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4章 俺の彼女は幸せを勝ち取りたい
彼女、一人になる
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次の日の午後五時半。
大学のラウンジにて。
俺と燐華さんは、友人と他愛もない話をしていた。
すると、俺のズボンのポケットに入っているスマホが振動した。
スマホの画面を見ると、母親からのメッセージが届いていた。
祖父と祖母が遊びに来ているから実家に顔を出しなさいという内容だった。
「あ、すみません燐華さん」
「ん? どうしたの?」
「今母親から連絡があって。用事ができたので先に帰りますね」
「うん。わかった」
「それじゃあ、お先失礼します」
俺は燐華さんたちに軽く手を振り、大学を後にした。
午後六時。
「あ、すみません燐華さん! 私そろそろバイトの時間で! 私も先に失礼します!」
チラッと時計を確認した茶髪の女子生徒が慌てて帰宅の準備をし始めた。
それにつられて金髪の女子生徒も時間を見た。
「あ、私もそろそろ時間だ。別の友達と会う約束をしてて......」
金髪の女子生徒も一緒に帰宅の準備を始める。
「二人が帰るなら、私も帰ろうかな」
燐華は特に用事はないが、一人で大学に残っていても仕方がないので、一緒に帰ろうとした。
その時、大学内を清掃している年老いた男性の用務員に声をかけられた。
「そこの君たち! ちょっと手伝ってくれんか!」
用務員はゴミ袋を運んでいる最中だった。
一度に大量に持っており、運びづらそうだった。
「あ、私が手伝いますよ」
燐華は率先して用務員からゴミ袋を受け取った。
「あの二人はこれから用事があるそうなので、私一人でもいいですか?」
「ああ、ありがとね!」
用務員は嬉しそうだった。
「私たちは手伝えませんが、応援してます! 頑張ってくださいね!」
「はは、応援されるほどのことでもないと思うけど......」
燐華は笑いながら言う。
「それじゃ、私たちはお先に失礼するね。じゃあねー」
二人は先に帰ってしまった。
「ところで、このゴミ袋はどこに運べばいいですか?」
「一階にゴミを集めておく場所があるんだ。そこまでいいかな?」
「ええ、いいですよ」
「よし! じゃあささっと終わらせちゃおうか!」
燐華と用務員はゴミ袋を運ぶために、ラウンジを後にした。
その二人の様子を、夏鈴は影から見ていた。
用務員と会話しながらラウンジとゴミ置き場を往復する。
手伝いが終わった頃には、時刻は午後六時半になっていた。
用務員はお礼がしたいと言うので、ラウンジに戻ってきた。
「いやーありがとね! これお礼だよ!」
用務員は自動販売機で微糖の缶コーヒーとお菓子を買い、燐華に手渡す。
「ちょっと手伝っただけなのに、いいんですか?」
「いいよいいよ! 貰っときな!」
「じゃあ、ありがたく頂きますね」
燐華は缶コーヒーを開封する。
そして、一気に飲み干した。
「ゴミは貰っとくよ」
「ありがとうございます。あ、もうこんな時間......。お菓子は家でおいしく頂きますね」
用務員は燐華から缶を受け取る。
「それじゃ、気を付けて帰りな」
「はい。コーヒーありがとうございました」
燐華はお辞儀し、ラウンジを後にした。
誰もいない廊下を、一人で歩く。
そんな燐華を、夏鈴は見逃すはずがなかった。
夏鈴は、燐華に手を出すのを諦めていたわけではなかった。
毎日毎日、燐華のことを遠くから観察し、確実に一人になるタイミングを狙っていたのだ。
志永や友人が先に帰った時、夏鈴は喜んでいた。
味方がいない燐華を徹底的に追い詰めるチャンスだと。
そして、燐華は用務員の手伝いを終え、完全に一人になった。
大学の出入口に向かっている燐華に後ろから声をかけた。
大学のラウンジにて。
俺と燐華さんは、友人と他愛もない話をしていた。
すると、俺のズボンのポケットに入っているスマホが振動した。
スマホの画面を見ると、母親からのメッセージが届いていた。
祖父と祖母が遊びに来ているから実家に顔を出しなさいという内容だった。
「あ、すみません燐華さん」
「ん? どうしたの?」
「今母親から連絡があって。用事ができたので先に帰りますね」
「うん。わかった」
「それじゃあ、お先失礼します」
俺は燐華さんたちに軽く手を振り、大学を後にした。
午後六時。
「あ、すみません燐華さん! 私そろそろバイトの時間で! 私も先に失礼します!」
チラッと時計を確認した茶髪の女子生徒が慌てて帰宅の準備をし始めた。
それにつられて金髪の女子生徒も時間を見た。
「あ、私もそろそろ時間だ。別の友達と会う約束をしてて......」
金髪の女子生徒も一緒に帰宅の準備を始める。
「二人が帰るなら、私も帰ろうかな」
燐華は特に用事はないが、一人で大学に残っていても仕方がないので、一緒に帰ろうとした。
その時、大学内を清掃している年老いた男性の用務員に声をかけられた。
「そこの君たち! ちょっと手伝ってくれんか!」
用務員はゴミ袋を運んでいる最中だった。
一度に大量に持っており、運びづらそうだった。
「あ、私が手伝いますよ」
燐華は率先して用務員からゴミ袋を受け取った。
「あの二人はこれから用事があるそうなので、私一人でもいいですか?」
「ああ、ありがとね!」
用務員は嬉しそうだった。
「私たちは手伝えませんが、応援してます! 頑張ってくださいね!」
「はは、応援されるほどのことでもないと思うけど......」
燐華は笑いながら言う。
「それじゃ、私たちはお先に失礼するね。じゃあねー」
二人は先に帰ってしまった。
「ところで、このゴミ袋はどこに運べばいいですか?」
「一階にゴミを集めておく場所があるんだ。そこまでいいかな?」
「ええ、いいですよ」
「よし! じゃあささっと終わらせちゃおうか!」
燐華と用務員はゴミ袋を運ぶために、ラウンジを後にした。
その二人の様子を、夏鈴は影から見ていた。
用務員と会話しながらラウンジとゴミ置き場を往復する。
手伝いが終わった頃には、時刻は午後六時半になっていた。
用務員はお礼がしたいと言うので、ラウンジに戻ってきた。
「いやーありがとね! これお礼だよ!」
用務員は自動販売機で微糖の缶コーヒーとお菓子を買い、燐華に手渡す。
「ちょっと手伝っただけなのに、いいんですか?」
「いいよいいよ! 貰っときな!」
「じゃあ、ありがたく頂きますね」
燐華は缶コーヒーを開封する。
そして、一気に飲み干した。
「ゴミは貰っとくよ」
「ありがとうございます。あ、もうこんな時間......。お菓子は家でおいしく頂きますね」
用務員は燐華から缶を受け取る。
「それじゃ、気を付けて帰りな」
「はい。コーヒーありがとうございました」
燐華はお辞儀し、ラウンジを後にした。
誰もいない廊下を、一人で歩く。
そんな燐華を、夏鈴は見逃すはずがなかった。
夏鈴は、燐華に手を出すのを諦めていたわけではなかった。
毎日毎日、燐華のことを遠くから観察し、確実に一人になるタイミングを狙っていたのだ。
志永や友人が先に帰った時、夏鈴は喜んでいた。
味方がいない燐華を徹底的に追い詰めるチャンスだと。
そして、燐華は用務員の手伝いを終え、完全に一人になった。
大学の出入口に向かっている燐華に後ろから声をかけた。
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