宝かごみかは、君しだい

七草すずめ

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ことばってむずかしい

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 レアチーズというからには
 とても貴重な品にちがいない

 月極駐車場という以上
 ここが月のさいはてなのである

 サンデーは日曜に食べなきゃだめだ
 午後の紅茶は朝飲んだらだめだ

 ふいんきのいい喫茶店で
 台風一家をおもうときのわたしは
 いつまでも小学三年生


   *


「このあいだラーメンにキクラゲが入ってて、お母さんもお父さんも海藻だって言ったんだけど、先生がきのこだって言ってたからきのこだよって言ったら、うそだーってみんな言って、でも調べたらきのこで、やったーってなりました! 先生のおかげ!」
 それはよかったね、なんてほほえみながら返事をしたけれど、心の中では全力で小躍りしていた。ああ、十年ほど前のわたしに教えてあげたい。こんな未来があることを。
 とにかく適当な人間なので、言葉の間違いが多かった。バイトしていた塾では中学生の子に「きつねにつつまれる」という間違いを堂々と披露してつっこまれたし、失敗したときに「海のもずくになりたい」と突拍子もない嘆きかたをしたこともあった。
 そんな馬鹿丸出しのわたしだけど、「キクラゲってくらげじゃないの?」というのはあるあるな間違いだと思う。名だけでなく食感にもクラゲ感があふれるあの食材は、存在自体が我々を騙しにかかっている。わたしもまんまと罠にかかり、恥をかいた。
 それが今ではどうだろう。キクラゲがきのこであることを、自分のクラスの児童に教えてあげられるまでに成長したのだ。これからもどんどん、未来を担う子供達にキクラゲがきのこであることを教えていきたい。
「お母さんもお父さんも海藻だって言ったんだけど」と言われた瞬間、また間違えたかと思いひやりとしたのはひみつである。
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