44 / 76
1.幼少期
44.秘密の図書館。
しおりを挟む
「・・・昨日は誠に申し訳ありませんでした」
リード様は謝罪する。ジル様も申し訳なさそうにする。
「いえ。こちらこそ、力になれず、申し訳ないです」
・・・このやり取りが数分続いている。そろそろ、誰か止めてほしい。そう思っていると、リード様がこちらを見る。
「先日の事はフローディア様に任せきりにしてすいません」
おっと、こちらに回ってきたか。何とか話題を変えたいところです。
「いえ、お気になさらず。あの後のアルテミス研究所はどうなりましたか?」
リード様はにっこりと笑う。
「・・・潰しましたよ?あんな事の為に、研究所を創設した訳ではありませんから」
行動が早いっ・・・!そして、何気に笑顔が怖い。しかも・・・、潰したの!?リード様は言葉を続ける。
「それにしても、フローディア様は素晴らしかったですよ。兄上に向かって、怯まずにあれほどの事が言えるなんて。リュートさんも身を挺して、フローディア様を守った事。とてもかっこよかったです」
リード様はリュート様に微笑みかける。リュート様も口を開く。少し困ったような笑顔を浮かべている。
「いえ、フローディア様を守らねばと思ったら、つい身体が動いてしまって。無謀でしたね。・・・それにしても、よくリード様と私が闇魔法にはかからない事を知っていましたね。私は全く闇魔法にかかった記憶なんてないのですが」
あはは・・・それは、つい赤子の頃を思い出していたなんて言えないわね。普通の人はそんな事覚えていないのだから。どう、言い訳しよう。そう、考えているとルークが端を発する。
「そりゃあ、闇魔法にかかった記憶なんてないんじゃないのかな?人を眠らせたりするんでしょう?」
「あぁ、そっか。そういう事か」
ルークの言葉で、リュート様は勝手に納得した。そういう事にしておきましょ。・・・でも、いつかは全部包み隠さず話したい。リュート様は聞いてくれるかしら?
△△△△
・・・何で、こんな事になったのだろう?今、どういう状況かというと、お手洗いに向かってそこで、うっかり秘密の扉を開いちゃったのがまずかったよね。秘密の扉・・・それは、アズウェル皇国の機密文書のある所に通ずる扉の事で、壁に手をついたら、扉が開いちゃってしかも・・・その先が地下に繋がる階段で思いっきり落ちちゃったのよね。思いっきり足首を捻っちゃって、動けない。しかも・・・殿方の前だなんてとても恥ずかしいわ!!
ちょうど、お手洗いに向かった先にいたルークとリード様。ルークは私の悲鳴で思いっきり女子トイレに入って、扉を発見して、中に入ったの。しばらくして、気になったリード様がジル様とリュート様をお連れして、中に入りました。ルークは先に入って私を助けてくれたのは良かったのだけど、皆が入った途端、勝手に扉が閉まっちゃって、閉じ込められました。←イマココ
リード様が呟く。
「ここは、どこなんでしょう?」
その言葉に一同は驚きを隠せない。一国の皇子ですら分からない場所とはこれ如何に。私はそこに驚きました。ここの廊下を進んでいけば、アズウェル皇国の機密文書のある秘密の図書館に通ずる。まぁ、進んでいけば途中で普通の皇族の者しか知らない通路に交わるはずだが、機密文書のある秘密の図書館を通って行かないといけない。秘密の図書館に普通の隠し通路の階段(上る事しか出来ない一方通行の階段)が途中であるからよ?秘密の扉も一方通行である。ちなみに、閉じたらしばらく開きません。
「・・・まぁ、普通は淑女のお手洗いに殿方は行きませんものね」
ルークが扉が開かない事を確かめてから、こちらを見て、何てことないかのように、というか、さも当然のように聞いてくる。
「じゃあ・・・フローディアさんはこの先にあるものについて何か知ってる?」
「・・・私が知っている前提なのね」
「でも、知っているんじゃない?」
「まぁ、否定はしませんけど。・・・ちなみに、そのまま先に向かうとアズウェル皇国の機密文書を扱った図書館に出ますの。そこから、上り階段を上れば普通の隠し通路に通じますのよ」
そう言うと、リュート様は思わず私にツッコミを入れてくる。
「何で、そんな事まで知っているんですか!!第一、何で、女性用のお手洗いが国の機密文書の保管している場所に通じているのですか!!」
「知りませんわよ!!それを言ったら、アルカディア王立魔法学園の女性用のお手洗いも国家機密の文書の保管している場所に、図書館に通じますわよ!!」
このゲームの製作陣は何故に女子トイレにこだわるのですか!!
リード様は謝罪する。ジル様も申し訳なさそうにする。
「いえ。こちらこそ、力になれず、申し訳ないです」
・・・このやり取りが数分続いている。そろそろ、誰か止めてほしい。そう思っていると、リード様がこちらを見る。
「先日の事はフローディア様に任せきりにしてすいません」
おっと、こちらに回ってきたか。何とか話題を変えたいところです。
「いえ、お気になさらず。あの後のアルテミス研究所はどうなりましたか?」
リード様はにっこりと笑う。
「・・・潰しましたよ?あんな事の為に、研究所を創設した訳ではありませんから」
行動が早いっ・・・!そして、何気に笑顔が怖い。しかも・・・、潰したの!?リード様は言葉を続ける。
「それにしても、フローディア様は素晴らしかったですよ。兄上に向かって、怯まずにあれほどの事が言えるなんて。リュートさんも身を挺して、フローディア様を守った事。とてもかっこよかったです」
リード様はリュート様に微笑みかける。リュート様も口を開く。少し困ったような笑顔を浮かべている。
「いえ、フローディア様を守らねばと思ったら、つい身体が動いてしまって。無謀でしたね。・・・それにしても、よくリード様と私が闇魔法にはかからない事を知っていましたね。私は全く闇魔法にかかった記憶なんてないのですが」
あはは・・・それは、つい赤子の頃を思い出していたなんて言えないわね。普通の人はそんな事覚えていないのだから。どう、言い訳しよう。そう、考えているとルークが端を発する。
「そりゃあ、闇魔法にかかった記憶なんてないんじゃないのかな?人を眠らせたりするんでしょう?」
「あぁ、そっか。そういう事か」
ルークの言葉で、リュート様は勝手に納得した。そういう事にしておきましょ。・・・でも、いつかは全部包み隠さず話したい。リュート様は聞いてくれるかしら?
△△△△
・・・何で、こんな事になったのだろう?今、どういう状況かというと、お手洗いに向かってそこで、うっかり秘密の扉を開いちゃったのがまずかったよね。秘密の扉・・・それは、アズウェル皇国の機密文書のある所に通ずる扉の事で、壁に手をついたら、扉が開いちゃってしかも・・・その先が地下に繋がる階段で思いっきり落ちちゃったのよね。思いっきり足首を捻っちゃって、動けない。しかも・・・殿方の前だなんてとても恥ずかしいわ!!
ちょうど、お手洗いに向かった先にいたルークとリード様。ルークは私の悲鳴で思いっきり女子トイレに入って、扉を発見して、中に入ったの。しばらくして、気になったリード様がジル様とリュート様をお連れして、中に入りました。ルークは先に入って私を助けてくれたのは良かったのだけど、皆が入った途端、勝手に扉が閉まっちゃって、閉じ込められました。←イマココ
リード様が呟く。
「ここは、どこなんでしょう?」
その言葉に一同は驚きを隠せない。一国の皇子ですら分からない場所とはこれ如何に。私はそこに驚きました。ここの廊下を進んでいけば、アズウェル皇国の機密文書のある秘密の図書館に通ずる。まぁ、進んでいけば途中で普通の皇族の者しか知らない通路に交わるはずだが、機密文書のある秘密の図書館を通って行かないといけない。秘密の図書館に普通の隠し通路の階段(上る事しか出来ない一方通行の階段)が途中であるからよ?秘密の扉も一方通行である。ちなみに、閉じたらしばらく開きません。
「・・・まぁ、普通は淑女のお手洗いに殿方は行きませんものね」
ルークが扉が開かない事を確かめてから、こちらを見て、何てことないかのように、というか、さも当然のように聞いてくる。
「じゃあ・・・フローディアさんはこの先にあるものについて何か知ってる?」
「・・・私が知っている前提なのね」
「でも、知っているんじゃない?」
「まぁ、否定はしませんけど。・・・ちなみに、そのまま先に向かうとアズウェル皇国の機密文書を扱った図書館に出ますの。そこから、上り階段を上れば普通の隠し通路に通じますのよ」
そう言うと、リュート様は思わず私にツッコミを入れてくる。
「何で、そんな事まで知っているんですか!!第一、何で、女性用のお手洗いが国の機密文書の保管している場所に通じているのですか!!」
「知りませんわよ!!それを言ったら、アルカディア王立魔法学園の女性用のお手洗いも国家機密の文書の保管している場所に、図書館に通じますわよ!!」
このゲームの製作陣は何故に女子トイレにこだわるのですか!!
8
あなたにおすすめの小説
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる