに声が聞こえる。
「今回はこの”肉達”を用意しました。そして、皆さんに大変申し訳ない事をしました。今回は大物に逃げられてしまいました。しかし、その代わりに多くの”肉達”を用意しました。皆さん、ごゆるりと」
・・・!?肉だと?この人達は人間だぞ!?それなのに、肉扱いとか!!・・・落ち着け!確か、大物って、リード皇子の事だってフローディア様に言われていたっけ。この国は、奴隷売買は違法である。それを現認すれば、捕縛され処される。
リード皇子は落ち着いて状況を把握する。そして、伝達魔法の道具を手にして、応援要請をする。
「・・・えっと、目的の光景を現認しました。突撃態勢を取ってください」
『分かりました。ジル王子からの頼みですから、貴方にお怪我はさせません!』
『突撃準備整いました!今すぐ向かいます!!』
ダダダッ!!
第三魔法騎士隊が部屋に突入する。魔法騎士隊の隊長らしき人物が高らかに宣言する。その人はいかにも筋骨隆々で、貫禄がある。しかも、まだ若そうな・・・10代ってところだろうか?黒髪で黒い瞳を持っている。あれが、第三魔法騎士隊の”黒狼”と呼ばれる人物か?
確か、名前は”黒狼”ことジュード・フィンガー。俺と同じくらいの年で魔法騎士隊に入門。実力とカリスマ性を備えた人物。フィンガー侯爵家の次男坊。確か、家族も皆武人一家だとか。しかし、実力で隊長に上り詰めた男。
「この場所は、違法である!奴隷売買の現場をこのジュード・フィンガー。この目でしかと見届けたぞ!何か言い訳でもあるか?・・・皆の者、人質を解放しこの奴隷売買を執り行っている者全て捕縛せよ!」
あぁ、やっぱり。”黒狼”ね。これは・・・心強い。第三魔法騎士隊が一気に事態の終息に向かう。リード様の近くにいると、リード様はこの奴隷売買の主催者に近寄っていく。
・・・?何を考えている?自分が守られる立場だと理解なさってください!!俺も仕方なくついていく。リード様は仮面を外すと、その場に投げ捨てる。・・・ちょ、何してるんですか!!
「リー・・・」
「この顔に見覚えはありますか?」
主催者は捕縛されながらも、驚きの声を上げる。
「・・・!お前は!リード・アズウェル!?」
リード皇子は静かに、でも淡々と負のオーラを背景に纏わせて主催者に聞く。
「そう。私はリード・アズウェル。・・・貴様、誰の差し金で私を誘拐した?」
リード皇子はにこりと嗤う。その笑みはとても怖い。つい、動きが止まるが、ダメだ。リード皇子に何かあれば俺達の責任だ!!いつでも、リード皇子の手助けに入れるように臨戦態勢に入る。
「・・・だ、誰が答えるものか・・・!」
”黒狼”は剣を主催者の近くに突き出す。
「リード皇子の質問に答えろ。こっちはただですら気が立ってんだ。こんな舞台を見せられて、正直、その首、叩き斬ってやりてーくらいだよ」
「・・・ひっ。・・・く、クローディン皇子の命で、す・・・」
クローディン皇子?それって、確か・・・
「クローディン皇子、ですか。まさか、第二皇子の仕業だとは知りませんでしたよ。答えてくださってありがとうございます。そして、あとは、この国の第三魔法騎士隊にお任せします」
そう!アズウェル皇国の第二皇子だ!フローディア様があまり関わりたくないとおっしゃっていた。
”黒狼”はリード皇子に敬礼をして、主催者を連れていく。そして、完全に事態は終息した。
早速、地下部分の部屋に入る。やっぱりフローディア様はそこに入る為に暗号まで知っていた。あと、二手に分かれる事になったのだが、俺はフローディア様とは違う班になってしまった。フローディア様は密かに喜んでいた気がする。そんなに俺と行動するのが嫌ですか?
しかし、今はそんな事にかまけている場合ではない。自分も危ない橋を渡っているんだ。気を引き締めていかないと!
こちらはリード皇子に先陣を切ってもらっている。本来は俺が出るべきなのだろうが、ジル王子から第三魔法騎士隊の応援要請をしてくださっているようだ。それを呼べるのは、リード皇子だけ。ジル王子はリード皇子にある魔法道具を渡されていた。伝達魔法の道具である。
使い方は俺がこっそりとリード皇子に教えた。リード皇子はとても興味深そうにそれを見ていた。流石に、技術の国出身だけあって、そういうのに興味を持たれるのかね?
フローディア様曰く”しゃぶしゃぶ”は奴隷売買の隠語だそうだ。しゃぶしゃぶって何?しゃぶりつくとかそういう意味でつけてんのか?よく、分かんねーな。
部屋に入った途端、一気に気持ち悪くなった。・・・これは・・・フローディア様に見せなくて正解だったかも。
鎖で人間が繋がれている。身動きする事すらままならず、奴隷とされている人物たちの目は死んでいる。まるで、自分には希望がないかのようだった。それが何人もいる。
マントを被った人物が現れる。風魔法を使用しているのだろう。やけに声が聞こえる。
「今回はこの”肉達”を用意しました。そして、皆さんに大変申し訳ない事をしました。今回は大物に逃げられてしまいました。しかし、その代わりに多くの”肉達”を用意しました。皆さん、ごゆるりと」
・・・!?肉だと?この人達は人間だぞ!?それなのに、肉扱いとか!!・・・落ち着け!確か、大物って、リード皇子の事だってフローディア様に言われていたっけ。この国は、奴隷売買は違法である。それを現認すれば、捕縛され処される。
リード皇子は落ち着いて状況を把握する。そして、伝達魔法の道具を手にして、応援要請をする。
「・・・えっと、目的の光景を現認しました。突撃態勢を取ってください」
『分かりました。ジル王子からの頼みですから、貴方にお怪我はさせません!』
『突撃準備整いました!今すぐ向かいます!!』
ダダダッ!!
第三魔法騎士隊が部屋に突入する。魔法騎士隊の隊長らしき人物が高らかに宣言する。その人はいかにも筋骨隆々で、貫禄がある。しかも、まだ若そうな・・・10代ってところだろうか?黒髪で黒い瞳を持っている。あれが、第三魔法騎士隊の”黒狼”と呼ばれる人物か?
確か、名前は”黒狼”ことジュード・フィンガー。俺と同じくらいの年で魔法騎士隊に入門。実力とカリスマ性を備えた人物。フィンガー侯爵家の次男坊。確か、家族も皆武人一家だとか。しかし、実力で隊長に上り詰めた男。
「この場所は、違法である!奴隷売買の現場をこのジュード・フィンガー。この目でしかと見届けたぞ!何か言い訳でもあるか?・・・皆の者、人質を解放しこの奴隷売買を執り行っている者全て捕縛せよ!」
あぁ、やっぱり。”黒狼”ね。これは・・・心強い。第三魔法騎士隊が一気に事態の終息に向かう。リード様の近くにいると、リード様はこの奴隷売買の主催者に近寄っていく。
・・・?何を考えている?自分が守られる立場だと理解なさってください!!俺も仕方なくついていく。リード様は仮面を外すと、その場に投げ捨てる。・・・ちょ、何してるんですか!!
「リー・・・」
「この顔に見覚えはありますか?」
主催者は捕縛されながらも、驚きの声を上げる。
「・・・!お前は!リード・アズウェル!?」
リード皇子は静かに、でも淡々と負のオーラを背景に纏わせて主催者に聞く。
「そう。私はリード・アズウェル。・・・貴様、誰の差し金で私を誘拐した?」
リード皇子はにこりと嗤う。その笑みはとても怖い。つい、動きが止まるが、ダメだ。リード皇子に何かあれば俺達の責任だ!!いつでも、リード皇子の手助けに入れるように臨戦態勢に入る。
「・・・だ、誰が答えるものか・・・!」
”黒狼”は剣を主催者の近くに突き出す。
「リード皇子の質問に答えろ。こっちはただですら気が立ってんだ。こんな舞台を見せられて、正直、その首、叩き斬ってやりてーくらいだよ」
「・・・ひっ。・・・く、クローディン皇子の命で、す・・・」
クローディン皇子?それって、確か・・・
「クローディン皇子、ですか。まさか、第二皇子の仕業だとは知りませんでしたよ。答えてくださってありがとうございます。そして、あとは、この国の第三魔法騎士隊にお任せします」
そう!アズウェル皇国の第二皇子だ!フローディア様があまり関わりたくないとおっしゃっていた。
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