十二支vs十二星座

波乱の会場

その頃、会場では、次の戦いに向けての準備と話し合いが行われていた。

そんな状態の中、北欧神のロキはあくびをするとこう言った。

さてと、では、帰るとするかな。僕は残業はしない主義でねー。ロキ君。僕もう満足したから帰るよ。

そう言うとオーディンは消えてしまった。

ああっ。そんな。オーディン様。本当に。いい加減でんやんすね。それでは。あっしもしつれさせてもらいやす。と言ってもまたすぐに会う事になりやすけどね。

そう言うとロキもお辞儀をすると何処かに消えてしまった。

ゼウスは深刻な顔でイザナギに頭を下げてこう言った。

本当に。すまない。我々がついていながら、こんな事になってしまって。どんな脅威からも日本を守ると約束していたのに。

最高神である私がいながら、日本が戦場になるのを止める事が出来なかった。

ゼウス、お前が謝って済む問題か。すぐに事の解決に当たる方が優先すべき事だろ。謝罪なら全てが終わった後にたっぷりと聞いてやる。

それに、ゼウスまだ、次の戦いは始まってもおらん。それよりもまだ、今年の運命を決める戦いが終わっおらんではないか。この戦いが終わらなければ、我々は下界に干渉することが出来きん。

だが、この戦いのルールである十二神対十二神で行うと言うルールが破られた、今、この戦いは無効になり、誰も下界に直接力を振るう事が出来ないはずではないのか。

それがな、ゼウス、そのはずだったのだが、入ってきた者達が正確に言えば神では無かったため、儀式的には完全には失敗しておらず、不完全ではあるがまだ儀式の強制力が残っており、この戦いが終わるまでは誰も一部を除いて下界に行く事すらできん。

何だと。神ではなかったとはどう言う事だ。

そうだな。説明すると、ここで言う神は人々に信仰され、地上に自らの社を待つ物を指すんだ。たとえ神の子供で同じ種族が同じでも信仰の対象ですらないロキの子供は神ではなくただの怪物と判断されたと言うわけだ。

だけど、アイツはどうなる正真正銘北欧神である雷神トールアイツは間違いなく神だぞ。

そう。問題はこいつだ。こいつは正確に言えば神だったものだ。

それはどう言う事だ。

つまりは北欧神は過去の遺物と言う事だ。昔は神殿が作られて生贄が捧げられるほど、信仰されていたが今となっては北欧神を信仰している奴はいない。

つまりは神の資格を失った器と称号だけの存在という事だ。

まあ、いわば、化石みたいなものだ。

だが、腐っても元神、この不純物の存在で儀式を完了しても今までの様にいかない可能性が高い。だが、終わらせるしかない。完全な形で終わらせないとそれこそ中断でもすればとんでもない事が起こる可能性がある。

だから、まだこの戦いは続けなくてはならないんだ。

イザナギは下にいる日本の人間達に向かってこう言った。

地上の民達よ。もう少し待っていてくれ。