十二支vs十二星座

双子座の罠

獣帝レオンが不気味な笑い声をあげると同時に獣帝レオンの姿がグニャグニャと溶けて変形してその正体を表した。

牛の戦士  牛田はその姿を見るとこう言った。

「お前はこの前取り逃がしたモノマネ野郎。」

正体を表したそいつはメガネをかけた赤と白の囚人服を着た人混みに隠れるのがうまそうな姿をした男だった。

そいつは気持ち悪い笑みを浮かべこう言った。

「半分正解だ。副将君。君が先ほど戦ったのは私の弟だ。私は双子座の兄カストル。私達は二人で一人の戦士。よって、君の答えは半分だけ。正しいと言える。半分だけね。」

カストルは急に怒り出しこう言った。

「先程はよくも私の弟を可愛がってくれたな。たっぷりとお礼をしてやるよ。お前の部下のイノシシもお前もここで終わりだ。」

その時、牛はハッと気がついた。

「まさか、お前気づいていたのか。ワシが時間稼ぎをしているすきにイノシシに寝子を救出させていた事を。」

カストルは勝ち誇った様な顔でこう言った。

「ああ、わかっていたさ。それに。驚くのはまだ早いぞ。お前が救出したのは我が弟だ。今頃、何も知らないバカなイノシシを弟が仕留めているだろう。」

カストルは不気味に笑いながらこう言った。

「デュフフフ。見事に騙されたな。このバカ牛が。お前は牛の戦士ではなく牛そのものだな。仲間の血の赤を見ると突進していく姿はおかしすぎて笑いをこらえるのが大変だったぞ。本当にバカでお人好しな奴だな。そんなんだから、十二支番付でも2番手なんだよ。お前みたいな間抜けで真面目な奴はずる賢い奴に利用されるんだよ。番付決めの時も最後に仲間にはめられて2番手になったんだっけ。デュフフ。」